タレントとして数々の番組に出演し、近年は女優やコメンテーターとしても存在感を高めている鈴木紗理奈。それぞれの活動にやりがいを感じつつ、「将来的には女優業だけやっていきたい」という思いがあるという。

  • 鈴木紗理奈

    鈴木紗理奈 撮影:加藤千雅

1992年に「第6回全日本国民的美少女コンテスト」で演技部門賞を受賞したことをきっかけに芸能活動をスタートさせた鈴木。小学校低学年の頃から芸能界を目指していたという。

「芸能人になるか、海外でバリバリのキャリアウーマンになるか、子供の頃からその二択で、田舎町からそこにどう向かっていこうかずっと考えていました」

そして、フジテレビ系バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(1996~2018)をはじめ、バラエティで人気者に。

「当時は何でもやりたいと思っていましたし、名前を知ってもらうことが最優先だったので。バラエティとご縁があってやらせていただき、そこで突っ走っていった感じです。求めてくださるところがあったらそこで自分にできることを全力でやる! だから皆さんにも、『飛び込め!』と言いたいです。そうしたらいずれやりたいことができるんじゃないかなと思います」

2017年には、映画『キセキの葉書』での演技が評価され、「マドリード国際映画祭」で最優秀外国映画主演女優賞を受賞。その後、『白衣の戦士!』(2019)、『ナンバMG5』(2022)、『Dr.チョコレート』(2023)などドラマへの出演が増え、女優としても存在感を高めている。

「その前の10年ぐらいは歌にハマって歌ばかりやっていたというのもあるんですけど、またお芝居をやりたいなと思っていたタイミングでいろいろ出演させてもらって、うれしいなと思っています」

2月23日~3月3日にヒューリックホール東京にて上演される舞台『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE』では、王妃ヘレナ・リオニス役を務める。

大人気ゲーム『FINAL FANTASY』シリーズ初のストレートプレイによる舞台化ということで注目を集めているが、鈴木も「すごく有名な作品なので、純粋にうれしかったですし、その世界に入れることにワクワクしています」と声を弾ませ、「王妃は母の優しさがあり、王様のこともすごく愛している。愛ゆえに強くなるというのはとても共感するところなので、愛を持って演じたい」と意気込んでいる。

  • (C)SQUARE ENIX

女優業にやりがい「リミッターをかけず暴れられる」

マルチに活躍している今の状況については、「息子もいるので稼がないといけないというのが第一ですが、女優業もやってバラエティもやって、すごくバランスをとっていろいろなことをやらせてもらっている」と述べ、「将来的には女優業だけやっていきたいなと。いきなりバラエティを辞めて女優業に振るのではなく、少しずつそういう風になっていったらいいなと思っています」と今後の展望を語る。

続けて、「今は女優業がすごく楽しいと感じているので。もともとはバラエティが暴れられるから好きやったけど、今はドラマのほうがのびのびできて楽しい」と女優業に専念したいと思う理由を明かす。

「バラエティだと番組のために言ったことも本人の意見だと思われるので、誰も傷つかないようにとか、すごく気を使ってしゃべらないといけなくなっていて、ブレーキがかかってしまう。お芝居で発するセリフは物語の中のことだとみんなわかっているので、リミッターをかけず暴れられて、それが楽しいなと。もっと暴れたくて女優業がやりたいという感じです(笑)」

  • 鈴木紗理奈

母親になり仕事への覚悟がより持てた「母は強しです!」

また、「マドリード国際映画祭」での受賞後、女優としての評価の変化を感じているか尋ねると、「人の評価なんて気にしないと思っているんで!」と豪快に笑い飛ばす。

「人は、結果を出したら評価するし、出さなかったら評価しない。例えば、『FINAL FANTASY』の舞台も、成功したら『すごいね』と言われるけど、そうでなかったら内容も見ずにそんなもんやったと思われる。だから私は、人の評価は気にせず、いかに自分に自信を持って、信念を持って突き進んでいけるのかということ大事にしています。そうじゃないと突き詰めていけないですし、評価は結果が出てからついてくるものだと思うので」

その強靭なメンタルはどのように培われたのだろうか。

「昔は周りの評価も気になっていたけど、『何でこんなに気になるんやろう』と考えたら、『努力が足りないのかな』と思うようになって、人の評価ではなく自分が自信を持てることが大事なんだなと。子供を産んでからそういう風に変わった気がします。子供を食べさせないといけない状況になった時に、プロってなんやろうって考え出して。だから子供ができたことは転機だったと思います。より覚悟が持てたというか、母は強しです!」