麻布に綿糸で施された幾何学模様の刺繍が美しい、青森県津軽地方の伝統工芸「こぎん刺し」。それを実際に作っている作業工程を記録した動画がXに投稿され、多くの注目を集めています。

#私をコレで覚えて欲しい
 
ヤバめの運針術師
(@hitohari_douより引用)

ポストの主は「ひとはり堂/こぎん刺し(@hitohari_dou)」さん。「#私をコレで覚えて欲しい ヤバめの運針術師」という言葉とともに投稿した動画には、「こぎん刺し」の運針を行う様子が映されていました。どうやら、作りたい柄に合わせて、布の織り目に針を通しているようです。

とても繊細で間違いが許されない作業ですが、針は丁寧かつスムーズに、気持ち良いほどすいすいと運ばれていき、美しい柄がみるみる浮かび上がっていくではありませんか。まさに“術師”のなせる技。見ていて惚れ惚れしてしまいます……!!

この作業中の様子は大きな関心を集め、ポストは2.4万件のいいねを獲得(2月20日時点)。「これが芸術ってやつかあ…ずっと見ていられる…」「やば。繊細すぎる」「めっちゃ器用ですごく凄い」「す、すごい 見てて気持ちいい この速さで間違えずに柄が出来上がってくのすごい…私なら超スローでも絶対左手の指が穴だらけになるー」「すっっっっごい! 運針かっこいい!! 」など、数々のコメントも寄せられました。

また、こぎん刺しの経験者からは、「義務教育でこぎん刺しの授業やったな〜! 針通すところをひとつ間違えただけでバランス崩れるからめちゃくちゃ苦戦した記憶ある...布がクシャッとなっちゃったりね...」「ちっちゃい頃青森の親の実家でやったけど、間違えてるのを早く見つけないとものすごい大変。解くのに時間かかる。。」といった声もあがっていました。

ちなみに、この動画の作品はその後、タペストリーに仕立てたのだそう。気品のある素晴らしい作品にうっとりしてしまいますよね♪

  • (ひとはり堂さんご提供)

投稿主さんに聞いてみた

多くの人を驚かせた「こぎん刺し」の制作風景について、投稿主のひとはり堂さんに少し詳しい話をお聞きしました。

ーー「こぎん刺し」とはどのようなものなのか、改めて教えていただけますか?

津軽地方(現在の青森県)の伝統工芸で、寒冷地で麻の衣服を着ることを強いられた人々が、防寒と補強のために衣服に施した刺繍(刺し子)がルーツとなります。

ーーとても細かくてスピードもありますが、スムーズに針を刺していくために気を付けていることなどがありましたら、教えていただけますか?

こぎん刺しに使う布は目が粗く網戸のようなので、狙った織り目(マス目)に糸を通しやすくなっています。

また、昔ながらの模様の合理的な法則性を守っているので、図案をあまり見ないで手元に視線を集中させていても、次に刺すべき幅を推測しやすくなっています。

ーー今回のポストが大きな反響を生んでいますが、率直なご感想などはございますか?

驚きと嬉しさを感じつつ、これからもより良い作品の制作に精進していかなければと思っています。


投稿主のひとはり堂さんは、こぎん刺し作品の販売もされているそうです。素晴らしい作品が揃っていますので、気になる方はこちらのポストのリンクからチェックしてみてはいかがでしょうか?