写真:産経新聞社

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 シーズンオフに大きな話題を集めるのが、FA(フリーエージェント)移籍だ。2023年オフも、西川龍馬、山﨑福也、山川穂高の3選手がFA権を行使した。2024年も多くの選手がFA権を取得する見込みとなっており、早くも去就が注目される選手が存在する。今回は、2024年オフにおけるFA市場の注目投手を紹介したい。

 

 

青柳晃洋(阪神タイガース)

・投打:右投右打
・身長/体重:183cm/82kg
・生年月日:1993年12月11日
・経歴:川崎工科高 - 帝京大
・ドラフト:2015年ドラフト5位
 
 2年連続の投手タイトルから一転、2023年は苦しんだ青柳晃洋。2024年は不振からの脱却を目指す一方で、国内FA権の取得条件を満たす節目のシーズンとなる。
 
 帝京大から2015年ドラフト5位で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーから一軍のマウンドを経験すると、プロ4年目の2019年に初の規定投球回をクリアし、9勝を挙げた。
 

 
 2021年には最多勝(13勝)と最高勝率(.684)の投手2冠を獲得。さらに翌2022年は24試合(162回1/3)を投げ13勝4敗、勝率.765、防御率2.05と傑出した数字を残し、投手3冠(最多勝、最高勝率、最優秀防御率)に輝いた。
 
 しかし、2023年は初の開幕投手を務めるも、不調により二軍降格を経験。チームはリーグ優勝と日本一を達成したが、青柳自身は18試合登板で8勝6敗、防御率4.57と大きく成績を落とした。
 
 2024年は逆襲を誓うシーズンとなるが、順調に行けば、国内FA権を取得する見込みだ。オフの動向にも注目が集まっている。







石川柊太(福岡ソフトバンクホークス)

・投打:右投右打
・身長/体重:185cm/90kg
・生年月日:1991年12月27日
・経歴:総合工科高 - 創価大
・ドラフト:2013年育成選手ドラフト1位
 
 2023年は4勝どまりも、2桁勝利2度の実績を誇る石川柊太。2024年は国内FA権の取得が濃厚となっており、早くも去就に注目が集まっている。
 
 2013年育成選手ドラフト1位で福岡ソフトバンクホークスに入団。2016年7月に支配下登録を勝ち取ると、翌2017年に一軍デビューを果たし、いきなり8勝を挙げた。
 

 
 さらに、2018年はあらゆる起用法に応え、42試合登板で13勝6敗6ホールド、防御率3.60とフル回転の活躍。
 
 2020年からは先発に専念すると、同年は11勝3敗、勝率.786、防御率2.42の好成績で投手2冠(最多勝、最高勝率)に輝いた。
 
 翌年以降も先発の一角を担い、2023年は8月には無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)を達成。最終成績は4勝8敗、防御率4.15と不本意な結果に終わったが、チーム最多のイニング数を稼ぐなど貴重な戦力となっている。
 
 2024年中にFA権を取得する見込みだが、2023年オフは単年契約で更改。今後の動向が注視される。







山岡泰輔(オリックス・バファローズ)

・投打:右投左打
・身長/体重:172cm/68kg
・生年月日:1995年9月22日
・経歴:瀬戸内高 - 東京ガス
・ドラフト:2016年ドラフト1位
 
 2023年は先発、救援とフル回転の活躍を見せた山岡泰輔も、2024年オフの去就が注目される選手の1人だ。
 
 瀬戸内高時代から好投手として名を馳せた山岡。東京ガスを経て、2016年ドラフト1位でオリックス・バファローズに入団した。
 

 
 ルーキーイヤーから先発ローテーションに定着し、8勝をマーク。プロ3年目の2019年には初の開幕投手に抜擢された。同年は26試合(170回)を投げ、13勝4敗、勝率.765、防御率3.71の活躍で最高勝率のタイトルを獲得。
 
 翌2020年以降は故障に悩まされるシーズンが続き、2023年はシーズン後半から中継ぎへ配置転換となった。それでも、同年はあらゆる役割をこなし、31試合登板で2勝1敗3セーブ8ホールド、防御率2.30の好成績を記録。
 
