X(旧Twitter)からの移行先候補の1つに挙げられ、クローズドベータながら300万人以上の登録者を集める分散型のソーシャルネットワーク・サービス「Bluesky」。2月6日(米国時間)に招待制が撤廃され、誰でもすぐにアカウントを作成できるようになった
Blueskyは、「ATプロトコル」という分散型のソーシャルネットワーク・プロトコルを開発しているBluesky PBCが提供しているマイクロブログ形式のSNSだ。PBCは、投資家利益や短期的な収益追求に縛られず、公益に資する課題解決と収益性を両立させることを目指す新しい企業形態である。同社は2019年に、当時分散型ネットワークの採用を検討していたTwitterのイニシアチブとしてスタートした。
Blueskyは2022年10月に招待制の登録を開始し、2023年2月にiOSアプリをリリースしてサービスを本格的に開始した。23年9月に100万人、10月に150万人、11月に200万人、そして24年1月に300万というように登録者枠は拡大されてきたが、それでも順番待ちの列は長く、コード発行を受けられるまで時間がかかる状態が続いていた。Blueskyは登録を開放する前に、モデレーション・ツールやカスタムフィードなどの機能を構築する必要性を挙げていた。
Blueskyでは、コミュニティガイドラインに基づいたモデレーションを通じて、不適切なコンテンツやユーザー行動が管理される。今後、コンポーザブル・モデレーションというビジョンに沿って、ユーザーが必要に応じてモデレーションをカスタマイズできるようにする。その一環として、既存のモデレーションにさらにオプションを積み重ねられるラベリングサービスを数週間以内に導入する。これを利用することで、たとえばファクトチェック団体が投稿に「部分的に虚偽」「誤解を招く」などを表示するラベリングサービスを運営でき、その組織を信頼するユーザーがラベルをサブスクライブして投稿上で確認できるようになる。
また、ネットワークをオープンでカスタマイズ可能なものにする「Federation」の初期バージョンの実験的な提供を2月中に開始する。たとえば、Mastodonのような分散型のSNSにはサーバーを選べる自由はあるものの、所属するサーバーが停止するとフォロー関係や投稿が失われる可能性がある。BlueskyのFederationでは、ユーザーがフォロー関係を維持し、投稿を含めたポータビリティの実現を目指している。開発者は、2月末までに本番ネットワークに接続するサーバーをセルフホストできるようになる。