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いよいよ球春到来を迎えた2024年シーズンのプロ野球。レギュラーシーズンに向けて各球団がスタートを切ったが、チームの躍進には若手選手の底上げが不可欠といえるだろう。そこで今回は、今季のブレイクが期待されている広島東洋カープの若手有望株を紹介する。
田村俊介
投打:左投左打
身長/体重:178cm/93kg
生年月日:2003年8月25日
経歴:愛工大名電高
ドラフト:2021年ドラフト4位
将来のクリーンアップと期待される田村俊介。和製大砲の存在が望まれているチームにおいて、ブレイクが待たれる選手と言えるだろう。
愛工大名電高校では、最速145キロを誇る左腕として活躍した一方、高校通算32本塁打を放った打撃力も注目を集めた。迎えたドラフト会議では、広島東洋カープから4位を受け、外野手として勝負することとなった。
ルーキーイヤーは故障の影響もあり、一軍出場は果たせず。二軍で43試合出場、打率.185と低調な結果に終わった。
それでも、2023年にはファームで59試合に出場し打率.278、4本塁打、29打点と前年を大きく上回る数字をマーク。シーズン終盤に一軍へ昇格すると、6試合連続安打を記録するなど、好調ぶりを見せた。
しかし、死球を受けた際に左小指を骨折。一軍でも10試合出場で打率.364(22打数8安打)と結果を残していただけに、無念の負傷離脱となった。
故障も癒えた2024年は、外野のレギュラー陣に割って入り、飛躍のシーズンとしたい。
日髙暖己
投打:右投左打
身長/体重:183cm/74kg
生年月日:2004年9月16日
経歴:富島高
ドラフト:2022年ドラフト5位
人的補償による移籍で大きな話題を集めた日髙暖己。「山本由伸2世」とも呼ばれており、将来的な成長に期待がかけられている。
富島高校では入学時からショートを守っていたが、2年時に投手へ転向。山本由伸を参考にした投球フォームで急成長し、エースとして頭角を現した。
高校最後の夏は最速148キロのストレートを武器にチームを甲子園出場に導いた日髙。その後、オリックス・バファローズからドラフト5位指名を受けた。
高卒1年目からファームで12試合登板、防御率3.15をマーク。層の厚いオリックス投手陣の中でも、将来のエース候補の1人として将来を嘱望されていた。
しかし、同年オフに西川龍馬のFA移籍に伴う人的補償で、広島東洋カープへの移籍が決まった。
台湾で行われたアジア・ウィンターリーグでも圧巻の投球を見せており、計り知れない伸びしろをもつ右腕。新天地となる広島で、潜在能力を発揮したいところだ。
斉藤優汰
投打:右投左打
身長/体重:189cm/91kg
生年月日:2004年5月27日
経歴:苫小牧中央高
ドラフト:2022年ドラフト1位
高校時代に150キロをマークし、ドラフト1位入団を果たした斉藤優汰。高身長から繰り出される速球は、打者にとって脅威になるはずだ。
苫小牧中央高校で甲子園出場は果たせなかったが、最速151キロを計測し、スカウトから大きな注目を集めた斉藤。ドラフト会議では、広島東洋カープから1位指名と最高の形でプロ入りの切符を掴んだ。
ルーキーイヤーの序盤は身体作りに努めつつ、5月にファーム対外試合で初登板。1回2失点ながら、2つの三振を奪うなど可能性を示した。
最終的にファームで5試合に登板し、0勝1敗、防御率4.02と数字では目立たなかったものの、終盤に調子を上げ、9月のソフトバンク戦では先発として7回2失点の好投も披露した。
オフには、最大の武器である力強いストレートに磨きをかけた。高卒2年目の2024年は飛躍を遂げ、実りある1年にしたい。
中村貴浩
投打:右投左打
身長/体重:177cm/85kg
生年月日:2000年4月9日
経歴:九州国際大付高 - 九州産業大
ドラフト:2022年育成選手ドラフト2位
非凡な打撃センスで飛躍を期待されているのが、中村貴浩だ。
九州国際大学付属高校では1年夏からベンチ入りを果たすも、甲子園出場は果たせず。高校時代は内野手だったが、九州産業大学進学後は、外野手に転向した。
大学では、3年秋にMVPや本塁打王といったタイトルを獲得。飛ばす力は十分にある一方、確実性の面で課題を残したこともあり、育成ドラフト2位での広島東洋カープ入団となった。
ルーキーイヤーは、育成ながらオープン戦初打席で初安打を記録。新井貴浩監督からも一目置かれる存在となると、開幕後はファームで結果を残し続け、5月に支配下契約を勝ち取った。
同年に一軍デビューも果たし、打率.176ながら初打点、初盗塁をマーク。2024年は一軍でのプロ初アーチ、そしてレギュラー定着を目指していく。
韮澤雄也
投打:右投左打
身長/体重:177cm/83kg
生年月日:2001年5月20日
経歴:花咲徳栄高
ドラフト:2019年ドラフト4位
内野の守備力は申し分ない韮澤雄也も、ブレイクが期待される1人である。
花咲徳栄高校では入学後すぐにベンチ入りを果たし、同年夏に甲子園優勝を経験。また、1年秋からショートのレギュラーを確保し、チームの主軸に。幾度となく甲子園の土を踏み、3年時にはU-18高校日本代表にも選出された。
その実績と抜群の野球センスは高い評価を受け、ドラフト4位で広島東洋カープに入団した。
入団後2年間はファームで過ごし、2021年は二軍で4本塁打を記録。徐々に経験を積むと、2022年に満を持して一軍デビュー。初安打も記録したが、7試合で打率.100と苦しんだ。
2023年も45試合に出場したが、打率.140と一軍の壁に阻まれた。それでも、ファームでは打率.289と一定の成績を収めた。
高卒5年目を迎える2024年、内野陣を脅かす存在になれるのか、真価が問われることになりそうだ。
黒原拓未
投打:左投左打
身長/体重:173cm/73kg
生年月日:1999年11月29日
経歴:智弁和歌山高 - 関西学院大
ドラフト:2021年ドラフト1位
大卒3年目を迎えたドラフト1位左腕の黒原拓未は、着実な成長を見せている。
智弁和歌山高校時代はエースナンバーを背負い、3年夏の甲子園出場。卒業後は関西学院大学に進学すると、MVP、最優秀投手などのタイトルを獲得し、ドラフト1位で広島東洋カープに入団した。
入団1年目は中継ぎとして開幕一軍を勝ち取ったが、12試合に登板して防御率6.52と納得のいく結果を残せず。けがの影響もあり、一軍定着とはならなかった。
プロ2年目の2023年は、シーズン途中から先発に転向。一軍でも先発登板の機会を得たが、5試合の登板で防御率10.66と悔しい結果に。
それでも、二軍では17試合に登板し6勝1敗、防御率2.58の好成績を残して最高勝率(.857)のタイトルを手にした。2024年は先発ローテーションの一角として、一軍での活躍が期待される。
【了】