ヒューリック杯第95期棋聖戦(主催:産経新聞社、日本将棋連盟)は二次予選が進行中。2月6日(火)には第4ブロック決勝の藤井猛九段―青嶋未来六段戦が東京・将棋会館で行われました。対局の結果、得意の四間飛車を用いて107手で快勝した藤井九段が決勝トーナメント進出を決めました。
予選突破はどちらの手に
予選突破をかけた大一番は振り駒で先手となった藤井九段が得意の四間飛車に構えてスタート。対する青嶋六段はミレニアム囲いに囲って玉の堅さで対抗します。藤井九段が左銀を高美濃囲いにくっつけ、両者堅陣を組み上げたところで青嶋六段が仕掛けに踏み切ります。
角を使って歩交換に成功したのは青嶋六段の確実なポイントながら、本局はここから藤井九段の技が光りました。双方の大駒がせめぎ合う左辺一帯は受け流し、手にした歩を生かして1筋の端攻めに出たのが青嶋六段をうならせた反撃。先手は好位置の角が自慢です。
藤井四間飛車ここに極まれり
素直に応じてはつぶれと見た青嶋六段はなんとか変化球を繰り出しますが、リズムをつかんだ藤井九段の指し手は急所をとらえ続けます。追われた飛車を五段目に逃げた手が遠く1五の地点をにらんでは勝負あり。後手は玉を守る金銀4枚がカベ形にさせられた格好です。
終局時刻は15時30分、自玉の受けなしを認めた青嶋六段が駒を投じて藤井九段が勝利。これを受けSNS上は「あまりに美しい指し回し」「はーかっこよ!」と盛り上がりを見せました。藤井九段は2期連続となる決勝トーナメント入りとなります。
水留啓(将棋情報局)