舞台『千と千尋の神隠し』の製作会見が2月29日に都内で行われ、千尋役:橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子、ハク役:醍醐虎汰朗/三浦宏規/増子敦貴(GENIC)、カオナシ役:小尻健太(※尻の中は丸)/中川賢/山野光 ※森山開次は欠席、リン/千尋の母役:妃海風/華優希/実咲凜音、釜爺役:田口トモロヲ/宮崎吐夢 ※橋本さとしは欠席、湯婆婆/銭婆役:夏木マリ/羽野晶紀/春風ひとみ ※朴ロ美は欠席、ジョン・ケアード(翻案・演出)、今井麻緒子(共同翻案)、松岡宏泰(東宝 代表取締役社長)、イアン・ギリー(PWプロダクションズ 最高経営責任者)が登場した。
同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年に世界初上演された。
■舞台『千と千尋の神隠し』製作会見に22名登場
これまで千尋を演じていた橋本、上白石に加え、新キャストとして川栄、福地が仲間入り。会見では、難しい質問に対して千尋役の4人がじゃんけんで順番を決め合うような一幕も。稽古場ではスケジュールの都合で4人が揃うことがなかったというが、上白石は「同じだけ走って転んでやってるので、同志ですね。私は早くりっちゃん(川栄)と、桃ちゃん、そして(スウィングキャストの森)莉那ちゃんの千尋を世にお披露目したくてたまらないです。私たちも稽古場で観ながらボロボロ泣いてて」と新キャストに太鼓判を押す。橋本も「客観的に観るからこそ千尋も素敵だし、作品のすごさもわかるし、すごく感動するんです」と同意し、上白石は「新しい刺激をたくさんいただいて、『私も変わらねば』と思ってやっているところです」と心境を明かした。
会見では、キャスト陣に対し自身の演じる役について「〇〇の(キャラ名)」というキャッチフレーズをつけるという無茶振りもなされ「キレキレのハク」(醍醐)、「幻のハク」(三浦)、「消えそうなハク」(増子)、「アンニュイなカオナシ」(小尻)、「キュートなカオナシ」(中川)、「真面目なカオナシ」(山野)とそれぞれに表す。
リン役については、妃海が「たまたまなのか、宝塚娘役出身3人がリン。宝塚は清く高く美しくということで、清いリン」と宣言し、華が「正しいリンです」、実咲が「美しいリンです」と連携プレイで拍手をさらう。
初演から出演する田口は、新キャストの宮崎が冒頭で「私は帝国劇場も初めて、ロンドン公演も初めて、W(トリプル)キャストも初めて、東宝さんの制作する舞台に出演させていただくのも初めて。初めて尽くしなので、初々しいもぎたての釜爺をお届けできたら」と言っていたことを受け、「古々しい、落ちてしまったオールドな釜爺」を自称する。一方宮崎は「不安な釜爺」と表していた。
さらに羽野は「たくさんの段取りをいただきまして、ふわふわしていて、本番で何が出るかわかんないので『何が出るかわからない湯婆婆』」、春風は「私も宝塚出身ですので、『清く正しく美しく、迷いある湯婆婆』。まだ迷宮の中を歩いている感じの湯婆婆」と語った。
■千尋役4人のキャッチフレーズは?
この質問は千尋役の4人と夏木には振られなかったものの、会見終了後の囲み取材にて千尋役も答えることに。橋本について、上白石は「直感型。『直感を大事に進む千尋』って感じ。初演からすごく感じてます」と表現する。橋本は上白石の印象を「よく聞いてる。周りの人の動向とか、油屋に行った時に周りの全体を感じ取ってその場にいるんだろうなと感じる」と説明し、上白石は「『聞きの千尋』だ」とまとめた。
川栄は「最初の方は桃ちゃんと2人の稽古があったんですけど、本当に対照的で。私が“せっかち”だとしたら桃ちゃんが“のんびり屋さん”。一つの動作が全然違っていて。例えば扉を閉めて走る動きも、桃ちゃんは扉を閉めてコテコテ走って『のんびりしてますよ』と言われたりするけど、私はサッと閉めてサッと行っちゃうので『SPみたいになってますよ』と言われる」と苦笑する。橋本は「そこが川栄ちゃんの良さ。淡白な感じが。アニメでも千尋って何考えるかわからないサラッとした感じがあるじゃないですか、それがめちゃくちゃお芝居に表れてるなと思います」、上白石は「誰よりも幼い。脳がバグります」とそれぞれに川栄の印象を述べた。
「のんびり屋さんな千尋」と言われた福地だが、上白石は「桃ちゃんはめっちゃ走るの速いんですよ。すごい走るところがあるんですけど、桃ちゃんだけ最初間に合ってて。おっとりしてるのに足速い人が好きなので、けっこうぶっ刺さってます」とハマっている様子。福地が「タイムを測られるんです」と明かすと、橋本は「(初演で)スピードが遅いとか、全然走ってなかったとか言われて。萌音ちゃんがなりふりかまわず走ってたみたいで。私は裏で他のキャストとイエーイ! とかやりながらだったので」と裏話を語った。
東京公演は帝国劇場にて3月11日〜30日、 ロンドン公演はロンドン・コロシアムにて4月30日〜8月24日、名古屋公演は御園座にて4月7日〜20日、福岡公演は博多座にて4月27日〜5月19日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月27日〜6月6日、北海道公演は札幌文化芸術劇場 hitaruにて6月15日〜20日。