ブルペンで投球練習するロッテ・廣畑敦也(撮影=岩下雄太)

 「自分は真っ直ぐのピッチャーだと思っているので、しっかり真っ直ぐを使って行きながら、変化球という部分の持ち球をフルに使って中継ぎ、先発だったり、自分の中でしっかり取っていけるようにやっていこうかなと思います」。

 練習試合、オープン戦に向けてこのようにアピールしていきたいと話していたロッテ・廣畑敦也が、14日の韓国・サムスンとの練習試合に登板し、2回を無失点に抑えた。

 「去年まで止まっていたんですけど、(昨年の)秋季練習が終わった後ぐらいから良かったので、止まらずにそのままの流れで投げようかなと」。

 今季、足を上げてからスムーズに投げるようになった廣畑は、1-0の3回、先発・本前郁也の後を受けて登板。簡単に2アウトを奪うも、連打で一、二塁とされたが、4番・マキノンを三ゴロに打ち取った。2イニング目となった4回はわずか9球・三者凡退に片付け、2回・25球を投げ、2安打、無失点の投球だった。

◆ 今年も青柳らと自主トレ

 廣畑はプロ1年目の22年は30試合に登板したが、2年目の昨季はプロ初勝利を挙げたものの、8試合の登板にとどまった。

 昨季について「ロングで使ってもらったんですけど、その後の調整という部分でうまくいかないというか、自分なりにうまくできなかった部分、試合が空いてしまって投げられなかったことが多かった。そこの部分をどう埋めていくかが課題」と反省。

 オフは「今年は去年あまり良くなかった部分があったので、フォームの部分からしっかりリズム、タイミングを見直して、自主トレも去年と同じように足をついて投げるというところを大事にやってきました」と、昨年に引き続き足をついて投げることを意識しながら、リズムを見直した。

 自主トレは昨年と同じように阪神・青柳晃洋、チームメイトの西村天裕らと行った。青柳からまずは“70点で良い”ということを教わった。

 廣畑といえば、プロ入り前から“全球種を決め球”にするという考えを持っている。「全部良い球投げたいというのはあるんですけど、その中でどれかにこだわるとかではなくて、全体的に70点以上を目指して、平均以上であれば使える球だと思う。そう言ったところを目指して使っていければ、自分の幅というか、ポジションを取るというところも含めてしっかりやっていければいいかなと思います」。

 さらに青柳からは、“リリースの時にボールを点ではなく線で捉えて”投げるよう言われた。「感覚的な部分ですけど、ボールを点で投げていると言われて、器用だから点で投げているけど、それだと弱いボール、強いボールがバラバラになってしまう。投げるリリースの部分で点ではなく線で捉える。線の中でボールが出ていくというのをやっています。点じゃなくて線。フォームの流れの中で力を入れる部分を作るというのをやってよくなりました」。

 青柳から金言を授かり、今季初実戦で2回無失点と結果を残した。ただ開幕一軍、その先の一軍定着へは“継続”した結果が求められる。

 廣畑は一軍定着に必要なことについて「良い時も悪い時も同じように、ランナーが満塁になってもゼロで抑えてくれば仕事してはOKなので、そう言ったところを目指していければ」と話す。

 「見られ方は悪いかもしれないですけど、チームとしては0点で抑えているので、打たれたり、四球を出したりというのを気にせずに、徹底していければなと。次のバッターを抑えて、3アウトをとって帰るという部分を徹底していければ、ポジションを取ることにつながってくるのかなと思います」。この日も1イニング目の3回に2アウトから連打でピンチを招いたが、結局は“0”に抑えてベンチへ帰ってきた。その積み重ねが、信頼につながってくる。

 「1年目の登板数を超えるのはもちろんそうですし、1年間一軍にいたことがないので、しっかり1年間一軍で投げるというのを目標にしっかりやっていきたいと思います」。3年目の今季こそ一軍に定着し、充実のシーズンにする。そのためにも練習試合、オープン戦で結果を残し、一軍で居場所を掴んでいきたい。

取材・文=岩下雄太