ふるさと回帰支援センターは、地方移住に関するアンケート結果を3月1日に発表した。同調査は、2023年1月4日~12月27日の期間、新規のふるさと回帰支援センター窓口相談者、新規のセミナー・相談会など参加者17,056人を対象にアンケートを用いて行われた。
2023年の移住相談件数は、59,276件と、2022年(52,312件)比で13.3%増となり、3年続けて過去最多となった。
移住相談件数の推移(2008-2023)を見ると、窓口相談では2020年から4年連続「静岡県」が1位に。以降、2位「群馬県」、3位「栃木県」、4位「長野県」、5位「宮城県」となった。
1位の「静岡県」は、多くの年代から人気で、アクセスや利便性の高さを生かした結果とのこと。静岡県は移住フェアやセミナーに加え、市町の移住担当者とセンターの相談員を交え三者で具体的な話ができる「出張相談デスク」を70回も開催したことが相談の増加につながったと同団体は推察している。
また、大きくランクアップしたのは、2位「群馬県」(前回9位)、7位「北海道」(前回12位)、9位「山口県」(前回15位)。
群馬県は、地震が少ないなど安心・安全な移住先候補として、また生活費や教育費の安さから、子育て世代からの相談が急増している。加えて、東京から100キロ圏内ということもあり、テレワーク層からも人気が高いという。移住セミナーで関係人口を増やしてきたことも、相談増につながったとみている。
北海道はコロナ禍後、旅行や帰省で訪れる人が増え、移住をしたい気持ちが高まった結果、相談増につながっているという。また、テレワークに関する相談も増加。当初は、関東近県に集中していたテレワーク移住が北海道へも広がり、人気に拍車をかけたと同団体は考えている。
山口県はデジタルマーケティングを活用し、SNSやウェブ広告を通じた効果的な情報発信を行った結果、東京やオンラインなどで開催した移住セミナーの参加者が増加した。この移住セミナーをきっかけに山口への関心が高まり、窓口での相談件数の増加につながったという。
また、前回ランク外だった福島県が12位に。県内市町村と連携した取り組みの強化が図られ、首都圏からのアクセスが良い中通りエリアへのテレワーク移住などに関する相談や移住、さらに福島県に縁のある20代からの相談も増加した。加えて、原発事故で一時住民が避難した12の市町村に特化した移住促進策も進められ、ツアーで現地を訪問した人からの相談も増加したとのこと。
また、全体的な傾向として、移住支援金についての認知が進み、ネットやメディアからだけでは条件が分かりにくいため「自分が該当するのか」など、確認するための相談も増えたという。