ブルペンで投球練習するロッテ・鈴木昭汰[撮影=岩下雄太]

◆ 練習試合は3試合連続無失点

 ロッテの鈴木昭汰が、練習試合に3試合・3回1/3を投げ、イニング数を上回る5奪三振、無失点に抑えている。

 とにかくストレートが力強い。2月14日の韓国・サムスンとの練習試合で、8-0の9回二死走者なしから最後の打者となった右打者に対して、見逃し三振に仕留めた150キロのストレートは素晴らしかった。

 20日の楽天との練習試合でも、3-2の8回一死一塁で渡邊佳明に1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた外角148キロストレート、3-2の8回二死一塁で太田光を2ストライクから見逃し三振に仕留めたインコース149キロストレートが非常に良かった。

◆ 松井裕樹と自主トレ

 「今年、松井裕樹さんにお願いして自主トレをやらせてもらったんですけど、体の使い方、野球に対する考え方、栄養面、野球に関わる全てのことを教わってきた。すごく充実した気持ちでキャンプインできたと思います」。

 今年のオフはチームメイトでロッテに加入するまで楽天でプレーしていた美馬学に紹介してもらい、大リーグ・パドレスに移籍した同じ左の松井裕樹と自主トレを行った。

 松井は昨季まで楽天でプレーしていたが、NPB通算236セーブ、3度の最多セーブのタイトル獲得とリリーフで輝かしい実績を持つ。長く第一線で活躍している松井について鈴木は「球とか変化球が一級品なのはもちろんなんですけど、後ろでボールを見させてもらった時に、怖いというか、襲いかかってくる真っ直ぐだった」と、“ストレート”の凄さを肌で感じた。

 「松井さんのような真っ直ぐを投げるために頑張らないといけないし、このクラスが第一線で活躍する選手なんだなと身にしみて感じましたね」。

 昨年秋取材した時には「球の質の向上、スライダーの変化もトラックマン見ながらやっていますけど、一番は実戦的なものもったいない点の取られ方だったりをなくしていかないといけないと思うので、いろんな動画を見たりして勉強するべきだなと思って今はそうしています」と話していたが、松井との自主トレで「変化球も詳しくは言えないですけど、色々教わることもできました。体の使い方も結構勉強になったのかなと思います」と具体的な言及は避けるも、変化球についても多くの学びを得た。

 プロ4年目を迎える今季に向け、「今まで先発だったり中継ぎやったりした年が多かった。左ピッチャーの中継ぎで一番良いピッチャーの松井さんにお願いしてやらせてもらった。中継ぎとして今年はたくさん試合で投げたい。どんどん抑えて大事な場面をいずれかは任されるような活躍したい」と決意。練習試合では強いストレートを投げており、継続して結果を残した先に開幕一軍、鈴木が口にした「たくさん試合で投げたい」に繋がっていくはずだ。

取材・文=岩下雄太