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オープン戦に突入している2024年シーズンのプロ野球。主力選手は開幕に向けての調整を進めているが、実戦をこなすうえで注意しなければならないのが、故障離脱だ。実際にシーズン開幕前の大事な時期に離脱した選手は多く、今季もすでに離脱者が出ている。そこで今回は、シーズン開幕前に故障を経験した大物選手を紹介する。
小久保裕紀
投打:右投右打
身長/体重:182cm/87kg
生年月日:1971年10月8日
経歴:星林高 - 青山学院大
ドラフト:1993年ドラフト2位
今季から福岡ソフトバンクホークスの一軍監督に就任した小久保裕紀は、無償トレードで移籍となった年に故障を経験した。
青山学院大では同大学を初の日本一に導いたうえ、バルセロナオリンピック日本代表に学生で唯一選ばれるなど圧巻の活躍を見せ、逆指名で福岡ダイエーホークス(現:ソフトバンク)に入団した。
ルーキーイヤーから一軍デビューを果たすと、プロ2年目には130試合出場で28本塁打を放ち、ホームラン王を獲得。1997年には打点王(114打点)に輝くなど、中軸として打線を牽引した。
ところが、2003年のオープン戦で右ひざ前十字靭帯断裂の重傷を負ってしまう。同年はダイエーが日本一を達成したものの、小久保が試合に出ることはなかった。
その後、無償トレードで読売ジャイアンツへの移籍が発表され、大きな騒動を巻き起こしたのは記憶に新しいところだ。
2007年からは古巣に戻り、同球団で現役生活にピリオドを打った小久保。今季からは監督として2020年以来のパ・リーグ制覇、そして日本一を目指す。
門田博光
投打:左投左打
身長/体重:170cm/81kg
生年月日:1948年2月26日
経歴:天理高 - クラレ岡山
ドラフト:1969年ドラフト2位
プロ通算567本塁打を放ち、”不惑の大砲”とも呼ばれた門田博光。ホームラン王を獲得する前の段階で、悲劇は起きた。
数々のアーチを描いた門田だが、天理高時代には一度もホームランを打てず。その後は社会人野球のクラレ岡山で腕を磨き、ドラフト2位で南海ホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)に入団した。
プロ2年目には129試合出場で打率.300、31本塁打、120打点をマークし、打点王を獲得。その後もしばらくは安定した活躍を見せていた。
そんな中、1979年の春季キャンプでアキレス腱断裂の大けがを経験。同年はわずか19試合の出場に終わり、再起不能かと思われた。
しかし、翌1980年に111試合出場で打率.292、41本塁打、84打点の活躍を見せると、1981年には127試合の出場で44本塁打を放ち、ホームラン王のタイトルを獲得。見事な復活を遂げた。
また、40歳のシーズンには130試合に出場し、打率.311、44本塁打、125打点で2冠(ホームラン王・打点王)に輝き、史上最年長での最優秀選手(MVP)も受賞した。
その後はオリックス・ブレーブス(現:バファローズ)でのプレーを2年間挟み、古巣でユニフォームを脱いだ門田。球史に残る伝説の打者となった。
清宮幸太郎
投打:右投左打
身長/体重:184cm/94kg
生年月日:1999年5月25日
経歴:早稲田実
ドラフト:2017年ドラフト1位
今季、春季キャンプ直前に離脱した若き主砲が、北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎だ。
早稲田実では、入学当初からアーチを量産。1年夏の甲子園では2試合連続ホームランを放ち、チームのベスト4入りに貢献した。高校通算111本塁打という際立った実績が評価され、7球団競合の末、日本ハムへの入団が決まった。
大きな注目を集めた高卒1年目は、一軍で7本塁打を記録。持ち前のパンチ力を発揮し、決して出足は悪くなかった。
しかし、2021年は一軍出場なしに終わり、崖っぷちに立たされていた清宮。そこから奮闘を見せ、2022年は打率こそ.219ながら初の2桁本塁打(18本)、55打点を稼ぐなど、大器の片鱗を示した。
