「中年の危機」を意味する「ミッドライフクライシス」。40~50代に差し掛かり、人生や生きる意味を改めて考えて感じてしまう、漠然とした不安を指します。
時に、順風満帆に生きてきたように見える人が、中年期に入って離婚危機を迎えたり不倫へと走ったりといった話を聞いたことはありませんか?もしかすると、その原因の一つはミッドライフクライシスかもしれません。
そこで多くの中年期の男性の悩みを聞き続けてきた、高円寺の人気占い師・大清水高山先生に、40~50代の男性に見る「家庭で起こりやすいトラブル」とその原因について聞いてみました。ミッドライフクライシスに陥った時は、家庭とどう向き合えばよいのでしょうか。
■気づけば孤独に……40代以上に起こる家族関係の変化
大清水先生によると、中年期の男性から「家庭の不和」に関する悩みは大変多く聞かれるのだとか。
「家庭に居場所がなく家に帰りづらい、また、そこから別の女性と関係を持ってしまったといった悩みは、中年期の男性の悩みとして、非常によく聞きます。どうしても子どもが生まれたら、夫婦は子どもが中心になりやすいですし、子どもは成長すれば、親よりも友達がメインの人間関係を築いていくもの。40代以上になってふと立ち止まった時に、周囲の関係性が変わっていて、孤独を感じることもあるかもしれません」(大清水先生)
たしかに、時間が経つにつれて家族との関係性が変わることで、家庭内のバランスにも変化が出てくるのは想像がつきます。しかも、40代以上になると子どもが成長し、自分の時間ができてくる頃。そんな時に、ふと周りを見渡してみたら、妻とも子どもともコミュニケーションが取れない状態になっていたら、孤独感を覚えるかもしれません。
とはいえ、孤独感を持つに至るには、自分の普段の言動も原因の一つになることもある、と大清水先生は言います。
「夫婦とは家族ではありますが、他人同士でくっついた関係性。やはり、本音で向き合うと、ネガティブな関係にいきやすくなります。お互いに思い合える、孤独ではない関係性を作るには、やはり努力が必要です」(大清水先生)
たしかに、長年一緒に連れ合った相手だと「わかってくれる」という甘えもあり、つい思いやりが欠けてしまったり、優しさのない言葉を言ってしまったりしてしまうこともあるはず。
家庭内に孤独を感じて「今まで自分が家族のためにしてきたことは何だったんだろう」と疑問を感じる、また妻以外の女性に甘えるといった事態になる前に、まず自身の胸に手を当てて考えてみましょう。そこに、ミッドライフクライシスを解消する糸口があるかもしれません。
家庭内に孤独感を覚えたときにすべき2つのこと
では、具体的に、ミッドライフクライシスによって家庭内に孤独感を覚えた時は、どんな行動に心がければよいのでしょうか。
①感謝を伝える
つい、家族に対してだと忘れてしまうのが、感謝の言葉。ちょっと物を取ってもらうなどの小さなことでも、「ありがとう」と丁寧に伝えることで、相手の気持ちは穏やかになります。
「長く夫婦でいると、ちょっとしたことでケンカになりやすいです。でもその積み重ねが、孤独感につながってしまいます。でも、少しでもしてもらったことに感謝の気持ちを持てれば、イライラする気持ちも収まりますし、相手も嫌な気持ちにならずに済みます。『ありがとう』という1秒半ほどの言葉だけでも、夫婦の中に深い意味や気づきを与えるはずです」(大清水先生)
②怒りの感情をコントロールする
昨今、アンガーマネジメントという言葉がよく聞かれますが、怒りの感情は訓練すればコントロールができます。
イラッとするような事態があっても、すぐに言葉や態度に出さず、深呼吸をして数秒時間を置けば、怒りの感情は静まっていきます。気を許し合っている夫婦間では、つい感情を出してしまいがちですが、このコントロールができれば、いらぬケンカやお互いを無視し合う冷戦状態も回避しやすくなります。
「怒りを込めた言葉は、必要以上に大きく伝わってしまうことがあります。嫌な気分になった時も、深呼吸をして時間を置いてから言葉を選んで返しましょう。どうしても怒ってしまいそうな時は、数日空けて落ち着いて伝えることで、建設的な議論ができるはずです。さらに、話し合いの後は『聞いてくれてありがとう』と伝えること。相手の気持ちはより穏やかになり、その後も会話をしやすい空気を作れるでしょう」(大清水先生)
当たり前のことのようですが、日常を過ごす場所や相手には、ついなあなあになってしまいがち。「親しき仲にも礼儀あり」と言いますが、やはり近い人間関係だからこそ、程度な距離感や接し方を意識することが大切になります。
ミッドライフクライシスは多くの方が通る道ですが、家庭を壊してしまっては、その先の人生により不安を感じてしまうもの。帰る場所が温かければ、人生の疑問や不安があっても、生きやすくなるはず。この機会に、自身の家族との向き合い方を見つめ直して、よい関係性を築いていきましょう。
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PROFILE:大清水高山 先生
警察官を経て、葬儀屋、インストラクター、SP、旅行会社経営など数多くの職業を経験し、29年前に高円寺に占いスナック「美星(ビスター)」をオープン。的中力の高い鑑定と豊富な人生経験からくるアドバイスには定評があり、テレビや雑誌、動画配信など数々のメディアでも紹介されている。