「働きがいのある会社」に関する調査・分析を行うGreat Place To Work® Institute Japanは、企業に勤める20~59歳の男女6,998 名を対象に、「静かな退職」に関する調査を実施した。
静かな退職とは、仕事に全力投球するのを止め、必要最低限の業務をこなす働き方のことで、退職・転職するつもりはないが、積極的に仕事に意義を見出さない状態を指す。現在では若手中心の働き方トレンドとして日本でも認知されつつある。
「静かな退職」の約3割は若手
静かな退職を実施している人の年齢分布を確認したところ、静かな退職を実施している人のうち約 3 割は若手(34歳以下)だった。静かな退職を実施している人の約半数は、「プライベートの時間が確保できる」ことをメリットと感じている。
従業員が「静かな退職」を選択するきっかけは企業にあり
静かな退職を実施している人に「いつからこのような働き方をしていますか」と聞いたところ、「働き始めてから静かな退職を実施するようになった人」は 71.0%。静かな退職を選択したきっかけは、「仕事よりプライベートを優先したいと思うようになったから」(38.2%)、次いで「努力しても報われない(正当に評価されない・給与に反映されない)から」(27.3%)という結果に。
静かな退職を選択する多くのきっかけは入社後に発生しており、それには、仕事に見合う金銭・非金銭(仕事に対するモチベーションや努力の意義)のインセンティブがないことに大きく影響を受けていることが分かった。
静かな退職を実施している人に「勤め先の環境でどのような変化があったら働き方が変わると思うか」という質問では、約4割が、「勤め先の環境で変化があっても働き方は変わらない」と回答。静かな退職を選択した後に企業側がその選択を覆そうと働きかけても、効果は小さく手遅れ状態であることが伺える。企業は従業員の貢献意欲を維持するために、静かな退職を選択する前の段階から改善に取り組む必要があるようだ。