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アマチュア時代に圧倒的な成績を残しても、NPBの切符はそう簡単には掴めない。プロ野球の世界で主力級の働きを見せる選手の中にも、一度は夢が叶わなかった経験をしたものが多く存在する。ここでは、ドラフト指名漏れを経てプロ入りを果たした現役選手を紹介したい。
髙橋遥人(阪神タイガース)
・投打:左投左打
・身長/体重:181cm/80kg
・生年月日:1995年11月7日
・経歴:常葉橘高 - 亜細亜大
・ドラフト:2017年ドラフト2位
近年は故障に悩まされている髙橋遥人。2024年は完全復活を図るシーズンとなる。
常葉橘高(静岡)では2年夏に甲子園出場。エースとしてチームを支えていたが、高校最後の夏は本領を発揮できず、プロ志望届を出すも指名漏れ。
悔しさを胸に亜細亜大に進学し、1年秋からリーグ戦に登板。以降はエース格としてマウンドに君臨し続け、自身2度目となるドラフト会議で阪神タイガースから2位指名を受けた。
ルーキーイヤーの4月にプロ初登板初勝利をマークした髙橋。その後はけがとの戦いもあったが、2021年は4勝2敗、防御率1.65とエース級の働きを見せた。
しかし、2022年は春季キャンプで左肘に違和感を覚えると、シーズン途中に左肘靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を決断。
その後はリハビリに励み、直近2年間は一軍のマウンドに立てず。2024年からは育成契約を結んだ。投手層の厚い阪神での競争は激しいが、早期の支配下復帰を果たし、再び一軍のマウンドで躍動したい。
山﨑康晃(横浜DeNAベイスターズ)
・投打:右投右打
・身長/体重:179cm/88kg
・生年月日:1992年10月2日
・経歴:帝京高 - 亜細亜大
・ドラフト:2014年ドラフト1位
NPB通算250セーブまで残り23としている山﨑康晃も、指名漏れとなった過去がある。
山﨑は、帝京高で2年夏、3年春と甲子園に出場したものの、エースナンバーは背負っていなかった。高校最後の夏に背番号「1」を付けたが、甲子園出場は叶わず。ドラフト会議で指名はなく、亜細亜大に進学した。
大学ではリリーフをこなしつつ、4年時に先発投手としてリーグMVPを獲得。押しも押されもせぬ好投手に成長し、ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団を果たす。
ルーキーイヤーから守護神に抜擢されると、期待通り37セーブを挙げて新人王を獲得した山﨑。その後も順調にセーブを積み重ねたが、一時は不調により守護神を剥奪されたこともあった。
2023年も20セーブを挙げたが、防御率は4.37と高い数字に終わっている。2024年はクローザーの座を競う立場となるが、“小さな大魔神”として復活を遂げた投球を見せ、DeNAを優勝に導きたい。
秋山翔吾(広島東洋カープ)
・投打:右投左打
・身長/体重:184cm/86kg
・生年月日:1988年4月16日
・経歴:横浜創学館高 - 八戸大
・ドラフト:2010年ドラフト3位
メジャーリーガーとしての経験も積んだ秋山翔吾は、高校時代に指名漏れを経験した1人だ。
横浜創学館高(神奈川)では1年時からレギュラーを確保し、スカウトからの注目を集めていた秋山は、高校卒業後にプロ志望届を提出。しかし、足の故障が懸念材料となったのか、指名はされなかった。
その後は八戸大に進むと、リーグ戦でヒットを量産。4年春には優秀選手賞、首位打者、最多打点、ベストナインの4冠を獲得するなど圧巻の成績を残し、2度目のドラフトで埼玉西武ライオンズからドラフト3位指名。念願のプロ入りが実現した。
プロ2年目の2012年から正中堅手を担うと、2015年にはNPB記録となるシーズン216安打を放ち、球界を代表する打者へと成長した。
