米ポルノ女優が43歳で他界、アダルト業界史上最高製作費をかけた映画で有名に

業界史上最高額の予算を投じて制作された劇場ポルノ映画『レジェンド・オブ・パイレーツ』シリーズに出演したことで有名な米アダルト女優ジェシー・ジェーンが、2024年1月24日遺体で発見された。死因は過剰摂取と見られる。享年43歳。

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情報サイトTMZによると、警察当局は生存確認の要請を受け、ジェーンの生まれ故郷オクラホマ州ムーアにある住宅に向かった。ムーア警察署の広報担当者によると、ジェーンはミズーリ州セントルイス出身の恋人ブレット・ヘイゼンミュラー氏と死んでいた。生存確認を要請したのはミュラー氏の雇用主だった。

死因は薬物の過剰摂取と見られているが、オクラホマ州検視局の最終的な調査報告書はまだ出ていない。警察の広報担当者がローリングストーン誌に語ったところでは、危害を受けた形跡はなく、現在は薬物検査の結果待ちだ。

2000年初めに人気を博したポルノ女優ジェーンは、はじめはモデルとしてキャリアをスタートし、数々のミスコンに出場。映画『Baywatch: Hawaiian Wedding』にもカメオ役で出演した。おそらくもっとも有名なのは2005年、制作会社Digital Playgroundが配給したポルノ映画『レジェンド・オブ・パイレーツ 海賊島の秘宝』だろう。製作費は100万ドルで、当時はアダルト業界史上最高額と謳われた。推定800万ドルを投じて制作された2008年の続編『パイレーツ・オブ・アイランド』にも同じ役柄で出演している。

『パイレーツ』シリーズ出演だけでなく、メインストリームのエンターテインメント業界にも進出した同世代では数少ない女優の1人に挙げられる。2004年のリメイク版『スタスキ&ハッチ』、HBOのドラマシリーズ『アントラージュ☆オレたちのハリウッド』、アダム・サンドラー製作による2011年の映画『ポルノ☆スターへの道』に出演。また一時期キッド・ロックと交際していた際には、Drowning Poolの2004年のシングル「Step Up」のミュージックビデオにも出演した。

2017年、ジェシー・ジェーンはアダルト業界から引退すると発表したが、2019年にカムバック。2017年にはポルノ男優ロン・ジェレミーのハラスメント行為についてローリングストーン誌とのインタビューにも応じ、ジェレミーが業界見本市で複数の女性の身体を勝手に触ったり掴んだりしていたのを見たと語った。ジェレミーは複数のレイプ容疑、性的暴行容疑で公判中だったが、「不治の神経認知疾患」により訴訟能力なし、と判断された。

ソーシャルメディアにはアダルト俳優や業界の重鎮がジェーンの遺族にお悔やみを述べ、ともに過ごした日々の思い出を分かち合った。アダルト業界出演者組合(APAG)のアラン・エヴァンス会長は、「ジェシーは特大スターでした。Hawaiian Tropicsコンテストで見いだされ、瞬く間にポルノ業界をにぎわせましたが、驕ることはありませんでした。これ以上ないほど優しい人でした」とローリングストーン誌に語った。「映画『レジェンド・オブ・パイレーツ』のプレミア上演に駆け付けた時のことです。自分は出演者ではありませんでしたが、彼女は一緒に見ようと言って、キャストのVIP専用バルコニー席に引っ張ってくれました。みんな、ああいうのを大スクリーンで見たのは初めてでした。彼女がとても誇らしげだったのを覚えています」。

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