第13世代などのIntel Coreプロセッサの一部SKUにおいて、極めて大きな負荷がかかった際の安定性について取り沙汰されているようだ。Tom's HardwareやTechPowerUpが報じたほか、Wccftechの技術ライターもX(旧Twitter)上でこの件について言及している。
発端はゲーム開発者によるサポートページへの投稿で、一部ゲームタイトルの起動時にエラーが発生するというユーザーの問題に対処したもの。エラーコードによるとVRAM容量の不足を指摘するものながら、ユーザーは十分に大きなVRAM容量を備えたグラフィックスカードを用いていたようで、原因がわからなかったようだ。しかし調査の結果、CPU側に原因があると疑問視されている。
というのも昨今の高品質なグラフィックス品質を備えたゲームにおいては、起動時にCPUを用いてシェーダーキャッシュを生成するものが多く存在する。この時プロセッサにかかる負荷は極めて大きく、CPUの使用率はほとんど100%まで飽和する。このために初回起動時に発生するエラーはGPUではなく、CPU側で何か問題が発生しているのでは……と疑われるようになったようだ。
フォーラム上ではAlan Wake 2、Hogwarts Legacy、Horizon Zero Dawn、Immortals of Aveum、Metro Exodus Enhanced Edition、The Last of Us, Part 1等のゲームで上述のエラーが報告されており、問題の発生は広範に及んでいる模様。
この件について報じたTom's HardwareやTechPowerUpによると、一部マザーボードのデフォルト設定における消費電力・電圧設定がアグレッシブすぎたことに原因があるかもしれない。クロック倍率や電圧を手動で下げて調整することで大負荷時の安定性に改善がみられているようで、UEFIでの設定変更の他、Intel XTUユーティリティを使えばWindows上での設定変更も行える。
よく問題について報告されるのは、強力な設定にも対応する“K”付きSKUのIntel Core i9-13900KやIntel Core i7-13700K。すでに米Intelはこの問題について認識しており、「Intelは、Intel Core第13世代および第14世代アンロック・デスクトップ・プロセッサが特定のワークロードで問題を起こすという報告を認識しています。我々はパートナーと協力し、報告された問題の分析を行っています」とTom's Hardwareにコメントしている。