KDDIは2月14日、衛星ブロードバンド「Starlink」の海上向けサービス「MARITIME」の日本領海外での提供を開始したことを発表した。

  • Flat High Performanceアンテナ

    「MARITIME」で利用される「Flat High Performance」タイプのアンテナ。設置面積が小さく、デッキ上のスペースを占有することなく設置できるという

2023年7月にサービスを開始した「MARITIME」は、Starlinkを利用し、ダウンロード速度最大220Mbpsの高速通信を海上で利用できるサービス。

従来からある静止軌道衛星を利用するインターネット接続サービスよりも高速な通信が可能なことから、リアルタイムで気象情報や海洋情報の取得・送信が行え、安全な運行を支援するだけでなく、海洋研究のDX化や船舶の自動航行、緊急時の連絡手段確保、長期公開の船員の環境向上といった課題解決につながることが期待されている。

サービス開始の時点では日本の領海内(基準となる海岸性から海側へ12海里)に利用が限られていたが、今回サービス条件を変更し、日本の領海内を含むすべての海域でStarlinkを利用できるようになった。

これにより、利用可能なエリアは、日本の領海内に加え、接続水域、排他的経済水域、公海まで広がることになる。他国領海内での利用の可否については、当該国の法律に従うこととされている。

なおこれに先立つ2月9日には、郵船クルーズが運行する客船「飛鳥II」にStarlinkの導入が決定されており、2月13日から乗船客に船内でWi-Fiサービスを提供している。

  • 飛鳥II

    Starlinkの導入を行なった「飛鳥II」