股割りティーをするロッテ・勝又琉偉[撮影=岩下雄太]

◆ 打撃力向上へ

 「バッティングで安定した確率で打てるように、支配下登録されるように頑張っていきたいと思います」。

 プロ2年目の今季に向けてこう意気込んだのは、育成2年目の勝又琉偉だ。昨季はファームでチーム最多の109試合に出場。5月に月間打率.283(53-15)をマークし、7月11日のヤクルト二軍戦では、7-7の9回二死三塁の第6打席にレフト前に弾き返すサヨナラ打を放つなどしたが、シーズンの打率は.199、29打点、6盗塁だった。

 「課題としては打率が結構低かった。そこの面でボール球を振る、変化球に苦労していたので、今年はそこをストライク、ボールの見極めをしっかりやっていけたらなと思います」。

 シーズン最終盤には、追い込まれてからノーステップ打法で打っている場面もあった。「そこも改善しようとノーステップで打ったり、打ち方を変えたりしていたので、そこのコツをもっとつかめたらなと思います」。

 昨季を踏まえてシーズンオフは打撃面で「なるべくポイント近くでボールを呼び込めて、そうすることで見極めとかできると思うので、そこは意識してやっていました」とのことだ。

 2月1日からの石垣島春季キャンプでは、同学年の金田優太、黒川凱星らと共に“強化組”として、午前中はウエイトトレーニングを中心に練習し、午後からはひたすら打ち込み。徹底的に鍛え抜くキャンプになっている。

 勝又は2月2日の練習後の取材で、思わず「キツイです」とポツリ。具体的に“キツイ”部分について「振る量が多いので、そこはキツイですけどなんとか…」と、その言葉から練習の厳しさが伝わってきた。

◆ 走塁面

 走塁では昨季3月31日の日本ハム二軍戦で、2-4の8回無死走者なしの第3打席、レフト線を破る二塁打で出塁すると、続く金田の打球を日本ハムの二塁手がボールを後ろに逸らしている間に二塁から一気にホームインする好走塁を見せれば、9月10日の日本ハム二軍戦では山本大斗のライト線の当たりで一塁から一気に三塁を陥れ、平沢大河の犠牲フライで先制のホームを踏んだ。結果的にこれが決勝点となり、勝又の“1つ先を狙った走塁”が勝利に繋がった。

 今季に向けて「走塁で打球判断が一発でできていなかったり、判断が遅かったりしたので、そこは一発で決められるようにしたいですね」と課題克服を誓った。

◆ 体重8キロアップ

 体づくりについても、22年12月7日に行われた新入団選手発表会で「まだこのユニホームを着てぶかぶかなので、みっちりトレーニングをしてこのユニホームがピチピチになるくらいにしたい」と話し、23年2月8日の取材で「まずは体づくりでプラス10キロくらい体重を増やしてそこからいろんなプレーができたら」と、体重10キロアップを目標に掲げていた。

 昨季6月15日の取材で「2キロくらいしか増えていないんですけど、ここからという感じです。食べる量を増やせるように頑張っています」と体重アップに苦しんでいた時期はあったが、今年2月2日の取材では「8キロ増えましたね。思ってたより増えたなと思います」と増量に成功。「今もやっていて結構大変ですけど、なんとか増やせるように頑張っていきたい」と、ご飯を食べるのが大変としながらも、体重アップのためにとにかく食べている。

 プロで戦う体を作り、攻走守でしっかりとアピールできた時に支配下選手登録が近づくとき。「一番は打てることかなと思っているので、そこはしっかりやっていきたい」。春季キャンプでバットを振り込んでいる成果をシーズンで発揮し、支配下選手登録を掴み取りたい。

取材・文=岩下雄太