フジテレビ系列全28局とBSフジが協力するFNSチャリティキャンペーンのイベント「Human Road」が4日、東京・台場の同局本社球体展望室「はちたま」で行われ、キャンペーンの支援国を取材した佐々木恭子アナと倉田大誠アナが、現地で感じたことを伝えた。

  • (左から)フジテレビ社会貢献推進局の木幡美子氏、佐々木恭子アナ、倉田大誠アナ

    (左から)フジテレビ社会貢献推進局の木幡美子氏、佐々木恭子アナ、倉田大誠アナ

同キャンペーンでは、年度ごとに支援国を決め、アナウンサーが現地を長期取材。その模様が、かつては『とくダネ!』、現在は『めざまし8』で放送されている。

佐々木アナは、2005~08年にスマトラ沖地震の大津波の被災地であるインドネシア、そして子どもたちのHIV事情をテーマにマラウイ、パプアニューギニア、ガイアナを取材。実家が阪神・淡路大震災で全壊した経験からアナウンサーを志望した佐々木アナは「実家は失うことになったけど、そのとき大学生で横浜に住んでいて、直接被災せず怖い思いをしなかったということで、ある種の贖罪意識みたいなものがあって、こういう現場は少しでも自分で見てみたい」と志願した。

実際に現地に行って、「1歳6カ月の子どもに自分の母乳を通してHIVをうつしてしまったお母さんが、そのお子さんを亡くすという瞬間に立ち会うことになったんです。そこで、日本だったら助かるはずの命が助からないんだなと痛切に思いました。それを感じると、命の重みはみんな等しいと習ってきたけど、そんなことはまだ言えないんだと思いました」と痛感したという。

一方の倉田アナは、温暖化で山の上にある氷が溶けたことによって国土の3分の1が浸水したパキスタンへ。温暖化は先進国である日本が加害国の1つであるということを突きつけられた後に、子どもを洪水の後に亡くしている夫妻に話を聞くと、「あなたは私たちのために何をしてくれるんですか?」と問われ、「何にも言葉が出てきませんでした。マイクを向けて話を聞くというのが自分の生業なんですけど、全く立ち行かなかったというところで、はがゆかったし、やるせなくて、涙が出てきました」と打ち明けた。

そうした現地取材の経験を踏まえ、佐々木アナは「誰かのためにという“利他”のアクションは“利己”、つまり自分に戻ってくると思うんです。日本には“情けは人のためならず”ということわざもありますが、誰かのために何かをやると、結局自分のために戻ってくるという気持ちを持とうかなと最近思っています」と考えを披露。

倉田アナは、24年度の支援国であるネパールを取材予定で、「ネパールは平均の標高が3,200mあるんです。そこで氷河が溶けて洪水がありますし、地震によって多くの命が奪われました。山岳地ならではの復旧の遅れも、今回は詳しく見ていこうと思います」と語ると、佐々木アナは「見てきた人にしか分からないことがあるので、誠心誠意伝えていただきたいと思います」と期待を寄せた。

このイベントでは、24年度のキャンペーンソング「Pass the Smile」を、八神純子と宇海-UUMI-がデュエットで披露。他にも様々な楽曲が歌唱され、レインボーブリッジや東京タワーの映える夜景をバックに響く美声に、多くの来場客が酔いしれた。