サッポロビール北海道工場はこれまでの工場見学をリニューアル。2024年2月1日より「サッポロ クラシック☆ツアー」として新たにスタートしました。初日に行われたオープンセレモニーの模様をいち早くレポートします。

  • 札幌と新千歳空港の中間地点、恵庭市にあるサッポロビール北海道工場

2月1日、一面雪景色のサッポロビール北海道工場で、「サッポロ クラシック☆ツアー」のグランドオープンセレモニーが開催されました。

「サッポロ クラシック」は、北海道ではもはや定番の地域限定ビール。北海道土産としても人気です。

そのこだわりやおいしさにフォーカスした見学ツアーのお披露目とあって、会場には多数の報道陣が詰めかけました。

サッポロビール北海道工場の工場長、サッポロビール北海道本社代表兼北海道本部長の挨拶のあと、来賓として恵庭市長の原田裕氏が登壇。

「サッポロ クラシック」は恵庭市のふるさと納税返礼品としても人気が高いこと、恵庭市は「ビールで乾杯条例」を制定して恵庭産のビールを後押ししていることを紹介した後、そろってテープカットを行いました。

  • 左から森本光俊氏(サッポロビール北海道本社代表兼北海道本部長)、原田裕氏(恵庭市長)、日比野卓也氏(サッポロビール北海道工場工場長)

サッポロビールの歴史からスタート

さて「サッポロ クラシック」に特化した見学ツアー、どのような内容なのでしょう。

ブランドコミュニケーターの女性の案内で、エスカレーターで2階に上がり、さっそく見学コースを案内してもらいます。

展示はまず、サッポロビールの歴史から始まります。

サッポロビールは、北海道の開拓事業のひとつとして1876(明治9)年に開業した開拓使麦酒醸造所がそのルーツです。初号ラベルに描かれた赤い星は開拓使のシンボルマーク。北極星をモチーフにしています。

  • 1877(明治10)年に最初に発売されたビールのラベル、北極星がデザインされています

そういえばウエルカムホールの吹き抜けの上にも赤い星が見えました。

  • 北の方角を指し示す北極星、時計台や道庁赤れんが庁舎にも赤い星のマークが掲げられています

おいしいビールづくりは畑から

歴史の次は、ビール原料についての紹介です。

「サッポロ クラシック」は麦とホップと水だけでつくられる「潔いビール」。水は、恵庭岳を水源とする良質の水を使っています。

大麦とホップは、育種から手掛け、生産者とコミュニケーションをとりながら協働契約栽培をしているのが特徴です。

大型モニターで上映された北海道上富良野地区の大麦とホップの収穫風景は迫力満点。ホップが5~7mの高さまで成長すると初めて知りました。

  • ホップと大麦を自社育種しているビール会社は世界でもめずらしいそうです

  • 仕込み釜や煮沸釜もガラス越しに見ることができます

製造工程もくわしく説明してくれます。

発酵タンクや熟成タンクは高さが16m。その大きさを体感できます。缶やびんに詰めるラインも見学できますが、企業秘密のため撮影はNG。1分間に何本の缶に詰めるのか、クイズを織り交ぜながら出荷までの流れも解説してくれました。

「サッポロ クラシック」の変遷

ビールづくりの工程を学んだら、次は「サッポロ クラシック」の歩みを振り返るコーナーへ。

今でこそ地域限定商品は当たり前ですが、「サッポロ クラシック」が誕生した1985年には地域を限定して売り出すという考え方はなかったのだとか。

生まれ育ったふるさとに感謝の気持ちを伝えるため、全国の醸造技術者が集まってつくったのが始まりです。

  • 1985年の「サッポロ クラシック」第1号

  • パッケージデザインの変遷や期間限定商品の登場などが年代順に分かる展示に

デビューして今年39年目を迎えた「サッポロ クラシック」。

乾燥ホップではなく、生ホップを使った「富良野ビンテージ」など、期間限定アイテムも次々生まれています。

見学コースの最後は、サッポロビールの歴代ポスターが展示されたコーナー。

日本髪で和服姿の女性を描いたイラストから、一世を風靡した名コピー「男は黙ってサッポロビール」まで、ビールのあるシチュエーションやターゲット層が時代によって変わっていく様子が感じ取れます。

  • レトロなイラストのポスターがずらりと並びます

  • 70年代の名コピー「男は黙ってサッポロビール」

ここまで、おいしいビールをつくるためのこだわりを聞きながら製造工程を見てきたら、やっぱり実際に飲みたくなるのが人情というもの。

「そろそろ喉が渇いてきませんか」とガイドさんに誘われて、テイスティングサロンへ進みます。

  • できたての「サッポロ クラシック」をパーフェクトについでくれます

  • 本当はもっとグラスのふちからせり上がるくらいに泡がこんもりしていました

グラスを受け取って、テーブルについたら、もう待ちきれません。

さっそく口をつけると、泡の香りがふんわり広がり、のど越し爽やかで、やっぱりおいしい。

窓の外には青空と庭園の木々が広がっていて、平日昼間から飲んでいるという背徳感もたまりません。

試飲中、ツアーのガイドさんは、缶ビールをおいしく飲むために、グラスに3段階に分けてつぐ方法も実演してくれました。

自宅だとつい缶のまま口をつけてしまいますが、つくり手の思いが込められたビール、これからはていねいにグラスについで、本来の味をパーフェクトに味わおうと誓いました。

テイスティングサロンの横にはショップがあるほか、敷地内の庭園レストラン「ヴァルハラ」ではジンギスカンやバーベキューも楽しめます。

  • ここでしか手に入らないオリジナルグッズも

工場へは車なら新千歳空港からで約30分、札幌市内からなら約50分で、試飲したい方はJRやバスで来るのがおすすめ。JR千歳線の「サッポロビール庭園駅」だと歩いてすぐです。

●information
名称:サッポロビール北海道工場
住所:北海道恵庭市戸磯542-1
休館日:月曜・火曜(祝日の場合は翌日・翌々日)、年末年始、臨時休館日
参加費:大人(20歳以上)1,000円、中学生~20歳未満は500円、小学生以下無料
備考:事前予約制、10:30、11:00、13:30、14:00、15:00の1日5回開催