高校野球 最新情報(最新ニュース)
2024年を迎え、アマチュア野球界では高校生や大学生の進路が次々と明らかになってきている。昨秋のドラフトでプロ志望届を提出したものの指名がなかった選手たちも、気持ちを切り替え次のステージでの戦いに向けた準備を進めている時期だ。今回は、「指名漏れ」を経験した注目の高校生野手5人を厳選し、進路やこれまでの経歴を紹介する。
真鍋慧(広陵)
「広陵のボンズ」の異名を持つ左のスラッガー。高校通算62本塁打を記録し、「高校ビッグ3」の1人にも数えられた逸材だが、昨秋のドラフトでは名前を呼ばれなかった。
高校卒業後は広陵・中井哲之監督の母校である大阪商業大への進学が有力で、4年後のプロ入りを目指す。
広陵では1年次から打線の中軸を担った。1年秋の明治神宮大会で打率.533をマークし、本塁打も放つ鮮烈な全国デビューを飾ると、その後は2年春、3年春、3年夏と3度甲子園に出場。
聖地では一発こそ出なかったものの毎回高打率を残し、非凡な打撃センスをアピールした。体格も恵まれており、スケールの大きさは超高校級だった。
大阪商業大は全国大会常連の強豪校。再び全国の舞台で大暴れし、今度こそ正真正銘のドラフト1位候補となれるか、注目が集まる。
森田大翔(履正社)
高校通算34本塁打を誇る右の強打者。U18日本代表では4番を務め世界一に貢献しており、世代を代表する内野手だ。
春からは首都大学リーグの帝京大に進学する予定で、4年間でレベルアップを図る。
履正社では1年秋からベンチ入り。その後ケガの影響で戦列を離れるも、復帰した2年秋は公式戦10試合で打率.563、4本塁打20打点と打ちまくった。
以降は本塁打を量産。3年次は春夏連続で甲子園に出場し、夏は2戦連発を含む10打数4安打と存在感を示した。U18W杯では5試合で4番スタメンに名を連ね、8打点をマーク。長打力と勝負強さは折り紙付きだ。
高校の同期である福田幸之介は中日ドラゴンズから4位指名を受けた。春夏連続甲子園出場をともに成し遂げたチームメイトと再び同じ舞台に立つべく、大学でも成長を続ける。
小野勝利(花咲徳栄)
恵まれた体格を生かした長打力が魅力の右打者。神奈川の強豪・横浜で1年夏に甲子園出場を果たすも、2年の6月から埼玉・花咲徳栄に転入し、3年夏は4番に座った。
高校卒業後はBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスでプレーする。
中学時代から強打者として活躍し、横浜では1年夏からベンチ入り。いきなり甲子園で打席に立った。花咲徳栄に転入してからは高野連の規定で1年間公式戦には出場せず、3年夏にようやく公式戦に挑んだ。
「4番・三塁」を務めた埼玉大会では打率.348、10打点と活躍。チームは準優勝に終わり甲子園出場はならなかったが、自慢のバットで存在感を示した。
父・剛さんは読売ジャイアンツなどでプレーした元プロ野球選手。独立リーグで実力を磨き、父が立ったNPBの舞台を目指す。
菰田朝陽(拓大紅陵)
50メートル5秒台の俊足を武器に持つ外野手。広角に打ち分けることのできる打撃や中堅の守備も魅力的で、走攻守に光るものがある選手だ。
春からは関甲新学生野球の上武大に進学し再出発を切る。
拓大紅陵では1年秋からレギュラーの座をつかみ、主に1番打者として打線を牽引し続けた。2年夏は千葉大会で打率.524、2本塁打9打点の好成績を残し4強入りに貢献。
3年夏の千葉大会でも打率.421をマークし、ランニング本塁打と満塁本塁打の2本塁打を放って持ち味を存分に発揮した。
最大の武器はやはり足で、ヤクルトなどで活躍した高校OBの飯田哲也非常勤コーチからは走塁の極意を教わった。武器を磨きつつ打撃と守備も伸ばし、まずは大学でレギュラーを奪取したい。
江口翔人(西日本短大付)
走攻守三拍子揃った左の巧打者。小柄ながら打撃センスが光り、高校時代はリードオフマンとして打線を引っ張った。
卒業後は地元・福岡の九州共立大に進学し、さらなる高みを目指す。
西日本短大付では1年夏から二塁の定位置をつかみ、福岡大会で打率.368をマークしてチームの優勝に貢献した。甲子園デビューも果たし、初戦で敗れるもチーム初安打となる中前打を記録。
1年秋からは遊撃に回り、攻守でチームの中心を担った。主将も務め、最後の夏は福岡大会で打率.583と本領発揮。結果的に甲子園出場は1年夏のみだったものの、3年間成長を続けた。
大学で1年生のうちからレギュラーを奪う実力は十分にある。目標としている同郷の牧原大成(福岡ソフトバンクホークス)のような内野手になるべく、研鑽を積む。
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