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2024年を迎え、アマチュア野球界では高校生や大学生の進路が次々と明らかになってきている。昨秋のドラフトでプロ志望届を提出したものの指名がなかった選手たちも、気持ちを切り替え次のステージでの戦いに向けた準備を進めている時期だ。今回は、「指名漏れ」を経験した注目の大学生投手5人を厳選し、進路やこれまでの経歴を紹介する。
蒔田稔(明治大)
東京六大学で通算11勝を挙げた最速150キロ右腕。内外に投げ分ける直球と多彩な変化球のコンビネーションは抜群で、完成度の高い投手だ。
昨秋のドラフトでは名前を呼ばれず、春からはJFE東日本でプレーする。
九州学院では1年夏からベンチ入りし、3年夏はエースとしてフル回転しチームを熊本大会決勝に導いた。明治大では2年秋からリーグ戦で登板し、3年春は4勝1敗、防御率1.90の好成績をマーク。初タイトルとなるベストナインに輝いた。
4年次は大学日本代表に選出された上、秋はリーグ戦で最優秀防御率(0.68)を獲得するなど評価を高めたが、指名には至らなかった。
明治大の同期である上田希由翔(千葉ロッテマリーンズ1位)、石原勇輝(東京ヤクルトスワローズ3位)、村田賢一(福岡ソフトバンクホークス4位)は昨秋のドラフトで支配下指名を受けた。2年後、同じ舞台に立つべく社会人野球で実力を磨く。
池田陽佑(立教大)
恵まれた体格を持つ、経験豊富な最速152キロ右腕。高校時代から甲子園で活躍したことで注目を浴びた好投手で、大学でも通算7勝を挙げた。
大学卒業後は三菱重工Eastに進み、さらなる高みを目指す。
智弁和歌山時代は2年春のセンバツで全国デビューを果たすと、その後3年夏まで4季連続で甲子園に出場した。3年夏は球速が大幅にアップし、甲子園の明徳義塾戦では150キロを計測。U18日本代表にも選ばれ、国際大会のマウンドも経験した。
立教大では1年春からリーグ戦で白星を挙げるなど早い段階から頭角を現し、3年秋は2勝1敗、防御率2.23の好成績を残した。
佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)や宮城大弥(オリックス・バファローズ)はU18日本代表でのチームメイト。社会人野球を経由して彼らの立つ日本最高峰の舞台を目指す。
尾﨑完太(法政大)
最速150キロの直球と大きく曲がるカーブをはじめとする変化球を駆使した、緩急をつけた投球を得意とする左腕。
4年秋に調子を落とし昨秋のドラフト指名はならなかったが、社会人野球の名門・セガサミーに進んでプロ入りを目指す。
滋賀学園では2年秋からエースの座をつかみ、NPBスカウトからも注目を集めた。法政大では1年春からリーグ戦に出場し、1年秋には145キロを計測。2年秋に初白星を挙げた。
4年次は春のリーグ戦で最速150キロの大台を突破し、4勝0敗、防御率1.28とキャリアハイの成績を残すも、秋は一転、1勝1敗、防御率5.87と苦しんだ。
大学野球は悔いを残すかたちで終えたが、ポテンシャルは十分で、今後の成長に期待がかかる。課題の制球力に磨きをかけ、プロの世界で通用する左腕へと進化を遂げたい。
木村仁(九州共立大)
最速153キロの直球を武器に持つ九州の剛腕。福岡六大学でリーグ戦通算11勝をマークし、4年次には大学日本代表にも選ばれた好右腕だ。
大学卒業後は、社会人野球の日本新薬でプレーする。
中学時代は内野手だったが、公立高校の北九州で投手に転向。3年春にエースの座をつかんだ。3年次は春、夏ともに140キロ台中盤の速球を投げ、剛腕ぶりをアピール。
地元の九州共立大に進み、1年秋からリーグ戦で登板した。2年春は4勝1敗、防御率0.79をマーク。3年次は全国デビューを果たし、4年春も好成績を残すと、実力を認められ大学日本代表の一員として日米大学野球のマウンドも経験した。
日本新薬からプロ入りした投手はそれほど多くないが、その可能性は十分にある。ワンランク上の投手になるべく、地元・九州を離れ新天地に挑む。
冨士隼斗(平成国際大)
関甲新学生野球では、最速155キロの直球を武器に活躍した本格派右腕。
4年次にアピールしきれず昨秋のドラフトでは指名がなかったが、日本通運に進んでさらなるレベルアップを図る。
大宮東時代は目立った実績がなく、当時の最速は140キロにも満たなかった。平成国際大に進学してから大きく成長し、3年秋には4勝1敗、防御率1.65、66奪三振と圧巻の成績をマーク。ベストナイン、最多勝、最多奪三振のタイトルを獲得した。
また、このシーズンでは関東学園大戦で17三振を奪ってノーヒットノーランを達成する快投を披露し、その後大学日本代表候補合宿にも参加した。
150キロを超える速球は魅力的で、伸び代も十分にある。社会人野球の舞台で投手としての総合力を鍛え、2年後のプロ入りを狙いたい。
【了】