女優の杉咲花が、4月にスタートするカンテレ・フジテレビ系ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(毎週月曜22:00~)で主演を務めることが19日に明らかになった。
■杉咲花、記憶障害の脳外科医という難役に挑む
『モーニング』で連載中の同名漫画(原作:子鹿ゆずる/漫画:大槻閑人)を実写化する同作は、“記憶障害の脳外科医”という主人公が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく医療ヒューマンドラマ。原作者の子鹿氏は元・脳外科医のため、作中に登場するさまざまな症例や医師たちの生き様がリアリティをもって描かれていると好評を得ている作品だ。
杉咲は、今作でフジテレビ系連続ドラマ初主演を務め、自身初の医師役に挑戦する。演じるのは、ある事故で脳を損傷し、重い後遺症を抱える脳外科医・川内ミヤビ。過去2年間の記憶がなく、さらに今日のことも明日にはすべて忘れてしまう。それゆえ、医師であることを諦めかけていたが、そんなミヤビの前に変わり者の脳外科医・三瓶友治が現れる。空気を読まず、強引でマイペースな彼の言動によって、ミヤビは医師としても患者としても助けられ導かれていく。やがて、ミヤビの“消えた2年間の記憶”の中に隠された謎が明らかに。取り出せなくなっているミヤビの記憶の中にある大きな秘密、そして彼女の“本当の思い”とは。
“記憶障害の脳外科医”という難役に挑む杉咲は、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で、第40回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞と新人俳優賞をダブル受賞。2023年も出演作が相次いで公開され、『52ヘルツのクジラたち』『片思い世界』『朽ちないサクラ』と主演映画の公開が控えている。話題作『市子』では、毎日映画コンクールにて女優主演賞を獲得し、3月に発表を控える第47回日本アカデミー賞 主演女優賞にもノミネートされている。そんな杉崎が、記憶障害を抱える脳外科医という難役をどう演じるのか。
■主演・杉咲花 コメント
頑張れなくてよくて、立ち止まってよくて、変われなくていい。あなたがあなたという人間と付き合っていくことを諦めなければ、それは美しい姿なのだという本作の根っこにあるメッセージに、心を撫でられるようでした。この物語を大切にお届けしたいです。
■原作・子鹿ゆずる氏 コメント
言葉、記憶、技術……これらは脳の別々の部位が担当していることが解明されています。しかし「心」は何処にあるのか、その正体さえも曖昧なままです。原作では、私自身の経験を踏まえ脳障害の後遺症を正確に描くとともに、それと戦う人たちの心に焦点を当てました。ドラマ化にあたり、製作スタッフの皆様ならびに杉咲花さんはじめ実力派俳優の方々により、原作を超越した見事なドラマに仕上げて頂けそうで大変感謝しています。 本ドラマが、一般視聴者の方々のみならず、当事者・ご家族の皆様、医療福祉関係者の皆様への応援になれば幸いです。
■漫画・大槻閑人氏 コメント
この度のTVドラマ化、誠にありがとうございます! 実は『アンメット』という作品、企画段階から「ドラマ化するといいなあ」と思い、その願いを込めながら自分なりに工夫してきました。僕自身は医療者ではないのでわからないことも多く、子鹿さんをはじめ、多くの医療・福祉関係者の皆様にご協力いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。物語を絵に、漫画にする作業を通じて、『アンメット』というバトンを良い形で受け渡せているとしたら、これほどうれしいことはありません。
■プロデューサー・米田孝氏 コメント
このドラマを企画し始めた直後、母に脳腫瘍が見つかりました。予後不良の状態でしたが、開きにくかった目がパッチリしてきた、今日は歩いて買い物に行けた、家族が集まるのが楽しみだ、などと些細な希望を見つけては、母は笑っていました。悩みや苦しみの中にあっても、ほんの少しの希望があれば、人はちゃんと今日を明日に繋げて、前を向いて生きていけるんだなと、母は私に感じさせてくれました。
「アンメット」とは直訳すると「満たされない」という意味です。人や社会は光の当たる場所に目を奪われ、その光によってできた影を見過ごしてしまいがち。影の部分で満たされなさを感じる人たちにいかに寄り添い、共生していくか。この原作のテーマに深く共鳴し、おこがましいようですが少しでもその影を希望の光で照らせたら。このドラマにそんな思いを込めています。杉咲花さんとはクランクイン前からたくさんの時間を共有し、どうしたら自分たちの思いを届けられるか、会話を積み重ねてきました。本当に真摯に作品に向き合う姿勢と豊かな発想力に驚かされる日々です。彼女が演じる川内ミヤビが、とても魅力的な主人公になることは間違いありません。人の心を丁寧に描きながら、愉快な登場人物たちやハラハラドキドキの展開で濃いめの味付けを加えて、楽しみながら心温まるエンターテインメントに作り上げていきます!見て下さった方に、少しでも明日を生きる希望を得ていただけることを願っています。
【編集部MEMO】
杉咲花は、1997年10月2日生まれ、東京都出身。2016年に映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で第40回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞・新人俳優賞を受賞。『花のち晴れ~花男 Next Season~』(18)で連続ドラマ初主演、連続テレビ小説『おちょやん』(20~21)でヒロインに抜擢された。そのほか近年の主な出演作は大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(19)、ドラマ『ハケン占い師アタル』(19)、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(21)、『プリズム』(22)、映画『青くて痛くて脆い』(20)、『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(21)、『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』(21)、映画『市子』(23)、『52ヘルツのクジラたち』(24)など。公開待機作に『朽ちないサクラ』(6月21日公開予定)、『片思い世界』(2025年公開予定)。