「いつかは自分で事業をしてみたい」と思っても、世の中には数多くの仕事があり、どの業種で開業すればいいのか悩む人は多いのではないでしょうか。また、業種は決まっていても、本当にこの業種でいいのか不安を感じている人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、開業しやすい業種の傾向や、これから開業するならおすすめの7業種をご紹介します。おすすめの業種については、「在宅でできる」「女性におすすめ」「専門性を生かせる」という3つの視点でチョイスしましたので、業種選びに悩んでいる方、起業に興味がある方はぜひ参考にしてください。

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■開業しやすい業種の傾向とは

せっかく一大決心をして独立・開業するのですから、開業にいたるまでのハードルが低く、リスクを抑えられる業種で開業し、事業を成功させたいものです。開業しやすい業種には、どのような傾向があるのでしょうか。

1.初期費用が安く済む

「事務所や大がかりな設備がいらない」「一人で始められて人件費がかからない」など、初期費用が安く済む業種は始めやすいといえます。

初期費用が高い業種のように、「開業資金を貯めるのに時間がかかり、開業を先延ばしにしなければならない」ということにはなりませんし、たとえ事業に失敗しても、初期費用が少なければ資金の回収に苦労することもありません。

特に、初めて起業する方は、最初にかかるコストに注目して業種を選びましょう。

2.どこにいても仕事ができる

開業にあたって事務所や店舗を借りる場合、入居時には、敷金・礼金や数ヶ月分の賃料が必要になります。また、その後も毎月継続して賃料を払わなければなりません。

一方、自宅などどこにいてもできる業種なら、事務所や店舗の賃料を払わなくて済みますし、移動時間や商圏エリアなどを気にする必要もありません。

最近は、インターネット環境さえあればどこでもできる仕事が増えていますので、そうしたものに絞って業種を選ぶのもおすすめです。

3.個人事業主として始められる

会社を設立しなくても始められる仕事も、独立・開業しやすい業種の特徴です。会社を設立するには、定款の作成や資本金の準備など、手続きや準備に多くの手間と時間がかかります。

一方、個人事業主であれば、税務署に開業届を提出するだけで開業できますので、会社設立と比べてはるかに小さな労力で事業を始められます。

ただし、業種によっては、はじめから法人化したほうが節税につながるケースもありますので、独立・開業しやすいという点を優先するなら、個人事業主として始められる業種を選ぶといいでしょう。

4.安定した収益や成長性が見込める

独立・開業には、「安定した収益が見込める」という点も重要でしょう。業種によっては、一時的な流行で高い収益が出やすいものもありますが、流行が終われば、事業として継続するのが難しい場合もあるため注意が必要です。

また、「市場へのニーズが高まっており、将来性のある業種である」という点も見逃せないポイントです。せっかく開業しても、その商品やサービスが世の中から必要とされなければ、売上を立てることはできません。これから始めようとする事業の将来性については、必ず確認しましょう。

5.フランチャイズに加盟できる

自分で一からビジネスを興すのではなく、フランチャイズに加盟できる業種を選び、フランチャイズ本部のサポートを受けながら事業を展開するという方法もあります。フランチャイズに加盟すると、本部の持つ経営ノウハウやブランド力を活用できたり、開業準備をはじめ、経営や集客などさまざまな点でアドバイスが受けられたりします。

フランチャイズならではのメリットは他にも多くありますので、「フランチャイズに加盟できる」という点から業種を選ぶのも一つの手でしょう。

■これから開業するならおすすめの業種7選

世の中には数多くの業種が存在しますが、これから開業するとしたら、どのような業種がいいのでしょうか。「在宅でできる」「女性におすすめ」「専門性を生かせる」という3つの視点から、おすすめの7業種をご紹介します。

<在宅でできる>

1.Webライター

Webライターは、WebコラムをはじめとしたWeb上のさまざまな文章を作成する仕事です。Webコンテンツは年々増え続けていますので、コラム執筆のほか、eBookの執筆代行やSNSの運用代行など、幅広い仕事を請け負うチャンスがあります。

Webライターは、インターネット環境とパソコンがあれば、在宅のほか、外出先でも場所を選ばず仕事ができます。資格がなくてもすぐに始められ、副業から気軽にスタートできる点も魅力の一つです。

2.ITエンジニア

ITエンジニアとは、情報技術に関する業種で、コンピューターを動かすためのシステムを設計するのが主な仕事です。ITエンジニアには、プログラマーやシステムエンジニア、ネットワークエンジニアなど、役割や業務内容によってさまざまな職種があります。

ITエンジニアは在宅ででき、収益性も高いため、フリーランスで働き高収入を得る人も多い仕事です。IT技術に興味がある、最先端の技術を学んで仕事がしたい、集中して作業するのが好きという人には特に向いているでしょう。

3.コンサルタント

コンサルタントは、自分の知識や経験を生かして助言を行い、クライアントの抱えている課題や問題を解決に導く仕事です。コンサルタントには、経営コンサルタントやITコンサルタントなど幅広いジャンルがあり、それぞれの業界によって業務内容は異なります。

