リシャール・ミル アートプライズとルーヴル・アブダビ Art Hereは、対象となる地域を拠点として活動する現代アーティストたちに作品を披露する場を提供しており、この度3度目のリシャール・ミルアートプライズをアブダビ生まれのアーティストであるナブラ・アヒヤ氏に授与したとリリースした。
今回賞を授かったナブラ・ヤヒヤ氏は、多領域に優れたアーティストであり、彼女の作品である「Soft Bank」は、2023年11月に一般公開されたArt Here 2023展の最終候補に挙げられた8作品のうちの一つであった。これは、スエズ運河の建設初期工事に関する不明瞭で忘れ去られた歴史についての彼女の広範な研究を注ぎ、表現した作品となっている。
164kmにおよぶスエズ運河を3次元地図に表し、今年のArt Hereのテーマでもあった「透明性(Transparencies)」に対する彼女の造詣的アプローチで今日のスエズ運河の有りようを犠牲にして成した、文化的覇権の役割をじっくりと考えることを鑑賞者に促すことに挑んだ作品である。
なお、受賞に際しナブラ氏は、以下のようにコメントを残している。
「この賞を受賞できて大変光栄です。この評価は隠された歴史を明らかにする芸術のパワーを証明しました。この作品は単なるインスタレーションではなく、過去と現在の対話と言えます。私のような現代アーティストにプラットフォームを提供してくださったリシャール・ミルとルーヴル・アブダビに感謝いたします」