3月3日からWOWOWでスタートする『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』(WOWOWプライム／WOWOW4K／WOWOWオンデマンド 毎週日曜 22:00～全5話※第1話は無料放送)の完成披露試写会が27日、都内で行われ、桐谷健太、倉科カナ、橋本良亮(A.B.C-Z)、蓮佛美沙子、村上正典監督が登場した。

  • 左から村上正典監督、橋本良亮、桐谷健太、倉科カナ、蓮佛美沙子

人間の心の暗部を描く"イヤミス"の名手、真梨幸子原作の同名小説を映像化した同ドラマ。新人作家の小椋沙奈(倉科カナ)が18年前の"女子高生両親殺害事件"をモチーフにした小説企画を、出版社の編集者・橋本涼(桐谷健太)に持ち込んだことから始まり、やがて登場人物たちが抱える嫉妬、劣等感、孤独、過去など"黒い感情"の正体と事件の真実が明らかになっていく。

完成披露試写会が行われたこの日は、主演の桐谷らキャスト陣と村上監督が登壇して舞台あいさつ。企画書を読んで出演を即決したという桐谷は「企画書を読んだ時に衝撃を受けました。自分がこの橋本を生きたらどうなるんだろうと、そこに興味が沸き、挑戦したいとすぐマネージャーに電話しました」と明かしつつ、「最後まで観させていただきましたが、見応えがすごくありました。登場人物の黒い渦がどんどんぶつかり合って、観ている人にもその渦が広がっていくと思います。それを気持ち悪いと感じる人もいれば、心地よいとか懐かしいと思う人もいるような色んな見方が出来る作品になっていると感じました。最後までぜひ観ていただきたいです」と出来栄えには自信を見せた。

桐谷が演じる橋本に、女子高生両親殺害事件をモチーフにした小説を持ち込む新人作家・小椋沙奈を倉科が演じている。疑惑を持たれるミステリアスな役柄を演じた倉科は「沙奈ちゃんは新人賞を獲った後になかなか書けなくて、自分の力を誇示したい気持ちや焦燥感を持ち合わせていて、演じていてものすごくエネルギーを使う役柄でした。私も沙奈ちゃんにすごく共感するところがあって、自分の力を誇示したい気持ちはすごく分かります」と理解できる部分もあったという。

続けて「思った以上に沙奈というヘビーな役でしたね」と苦労したようだが、「桐谷さんと共演回数が多くて、お兄ちゃんと勝手に呼んでいます。だからオフタイムはふざけあって癒やされました。良いバランスで撮影できたような気がします」と桐谷に感謝していた。

同ドラマで初めて死刑囚を演じた橋本良亮。役作りのために13kgも痩せてネットで話題となった。「減量はすごく大変でしたね。撮影の1カ月半前にマネージャーさんから『死刑囚役。痩せてください』とこの二言だけですよ(笑)。1カ月半で間に合うかドキドキでしたが、何とか1カ月半で13kg落とすことができました」と胸をなでおろすも「(橋本が演じた大渕秀行は)サイコパスというか感情をむき出しにするし、どこか優しさがあったりとそういう芝居と僕はずっと戦っていました」と難しさを感じたという。

同ドラマでは、登場人物が抱える過去や出来事をフックに物語が展開していく。それにちなみ、「俳優としてあの過去があったから今があるエピソードは?」という質問に「全部だと思うんですが」と断りを入れた倉科は、「芸能をまだやっていない時、高校時代にバイトを4つぐらい掛け持ちしていました。働きすぎて、このまま生きていてもつまらないなと思い始め、どうしよう? と考えていた時に、思い切って環境を変えて、東京に出てみようと。芸能界に応募したきっかけです。あんなに辛いギリギリの精神状態だったけど、あれがあったからこそ今ここに立てていると思います」と告白した。

橋本は「僕はA.B.C-Zというグループでやらせてもらっていますが、最初はA.B.C.で4人組でした。その中に後から僕が入ってA.B.C.D.になったんですけど、入った2週間後に横浜アリーナでライブがあると聞かされました。僕は入ったばかりなのでA.B.C.D.の曲も踊りも知らなかったんですが、1日で15曲振り付けと自分のパートを覚えて挑みました。それがあったからこそ、後のことは絶対に出来ると思いながら毎日やっています」と胸を張った。