松井秀喜さん(撮影=ニッポン放送アナウンサー・洗川雄司)

 巨人・宮崎キャンプ第3クール初日の10日、松井秀喜氏が2018年以来、6年ぶりに臨時コーチとしてチームに合流した。

 午前の歓迎セレモニーでは、阿部慎之助監督の発案でグラウンドに敷かれたレッドカーペットの上を歩いて登場した松井臨時コーチ。「偉大なOBを迎えるにはちょっとレッドカーペットが短いかな(笑)」とジョーク交じりに挨拶。午後のフリー打撃では、石川・星陵高校の後輩にあたる山瀬慎之助捕手や、岸田行倫捕手、門脇誠内野手、萩尾匡也外野手らにケージ裏で直接助言する姿を見せた。

 特に長時間アドバイスを送ったのは、自身のかつての背番号「55」を受け継いだ秋広優人内野手だった。身振り手振りを交えつつ、時にはバットを持ち、スイングを見せながらの徹底指導。全体練習終了後もグラウンドに残り、助言を続けた。

 午後、ファンを前にしてのトークショーでも松井臨時コーチは秋広について触れ、「あの身体でね、やっぱりあのパワーを持っているので。これからどんどん成長していく、持っている素質というかポテンシャルは素晴らしいと思うので。あとは自分でしっかりとバッティングを作り上げて、どうしたら試合でいい結果が出るかということを自分で掴んでいってほしい。この数日間ですけど、私の感じることを伝えていきたいなと思っています」と述べた。

 阿部慎之助監督は、今回の松井臨時コーチの合流について、「日本でもそうですし、アメリカでもそう。どっちでも活躍された方なので。僕は若い頃から尊敬してますし、そういう方が来ていただいて、周りの選手も必ずプラスにはなると思っているので」と話した。

 この日の秋広への指導ぶりについては、「いろんな方法を教えてくださっていた。言っていることは僕とほぼ一緒かなと思いますし、松井さんは若い頃の(アーロン・)ジャッジとかを見ていて、そういう体験談も話してくださいました」と明かし、「あとは一人でやる練習がいちばん大事だと思うよ、と松井さんが言っていただいたので。(秋広は)きょうは寝ないと思いますよ(笑)」と指導後の効果にまで話が及んだ。

 11日には、初の紅白戦が行われ、秋広は白組の3番・レフトで先発出場予定だ。松井臨時コーチが「見ているだけで夢がある。応援していきたいと思います」と評した背番号55の後継者が、直接指導を経て実戦でどのような姿を見せるか注目だ。

(取材・撮影/ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)