米Mozillaは、2月20日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 123」をリリースした。Firefox 123は、Firefox 122からいつもと同じ4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 122では、2023年2月6日にマイナーバージョンアップの122.0.1がリリースされている。121.0.1では、以下の修正が行われた。

  • ライブラリとサイドバーのコンテキストメニューを修正。[新しいコンテナータブで開く]メニューにMulti-Account Containersアイコンのみが表示されるように
  • Windowsの通知ポップアップで[閉じる]ボタンをクリックすると、新しいタブにWebページが表示されてしまう問題を修正
  • Linux版:yaru-remixシステムテーマが正しく適用されない問題の修正
  • 開発者ツールのインスペクターでルールにクリップボードにコピーするときに、余分な新しい行が追加される問題の修正
  • 開発者ツールのルールビューにおいて、プロパティ名または[Enter]キーによる入力を検証する際に、キーボード動作の変更がロールバックする。これにより、Firefox 121の動作と同じく、フォーカスが次の入力に移動する。

セキュリティアップデートは行われなかった。今回は、122.0.1からのアップデートとなる。

Firefox 123のインストール

すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。

  • 図1 Firefox 123へのアップデート

    図1 Firefox 123へのアップデート

アップデート後のFirefox 123は、図2のようになる。

  • 図2 バージョン123にアップデート直後のFirefox

新規に、Firefox 123をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。

  • 図3 Firefoxのダウンロードページ

[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。

  • 図4 Firefox 123のインストール

画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。

Firefox 123の新機能

続いて、新機能であるが、以下のとおりである。

まずは、検索機能をFirefox Viewに統合した。Firefox Viewを開くと、図5のようになる。

  • 図5 検索機能が統合されたFirefox View

最近のブラウジング、開いているタブ、最近閉じたタブ、他のデバイスのタブ、履歴といったセクションから検索が可能となった。

次いで、FirefoxではWebサイトの閲覧に問題があるのに、別のブラウザではサイトが期待どおりに動作しているように見えることがある。この問題をWeb互換性報告ツール経由で通知可能になった。もし、問題のあったWebサイトに遭遇した場合、バーガーボタン(ツールバーの右の本線のボタン)から[動作しないサイトを報告]を選ぶ。

  • 図6 バーガーボタンから[動作しないサイトを報告]を選択

すると、図7のようになり、不具合の理由(プルダウンメニューから選択可能)、具体的な問題を記入し、[送信]ボタンをクリックする。以上で、Web互換性の問題が報告される(ここではサンプルとして、マイナビニュースを使ったが、問題はないWebサイトである)。

  • 図7 Web互換性の問題を報告

こうすることで、影響のあるWebサイトを検出し、蓄積され、改善へと繋がるだろう。 変更・改良点などは、以下のとおりである。

  • Webページを翻訳するときに、ツールチップ内のテキスト(つまり、タイトル)やフォームコントロールに表示されるテキスト(つまり、プレースホルダー)も翻訳するように
  • アドレスバーの設定が、Firefoxの[設定]メニューの検索セクションに表示されるように(図8)
  • macOS ARM64およびAndroid向けにPGO最適化の改善
  • macOS、Linux、Androidで、Off-main-threadキャンバスの変更
  • 図8 アドレスバーの設定が検索セクションに

問題のあるWebサイトの報告機能は、将来的にはFirefoxでのブラウジングエクスペリエンスの向上が期待できるだろう。

セキュリティアップデート

同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベース で12件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が4件、4段階で上から3番目の「Moderate」が6件、4段階で上から4番目の「Low」が2件となっている。

「High」では、

  • ネットワークチャネルでの領域外メモリへの読み取り
  • アラートダイアログが別のサイトで偽装される危険性
  • Firefox 123、Firefox ESR 115.8、Thunderbird 115.8で修正されたメモリ安全性の問 題
  • Firefox 123で修正されたメモリ安全性の問題

などが対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。