 順当にいけば、2024年中に国内FA権を取得する見込み。オリックスでは2023年オフに山本由伸、山﨑福也と左右の先発の柱が退団しているだけに、さらなる主力投手の流出は避けたいところだろう。







高梨雄平(読売ジャイアンツ)

・投打:左投左打
・身長/体重:175cm/86kg
・生年月日:1992年7月13日
・経歴:川越東高 - 早稲田大 - JX-ENEOS
・ドラフト:2016年ドラフト9位
 
 3年連続で50試合以上に登板するなど、左打者キラーとしてチームに貢献している高梨雄平も、2024年に国内FA権を取得する見込みだ。
 
 2016年ドラフト9位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。ルーキーイヤーから46試合に登板し、防御率1.03と圧巻の数字をマーク。さらに翌2018年には70試合登板、17ホールドポイント(1勝16ホールド)、防御率2.44の好成績を残した。
 

 
 しかし、2020年は開幕から二軍暮らしが続くと、髙田萌生とのトレードで読売ジャイアンツに移籍。すると、移籍初年度から44試合に登板するなど、新天地では再びブルペンの一角を担った。
 
 2022年には59試合登板で27ホールドポイント(2勝25ホールド)、防御率2.14。翌2023年は55試合に登板し、25ホールドポイント(2勝23ホールド)、防御率4.19と数字こそ落としたが、フル回転の活躍を見せた。
 
 変則サウスポーは球界でも希少となっているだけに、FA市場において、注目を集める存在となりそうだ。






西野勇士(千葉ロッテマリーンズ)

・投打:右投右打
・身長/体重:183cm/90kg
・生年月日:1991年3月6日
・経歴:新湊高
・ドラフト:2008年育成選手ドラフト5位
 
 右肘手術など、多くの苦労を乗り越えてきた西野勇士。順調に行けばプロ16年目を迎える2024年中に、国内FA権の取得条件を満たす。
 
 2008年育成選手ドラフト5位で千葉ロッテマリーンズに入団すると、高卒4年目の2012年オフに支配下登録を奪取。翌2013年には先発ローテーションに定着し9勝を挙げた。
 

 
 さらに、2014年からは守護神に抜擢。同年から2年連続で30セーブを記録するなど、順調なキャリアを築いていた。
 
 しかし、2016年以降は低迷したシーズンが続いた。2019年には復活の兆しを見せたが、翌2020年に右肘の内側側副靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を敢行。その後は長らく一軍マウンドから遠ざかった。
 
 それでも、2022年に一軍復帰を果たすと、37試合登板で18ホールドポイント(3勝15ホールド)、防御率1.37の好成績をマーク。
 
 翌2023年は先発へ再転向し、間隔を空けながらの登板となる中、18試合に登板して8勝5敗、防御率2.69と優秀な数字を残した。先発、救援と豊富な実績を誇るだけに、2024年オフの動向に注目が集まる。







酒居知史(東北楽天ゴールデンイーグルス)

・投打:右投右打
・身長/体重:178cm/80kg
・生年月日:1993年1月2日
・経歴:龍谷大平安高 - 大阪体育大 - 大阪ガス
・ドラフト:2016年ドラフト2位
 
 美馬学のFA人的補償で、東北楽天ゴールデンイーグルスに加入した酒居知史。順調に行けば、2024年中に国内FA権を取得する見込みだ。
 
 大阪ガスから2016年ドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団。ルーキーイヤーから先発、中継ぎとあらゆる役割をこなし、一軍で多くの登板機会を得た。
 

 
 2019年はリリーフに専念し、54試合の登板で25ホールドポイント(5勝20ホールド)、防御率4.37とまずまずの数字をマーク。ブルペンを支える存在となっていたが、同オフにFA人的補償で楽天への移籍が決まった。
 
 新天地でもブルペンの一角を担い、移籍2年目の2021年には自己最多の32ホールドポイント(4勝28ホールド)を記録。2023年は47試合に登板し、5勝3敗20ホールド、防御率2.98の好成績を残した。
 
 近年もリリーフで安定した成績を残し続けているだけに、他球団も注目の存在となるだろう。



 



 



 

 
【了】