エキセントリカ・カーズのランボルギーニ・ディアブロのレストモッドが来日中!|3日間限定での一般公開も

以前、octane.jpで取り上げた、エキセントリカ・カーズがレストモッドを手掛けるランボルギーニ・ディアブロの”モックアップ”が日本にやってきた。モックアップとはいえまったくの”ドンガラ”ではなく、本物のディアブロをベースに完成予想を体現している車両だ。

【画像】ランボルギーニ・ディアブロを現代仕様にレストモッド!「エキセントリカ」が日本に上陸(写真10点)

東京・溜池山王にあるビンゴスポーツのショールームに鎮座していた、エキセントリカのディアブロに違和感を覚えることは一切なかった。奇をてらっていることはなく、30年以上も前の車であるのに古臭さも漂わない。車のことをよく知らない人が見たら”現行モデル”と言われても疑われないような、クリーンな仕上がりになっている。

かつて『限定販売台数19台と”キレ”が悪いのは…、1台はコロンビーニ氏用のモノだからではないか、と推測している』と記したが、来日中だったエキセントリカ・カーズの取締役、アンドレア・コロンボ氏によると”素数へのこだわり”が理由であった。

数学において素数ほど太古の時代から興味を持たれ、現在に至るまで未解決な謎に満ちたものはない。素数の配列は無秩序なものではなく、自然界の根底に横たわる原理を反映している、とも。そして素数は未だに多くの人を惹きつけている。エキセントリカ・カーズも多くの人を魅力すべく、素数にこだわるのだろう。

もとい。

前回、ご紹介したエキセントリカ・カーズの記事を執筆していて、気になったことを五月雨式にコロンボ氏に投げかけてみた。まずはドナー・カーについて、だ。

「ドナー・カーには走行距離が少ないものはオススメしておりません。もったいないじゃないですか、せっかくのディアブロが」と予想外の話が飛び出した。

「車両は全てバラして、作り直すのが我々のレストモッドです。ドナー・カーで流用するのは、両サイドのドアだけです。エンジンの排気量は変わりませんがピストンやコンロッド、カムシャフトなどは入れ替えて、専用のECUを組み込みます。足回りは新しいアームやナックル、電子制御式の油圧ダンパーに入れ替え、フロントにはリフターも装備します。そして、ブレーキはごっそりブレンボのモノに交換します」とコロンボ氏。

また、マニュアル・トランスミッションは5速から6速になるが、トランスミッションを乗せ換えるわけではない。ドナー・カーのトランスミッション・ケーシングはそのままに中身の歯車を入れ替えて6速化するそうだ。

ちょっと長くなってしまったが早い話、理想的なドナー・カーは事故でボディが歪んでいない、歴代オーナーにさほど愛されてこなかった”ちょっとボロい”車両だという。既にエキセントリカ・カーズでレストモッドを決めた、ヨーロッパの顧客のドナー・カーを見せてもらったが、ダッシュボードが取り外され、レストア途中に作業が放棄されたと思しきディアブロだった。

「日本では前期モデルの流通台数が非常に少ない、と聞いています。まだ決定事項ではありませんが、我々がドナー・カーを探すことも検討しています」

今夏には1号車が完成する予定で、ペブルビーチ(モントレー・カー・ウィーク)では見込み客に試乗してもらう機会を設ける、とも語っていた。レストモッド費用120万ユーロという金額は決して安くないが、たった19台しか手掛けないのであれば…、会社として存続することは無理なように聞こえる。その点について聞いてみると、ディアブロはあくまでもエキセントリカ・カーズにとってスタート地点に過ぎない、とのことだった。なお、現時点で7台分のレストモッド”枠”が既に販売済みだそう。

文:古賀貴司(自動車王国)

「Eccentrica」一般公開

2024年2月16日(金)10時 ~ 2月18日(日)18時 予定

「Eccentrica」一般公開場所

〒136-0082 東京都江東区新木場1丁目8−9

(ARTA MECHANICS & INSPIRATIONS)