昨季はスタートこそ好調だったが、4月中旬に左脇腹を痛めて無念の離脱。6月中旬に復帰したものの、同年は99試合出場で打率.244、10本塁打、41打点と物足りない結果に終わった。
さらなる進化が求められていた矢先の今年1月、キャンプイン直前に左足の関節を捻挫した。実戦復帰は早くても3月後半と予想されており、出鼻をくじかれる形となっている。
金本知憲
投打:右投左打
身長/体重:180cm/88kg
生年月日:1968年4月3日
経歴:広陵高 - 東北福祉大
ドラフト:1991年ドラフト4位
1492試合連続フルイニング出場の世界記録を持つ金本知憲。その記録が途切れる要因となったのは、シーズン前の故障だった。
広陵高で高校通算20本塁打を放った金本は、東北福祉大に進学。1年時からレギュラーを獲得し、大学球界でも名が知れ渡るバッターになっていた。
その後、ドラフト4位で広島東洋カープに入団。入団後2年間は目立つ結果を残せなかったが、プロ3年目に17本塁打を記録してから打線の中心として活躍。2002年オフにはFA権を行使し、阪神タイガースに移籍した。
2004年7月には死球を受けた際に左手首を骨折するも、翌日に2安打を放つ離れ業を披露。同年も試合に出続け、打点王(113打点)を獲得した。
2005年も全試合に出場すると、打率.327、40本塁打、125打点をマークし、最優秀選手(MVP)を受賞。何があっても試合に出続ける姿は「鉄人」の異名を取った。
だが、2010年のオープン戦、試合前練習で味方選手と接触。右肩に重傷を負い、同年4月で連続フルイニング出場の記録は途絶えた。それでも、2012年限りで現役引退を決断するまで、持ち前の打棒でチームの大事な戦力となっていた。
辻発彦
投打:右投右打
身長/体重:182cm/78kg
生年月日:1958年10月24日
経歴:佐賀東高 - 日本通運
ドラフト:1983年ドラフト2位
西武ライオンズの黄金期を形成した辻発彦も、開幕前の故障を経験している。
辻は佐賀東高を卒業後、社会人野球の日本通運でプレー。入社4年目に都市対抗へ出場するなど実績を積み上げ、ドラフト2位で西武に入団した。
プロの世界でさらに守備力を向上させると、入団2年目には110試合に出場し、規定打席未満ながら打率.275、27盗塁を記録。俊足も活かして二塁のレギュラー格となった。
しかし、1987年のオープン戦でデッドボールを受け、右手人差し指を骨折。同年は51試合の出場に終わった。
それでも、翌年以降は完全復活を遂げ、1993年には110試合出場で打率.319、出塁率.395をマークし、首位打者と最高出塁率のタイトルに輝いた。
また、ゴールデングラブ賞は8度受賞。打撃だけでなく、堅い守備で西武の黄金期に欠かせない存在となった。
高橋周平
投打:右投左打
身長/体重:180cm/90kg
生年月日:1994年1月18日
経歴:東海大甲府高
ドラフト:2011年ドラフト1位
正念場を迎えている高橋周平は、2022年の開幕前に故障を経験した。
東海大甲府高で高校通算71本のアーチを描き、高校日本代表に選ばれた経歴を持つ高橋。ドラフト会議では3球団が1位で競合。抽選の末、中日ドラゴンズへの入団が決まった。
ルーキーイヤーから一軍デビューを飾り、18歳4ヶ月でプロ初アーチを記録。これはドラフト制後の高卒新人最年少記録となり、スラッガー候補として活躍が望まれたが、その後は伸び悩んだ。
そんな中、2018年に初の規定打席をクリアすると、2020年は108試合に出場し、キャリアハイの打率.305をマーク。ついにその実力が開花したと思われた。
しかし、翌2021年は137試合に出場したものの打率.259にとどまり、2022年は開幕前の3月に左足を負傷してしまった。
昨季は.215という打率だけでなく、プロ入り後初めて本塁打0に終わった高橋。三塁のポジションでは石川昂弥が台頭しているだけに、今シーズンの成績は、大きな意味を持ちそうだ。
【了】