今季に“暗雲”…ケガで開幕絶望となりそうな主戦格投手6人。無念の故障離脱…

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 プロ野球では球春到来を迎え、2024年シーズン開幕に向けて調整が進んでいる。しかし、春季キャンプや練習試合での故障など、アクシデントも多数発生。すでに今季の開幕一軍が絶望的となってしまった選手も少なくない。ここでは、故障離脱を強いられた主戦格の選手を紹介したい。
 

 

森田駿哉(読売ジャイアンツ)

・投打:左投左打
・身長/体重:185cm/88kg
・生年月日:1997年2月11日
・経歴:富山商 - 法政大 - Honda鈴鹿
・ドラフト:2023年ドラフト2位
 
 社会人5年目でプロ入りを果たした森田駿哉だが、スタートは厳しいものとなった。
 
 富山商でプレーした森田は、3年時に夏の甲子園に出場。ベスト16入りの立役者となり、高校日本代表にも選出されるなど、当時からその実力は高く評価されていた。
 

 
 高校卒業後は法政大に進学したが、1年時に左肘を故障。その影響で大学通算はわずか1勝に終わり、4年時にプロ志望届を提出するも、指名漏れとなった。
 
 社会人野球のHonda鈴鹿では、入社1年目から活躍。2023年に開催された第94回都市対抗野球大会ではトヨタ自動車の補強選手として出場し、優秀選手に選出された。
 
 同年のドラフト会議では、読売ジャイアンツから2位指名。社会人5年目を迎えていた苦労人が、念願のNPB入りを叶えた。
 
 しかし、春季キャンプ中に左肘の炎症を訴え、故障班に合流となった森田。大学時代にも同箇所を故障しただけに、まずは回復に努めたい。





本前郁也(千葉ロッテマリーンズ)

・投打:左投左打
・身長/体重:176cm/82kg
・生年月日:1997年10月2日
・経歴:札幌光星高 - 北翔大
・ドラフト:2019年育成ドラフト1位

 
 千葉ロッテマリーンズ期待の左腕である本前郁也。しかし、今季の春季キャンプでまさかの悲劇に見舞われた。
 
 札幌光星高3年時には、エースとして南北海道大会で登板したが、この時点では無名の存在だった。
 

 
 北翔大では1年春からベンチ入りすると、札幌六大学リーグで最優秀投手を3回受賞。その実績もあり、2019年の育成ドラフト1位でロッテに入団した。
 
 プロ1年目からファームで11試合に登板し、2勝0敗、防御率2.56 の成績を残すと、翌2021年3月に支配下登録を勝ち取った。4月にはプロ初登板初勝利を挙げ、同年は8 試合に登板し1勝2敗、防御率4.78でフィニッシュ。
 
 2022年は11試合登板で3勝2敗、防御率4.66 の成績を残したが、翌2023年の一軍登板は、わずか1試合に終わっていた。
 
 開幕ローテーションを目指す今シーズンだったが、練習試合で左上腕骨骨幹部骨折という事態に。すでに幹部の手術は受けたが、今季はリハビリに徹することになりそうだ。






草加勝(中日ドラゴンズ)

・投打:右投右打
・身長/体重:182cm/75kg
・生年月日:2001年11月21日
・経歴:創志学園高‐亜細亜大
・ドラフト:2023年ドラフト1位

 
 ドラフト1位と大きな期待を受けてプロ入りした草加勝だが、いきなりアクシデントに見舞われた。
 
 創志学園高では西純矢(現:阪神タイガース)の控え投手に甘んじたが、亜細亜大に進学後に躍進を果たす。
 

 
 3年秋から主戦を担うと、4年春には9試合(71回)を投げ、6勝2敗、6完投4完封、防御率1.52の活躍でベストナイン、最優秀投手に輝いた。同夏には日米大学野球の日本代表に選出されるなど、世代を代表する投手となった。
 
 同秋のリーグ戦でも抜群の安定感を誇り、迎えたドラフト会議では外れ1位指名で2球団が競合。抽選の結果、中日ドラゴンズへの入団が決まった。
 
 プロ1年目から先発ローテーションの一角として期待されていたが、新人合同自主トレ中に右肘の違和感を訴え離脱。その後、右肘の内側側副靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けたことが発表された。
 
 実戦復帰まで約1年かかる見込みだが、体力強化などに取り組み、リハビリ期間を有意義なものにしたいところだ。





髙橋遥人(阪神タイガース)