さらに、2017年には首位打者(.322)と最多安打(185本)のタイトルを獲得し、リーグ優勝の原動力に。2020年からはメジャーリーグでもプレーし、2022年途中に広島東洋カープでNPBへ復帰した。
巧みなバットコントロールで”安打製造機”とも呼ばれる秋山。今季もベテランとして、赤ヘル打線を牽引する活躍に期待が集まる。
西村天裕(千葉ロッテマリーンズ)
・投打:右投右打
・身長/体重:177cm/92kg
・生年月日:1993年5月6日
・経歴:和歌山商 - 帝京大 - NTT東日本
・ドラフト:2017年ドラフト2位
新天地で復活を果たした西村天裕は、大学時代に指名漏れを経験している。
和歌山商(和歌山)でエースナンバーを背負ったのち、帝京大に進学。大学時代はリーグ戦通算25勝を挙げる活躍を見せ、プロ志望届を提出したものの、ドラフト直前に左膝の前十字靱帯を損傷。指名は見送られることとなった。
その後、NTT東日本に進み、社会人野球の舞台でも結果を残すと、2年後の2017年に北海道日本ハムファイターズからドラフト2位指名を受けた。
日本ハムでは、ルーキーイヤーからブルペン陣の一角を担った。しかし、2022年は18試合登板で防御率4.98に終わると、2023年シーズンの開幕直前にトレードで千葉ロッテマリーンズに移籍した。
移籍初年度は、開幕から21試合連続無失点という圧巻のピッチングを披露。最終的に44試合に登板し18ホールドポイント(4勝14ホールド)、防御率1.25をマーク。中継ぎの柱としてフル回転の活躍を見せた。
ロッテは、ここ数年で2位が3回とリーグ制覇にあと一歩届いていない。悲願の王者となるべく、2024年も西村の投球に期待がそそがれる。
中川圭太(オリックス・バファローズ)
・投打:右投右打
・身長/体重:180cm/76kg
・生年月日:1996年4月12日
・経歴:PL学園高 - 東洋大
・ドラフト:2018年ドラフト7位
”最後のPL戦士”と称される中川圭太は、今ではオリックス・バファローズの主力だが、高校時代に指名漏れを経験した。
PL学園高に入学した中川は、1年秋からレギュラーとして活躍。最高学年となってからは主将としてチームをまとめ、3年夏は大阪府大会の決勝戦まで進んだものの、大阪桐蔭高に敗れて甲子園出場は叶わなかった。
その後、指名漏れを経験した中川は東洋大に進学。ベストナインを複数回受賞する活躍もあり、ドラフト7位でオリックスに入団した。
新人年から交流戦で首位打者に輝くなど、打率.288(規定未満)を記録。十分すぎる結果となった一方、2020年は打率1割台と低迷した。それでも2022年、自身初となる規定打席をクリアし、打率.283をマークした。
2023年は打率.269となったが、12本塁打、55打点といずれもキャリアハイの数字を残した。今年はリーグ4連覇と日本一を達成するために、さらなる進化が期待される。
神里和毅(横浜DeNAベイスターズ)
・投打:右投左打
・身長/体重:179cm/86kg
・生年月日:1994年1月17日
・経歴:糸満高 - 中央大 - 日本生命
・ドラフト:2017年ドラフト2位
横浜DeNAベイスターズの神里和毅も、指名漏れを経験した選手の1人だ。
神里は糸満高(沖縄)で同校初の甲子園出場を成し遂げ、中央大に進学した。大学では1年春からレギュラーを掴み取り、ドラフト候補と目されていたものの、無念の指名漏れとなった。
その後は日本生命でプレーを続けると、社会人野球日本代表にも選出され、第28回BFAアジア選手権大会では打点王とベストナインを獲得。その活躍もあり、DeNAからドラフト2位指名を受けてプロ入りを果たした。
ルーキーイヤーから即戦力としての働きを見せると、翌2019年は123試合に出場。規定打席に到達して打率.279をマークし、15盗塁をマークする活躍を見せた。
しかし、2020年からはスタメン出場の機会が減少し、ここ3年は打率1割台と苦しんでいる神里。外野手の競争は厳しいが、生き残るには2019年同様の活躍が必須だろう。
【了】