1955年ジャガーXK140を点検整備に出してリフレッシュ!|『Octane』UKスタッフの愛車日記

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、”古いバスのようだ”と形容する1955年ジャガーXK140を、冬のドライブに備えて点検に出したロバート・コウチャーがお届けする。

【画像】専門ショップで点検、整備もバッチリ完了したジャガーXK140(写真4点)

ジャガーでハンプシャーまで行くには良い時期だと思い、ジャガーのスペシャリストである”トワイフォード・ムーアズ”で冬季前点検をしてもらうことにした。私のXKは順調に走っていたが、各種点検や増し締め、オイル、フィルター、フルードの交換、開閉時に引っかかりのある運転席側のドアカードの交換が必要だった。同ショップはとても面倒見が良く、うちのジャガーは2009年の4月から同社に世話になっている。以前はクランフィールドに古いガレージがあり、最近ポーツマス近郊のハヴァントに移転した。

田園地帯を抜けるハヴァントまでのドライブは、いつも楽しいものだ。到着してみると、トワイフォード・ムーアズ社の2階建ての大きな建物は素晴らしく、受付エリアでいただくコーヒーまでもが、以前よりも良いものになっていた。1万2000平方フィートの敷地に建てられた新しい本社屋には、6つのスロープ付きの非常にきれいな作業場、エンジン製作室、解体・溶接室、部品倉庫、ブリーフィングルーム、食堂、さらに約30台分の駐車場と倉庫を備えた中2階がある。鉄道の駅からは1マイルの場所で、グッドウッド・サーキットからはわずか10マイル、ポーツマスのフェリー乗り場からも6マイルと、非常に便利な場所にある。

数日後、洗車し磨き上げられたばかりのXKを受け取るため、列車でハヴァントへ再び向かった。マネージャーのイアン・ミルズと共に、点検用の長いチェックリストを確認した。彼は、いつもとても心強い存在だ。リストの内容は90項目以上に渡っており、この古い車が整備だけでなく、点検も丁寧にされたことが見て取れた。点火のタイミングを少し早めたり、アイドリングをリセットしたり、ダッシュボードの電球交換は必要だったが、通常点検は良好だった。ひとつ問題だったのは、左側のフロントのブレーキキャリパーが緩んでいたことだ。これは、キャリアの取り付け穴を再度タッピングすることで対応済みだった。

ドアの内張りも交換し、運転席ドアも引っ掛かりがなく開くようになったことには感動した。エンジンとギアボックスが温まったら、A3号線を数マイル走ってロンドンへ出発だ。ひと吹かしすると、点火タイミングが最適化されたおかげで、エンジンがよりシャープに反応するのが感じられた。フロントディスクブレーキは、以前出ていた異音もなくなり、効きがよくなった。この”古いバス”のような車が、再びどこへでも走れるようになるとは嬉しい限りだ。

文:Robert Coucher