シャオミ・ジャパンから、1万円を切る価格でアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能も備えた完全ワイヤレスイヤホン「Redmi Buds 5 Pro」「Redmi Buds 5」が1月15日に発売されました。短時間ながら試用する機会を得たので、両機種を一挙にご紹介します。
「Redmi Buds 5 Pro」ミニレビュー
RedmiといえばXiaomiのサブブランドで、スマートフォンやタブレットなど各ジャンルで、Xiaomiブランドよりも多少の性能・機能を抑えつつ、よりコストパフォーマンスの高い製品を展開しています。
イヤホンでも同様で、たとえば「Xiaomi Buds 4 Pro」が26,800円であることを考えればRedmi Buds 5 Proは半額以下の9,980円とかなりお手頃。しかし、視点を変えれば「Redmiのイヤホンのなかで一番良い機種」でもあり、ただ安いだけの製品ではありません。
まず音質面でのトピックとしては、チタニウムダイアフラム搭載11mmバスドライバーと10mm圧電セラミックツイーターを直列に並べた「同軸デュアルドライバー設計」を採用しています。ウォーム系の音でこの価格帯の機種としては解像感もあり素性は良い印象。標準状態では低音がやや多めですが、アプリでイコライザー設定もできるのである程度は好みに合わせられます。ハイレゾ対応コーデックのLDACに対応しているのもProモデルを選ぶ理由になるでしょう。
最大52dBとうたうANC性能は、スペック的には実はXiaomi Buds 4 Pro(最大48dB)よりも上。ホワイトノイズが多少目立つので何も再生せず耳栓代わりにするような使い方には向きませんが、普通に音楽を聴きながらであれば事足りるレベルです。アンビエントモード(外音取り込み)はややこもった印象で、人の話し声ぐらいの音域をもう少し通してくれると使いやすいかもしれません。疑似的に立体音響を再現するイマーシブサウンドは過度の期待は禁物ですが、風変わりなおまけ機能としては楽しめます。
1万円前後で音質とノイズキャンセリング性能の両方を追った機種という意味では、Ankerの「Soundcore Liberty 4 NC」あたりが競合製品として挙げられます。ノイズキャンセリング性能はほぼ互角、音に関して言えばLiberty 4 NCのほうがドンシャリ傾向が強めなのであとは好みの問題かな……というところで少々惜しいのが、Redmi Buds 5 ProもRedmi Buds 5もオンライン販売のみで実際に手に取って試せる場がないという点。今後の販路拡大に期待したいところです。
「Redmi Buds 5」ミニレビュー
もうひとつの「Redmi Buds 5」はProよりも3,000円安く、6,980円で販売されています。こちらもANCに対応しており、公称値は最大46dBの低減ということでProよりは若干ノイズキャンセリング性能が劣る模様。しかし、効き方の傾向も似ており、数時間試した限りでは遜色ないクオリティだと感じました。
Proとは違い同軸デュアルドライバーではないのですが、同様にチタニウムダイアフラムを採用した12.4mm径のダイナミックドライバーを搭載しています。大口径ドライバーならではの豊かな低音、シングルならではの自然さも美点で音質面では甲乙つけがたく、単なる下位モデルと片付けるには惜しい出来です。
LDACやイマーシブサウンドに対応しないなどの機能差はありますが、ANC性能やサウンドと価格のバランスでいえばむしろこちらが本命なのではないか?とも思えるほどで、予算と相談しながらこちらを選んでも損はないでしょう。