・投打:左投左打
・身長/体重:181cm/79kg
・生年月日:1995年11月7日
・経歴:常葉橘高 - 亜細亜大
・ドラフト:2017年ドラフト2位

 
 近年はけがに苦しんでいる阪神タイガースの髙橋遥人。今季は復活に向けて勝負のシーズンとなりそうだ。
 
 常葉橘高では2年夏に甲子園の舞台を経験したが、3年夏は静岡県予選で敗退。プロ志望届を提出したが指名漏れとなり、亜細亜大に進学した。
 

 
 大学時代は1年秋のリーグ戦から登板し、3年春にはリーグ優勝を経験。主戦格として活躍を続け、2017年ドラフト2位で阪神タイガースに入団し、プロの門を叩いた。
 
 ルーキーイヤーの4月に一軍デビューすると、プロ初登板で7回2安打無失点の快投を披露し、初勝利をマーク。しかし、シーズン中盤に左肩の不調で離脱し、同年は6試合の登板で2勝3敗、防御率3.63という結果となった。
 
 2021年は右脇腹の故障で出遅れたが、9月に一軍復帰を果たすと、2試合連続完封を含む27イニング連続無失点の圧巻ピッチング。同年は7試合登板ながら4勝2敗、防御率1.65の好成績を残したが、同年11月に左肘のクリーニング手術を受けた。
 
 翌2022年には左肘内側側副靱帯再建術(通称:トミー・ジョン手術)を受け、ここ2年間の一軍登板はない。育成選手として迎えた今季は、春季キャンプからブルペン入りしており、完全復活が期待されている。





田口麗斗(東京ヤクルトスワローズ)

・投打:左投左打
・身長/体重:171cm/83kg
・生年月日:1995年9月14日
・経歴:広島新庄高
・ドラフト:2013年ドラフト3位

 
 下半身のコンディション不良で一軍キャンプから離脱となった田口麗斗。開幕に間に合わなければチームにとっても大きな痛手となるだけに、状態が注視されている。
 
 2013年ドラフト3位で読売ジャイアンツに入団。高卒3年目の2016年に初の2桁10勝を挙げると、翌2017年には13勝4敗、防御率3.01の好成績を残した。
 

 
 しかし、その後は思うような数字を残せず、2021年の開幕前に廣岡大志とのトレードで東京ヤクルトスワローズへ移籍。当初は先発として起用されたが、リリーフに回った2022年は45試合登板、防御率1.25の活躍でブルペンを支えた。
 
 昨季はスコット・マクガフの退団もあり、開幕からクローザーに抜擢。50試合に登板して3勝5敗33セーブ、防御率1.86と役割を全う。オフにはFA宣言も噂されたが、行使せずに残留を決断した。
 
 今季も不動の守護神として期待されているが、足の故障で二軍再調整に。チームに不可欠な存在となっているだけに、開幕に間に合わせたいところだ。






奥川恭伸(東京ヤクルトスワローズ)

・投打:右投右打
・身長/体重:184cm/82kg
・生年月日:2001年4月16日
・経歴:星稜高
・ドラフト:2019年ドラフト1位

 
 完全復活を目指している奥川恭伸だが、春季キャンプ中にアクシデントに見舞われた。
 
 星稜高時代には、4季連続甲子園に出場した奥川。 高校”BIG4”として注目された3年夏の甲子園では、絶対的エースとして支配的な投球を披露。惜しくも全国制覇は逃したが、東京ヤクルトスワローズにドラフト1位入団を果たす。
 

 
 高卒1年目からファームで7試合に登板し、防御率1.83の好成績を残すと、同年11月に一軍で初先発。しかし、3回途中5失点と打ち込まれ、プロの洗礼を浴びた。
 
 翌2021年は開幕ローテーション入りを果たすと、レギュラーシーズン18試合(105回)を投げ、9勝4敗、防御率3.26をマーク。同年のクライマックスシリーズ(CS)では98球で無四球完封勝利。日本一にも大きく貢献し、未来のエース候補に躍り出た。
 
 しかし、2022年は右肘を痛めて一軍での登板はわずか1試合に。昨季も右肘痛に加えて左足首負傷の影響で出遅れ、まさかの一軍登板なしに終わった。
 
 巻き返しを図りたい今シーズンだったが、春季キャンプ中のコンディション不良で戦線離脱。故障続きを脱却し、"ガラスのエース"といわれないような活躍に期待したい。





 


 

 
【了】