【大阪府】「知らんけど」だけじゃない!「ちゃうねん」「許したって」大阪流責任回避フレーズ

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大阪府民が会話の中で、発言の最後につける「知らんけど」。

これさえ言っておけば間違っていても責任回避できる、大阪では定番のフレーズだ。

「ケンミンSHOW極」で2021年に取り上げたところ、翌年2022年の「ユーキャン新語流行語大賞」にまさかのトップ10入りを果たした。

さらに2023年には高校生の流行語にもランクインし、今や誰もが使う都合のいいフレーズとなった。



大阪府民は自分たちを「責任は取らない」姿勢だと言い切る。だったら、まだあるんじゃない?独特の責任回避フレーズが!



おっちゃんに聞いてみるとさっそく教えてくれたのが「ちゃうねん」。「待ち合わせに遅れてきたら、第一声として言うのが、「ちゃうねんちゃうねん」それはどういう意図なのか?「何遅れとんじゃ、と言われてしまうから、その前にちゃうねんちゃうねん」と使うのだ。つまり「今から言い訳言いますよ」という意味。


©ytv (19851)まず謝罪するのではなく「ちゃうねん」と、何も違わないけど言う。

二人連れのお兄さんに使い方を聞くと「ちゃうねん電車遅くなってんとか、ちゃうねん腹痛なってんとか」これにもう一人が「腹痛なった、よう使うなあ」って、嘘ついてるってこと?

「遅れたのは遅れたし、悪いのは悪いけど、でも100%じゃない」悪いと認めて謝ればいい気もするが、「ちゃうねん」と言われると「ちゃうならしゃあないか」と受け止めるらしい。



小学生と高校生の姉妹も、ちゃうねんは「大阪人の本能」だと言う。何かをやらかした時に「ご・・・ちゃうねんちゃうねん。“ご”まで出て、ちゃうねんと言う」ごめんまで言えばいいのに。「ごめんより、ちゃうねんが優先」と言い切る妹だった。



ちゃうねんは、相手に怒られる前に言うのがポイントで、情状酌量の余地があるとアピールするために使うようだ。


©ytv (19853)責任回避フレーズ、もうひとつは「許したって」。許してあげて、という意味だから普通は友人など第三者のためにいう言葉だが、大阪府民は自分のために「許したって」を使う。ちょっと意味がわからない。



おしゃれなカップルに聞くと男性の方が「ごめんと謝ってから、そろそろ許したって」と使うそうだ。「そろそろ自分のことを許してあげて、という意味で使います


©ytv (19855)商店街の年配ご夫婦に、自分のために「許したって」は変では?と聞くと、逆に「変?」と変な顔をされた。第三者に対して言う言葉ですよねというと「客観的にオレがここで見てんねん」と空を指す。誰が見てるのかと聞くと「魂!」と回答。



「許して」でいい気がするのだが、「許したって」は何が違うのか、マダム3人連れに聞くと「柔らかさやね」とおっしゃる。「自分のことやけど、第三者に見立てて、まあまあまあと、まわりくどく外側から攻める」第三者に見立てることで柔らかくなる、との説明はなんとなくわかる。



いろんな人に聞いて回るうちに、あるお兄さんは「もう許したって」と言い出した。これ以上、聞き出そうとしても言いようがないから許して、と言いたいらしい。



こうした独特の言い方を、大阪府出身の東京大学名誉教授、尾上圭介氏は著書「大阪ことば学」の中で「当事者離れ」と表現している。「頼む自分と頼まれる相手とが、180度向き合ってしまうのを避けたい感覚」からこういう言い方になったと説明している。


©ytv (19857)さらに、箸で魚をつかみそこね落とした時、「生きとんがな」と平気な顔で言う。これにはバリエーションがあり、エビフライなら「跳ねよるやん」、イカなら「墨吐きよる」と言うそうだ。どこまで責任回避するのか、大阪府民!



でもそうやって、会話を柔らかくし、人間関係を楽しく保つ暮らしの知恵なのだろう。たしかに、暗い顔をして「ごめんなさい」と謝られるより、楽しいもんね!