コンサルタントに高い専門性や能力は必須ですが、特に資格がなくても活躍できる業界もあり、他業種と比べても収益性は高いです。クライアントと直接やり取りすることは多いですが、最近はオンラインでコミュニケーションを取るケースが増えているため、在宅でも問題なく仕事ができるでしょう。

<女性におすすめ>

4.家事代行・ハウスクリーニング

家事代行やハウスクリーニングは、資格や許可などが特に必要なく、大型の設備や資金なども不要ですので、比較的始めやすい業種とされています。体力はいりますが、日頃から家事を担っている方なら、スキルや経験を生かせるでしょう。

近年では、特に一人暮らしや共働き家庭による需要が伸びているため、うまく案件を取れれば安定して高い収益を得ることも可能な業種です。

5.ネイルサロン

女性に人気の高いネイルサロンは、始めるのに特別な資格がいらず、美容室のような保健所の許可も不要です。店舗を構えるとそれなりの費用がかかりますが、初期費用や固定費を抑えたい場合は、自宅やレンタルサロンを利用する、出張専門のスタイルを取るといった方法もあります。

ネイルサロンを開業するのに資格はいりませんが、プロとして活躍したいなら、ネイリスト技能検定やジェルネイル技能検定など、基本的な資格は取得しておくのがおすすめです。

<専門性を生かせる>

6.講師

人に教えられるくらい得意な分野、スキルがある人は、個人講師として開業できるでしょう。講師業の領域は幅広く、英会話などの語学からピアノやギターなどの楽器演奏、書道、イラスト、絵画、料理、ダンスのほか、パソコンやマナーなどビジネス分野の講師も需要があります。

また、教える場をオンラインに絞れば、教室などの場所を借りることなく自宅で開業も可能です。近頃は、自分の持つスキルを販売できる「スキルシェアサービス」も充実していますので、SNSでの集客とともに活用するといいでしょう。

7.士業

士業とは、「○○士」と名称のつく職業で、特に国家資格を有している業種を指します。主な士業には弁護士や行政書士、税理士、司法書士、社会保険労務士などがあり、そのほかにも公認会計士や中小企業診断士、広い意味では気象予報士なども含まれます。

これらの業種は専門性が高く、難関資格を取得しなければ従事できないため、「業務独占資格」とも呼ばれています。いずれも社会からの需要が高く、比較的安定した収益が期待でき、顧問契約できるビジネスモデルにすれば、より安定的な収入が見込めます。

開業するには事務所が必要ですが、賃貸物件を借りなくても、自宅の一室やレンタルオフィスを利用し初期費用を節約することも可能です。

■事業を成功・安定させるために押さえるべきポイント

最後に、事業を成功させ、安定的に収益を得るために重要なポイントをご紹介します。どのような業種で開業するとしても、押さえておきたい点を3つ厳選しましたので、これから開業を目指す方はぜひ参考にしてください。

1.「自分の強み」は何か明確にする

独立・開業しやすい業種や人気の業種を選んだだけでは、必ずしも高い収益を得られるとは限りません。数ある中から自社の商品やサービスを選んでもらうには、競合他社と差別化できるような強みが必要です。

自分の強みを見つけ、どのように収益を得るか探るには、「SWOT分析」を活用する方法もあります。SWOT分析とは、自社の内部環境や外部環境について、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの要素で要因分析することで、事業の改善点や伸ばすべきポイントなどを見つけるフレームワークです。

こうした分析を行うことで、より収益に結びつく事業戦略も立てやすくなりますので、ぜひ活用しましょう。

2.事業計画をしっかり立てる

ビジネスを始める前には、事業計画をしっかりと立てましょう。事業計画には、事業内容や生産・販売方法、マーケティング戦略、売上予測などを記載し、そのうえで、自分の事業において初期費用や運転資金がどのくらい必要になるのか計算します。

初期費用と運転資金の6ヶ月分程度の資金を用意しておけば、資金がショートして事業が続けられないという事態も防ぐことができます。

また、事業計画は、金融機関で融資を受ける際に必要ですし、事業の方向性を明らかにするのにも役立ちますので、時間をかけてじっくりと策定しておきましょう。

3.常に学び続ける姿勢を忘れない

事業で継続して収益を得ていくためには、常に学び続ける姿勢が欠かせません。多くの事業では、社会の変化に応じてトレンドを取り入れたり、最新技術を学んだりする必要があります。また、自分で事業をしていれば、壁にぶつかり、新たな挑戦をしなければならないシーンもあるでしょう。

新しい知識や技術がないために、ビジネスチャンスを失うことがないよう、常に自身をアップデートしていく姿勢を忘れないようにしましょう。

■無理なく始められる業種を見極めよう

事業を始める時、興味・関心のある業種を選ぶことはもちろん大切ですが、「無理なく始められる」という点もあなどれないポイントです。もちろん、始めるハードルが低いだけでなく、継続して収益が得られるよう市場ニーズや市場規模も踏まえ、総合的に参入する業種を決めましょう。