公開初日を迎えたVシネクスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』の舞台挨拶が2月2日、東京・新宿バルト9にて開催され、田崎竜太監督(※崎はたつさき)とテレビシリーズ『仮面ライダー555』(2003~2004年)のメインキャスト、そして本作で活躍する新キャストが登壇(半田健人、芳賀優里亜、村上幸平、福田ルミカ、浅川大治、進藤あまね)。作品作りにかける情熱や、20年もの間『仮面ライダー555』という作品やキャラクターたちを愛し続けてくれたファンへの感謝の思いを語りあった。
■『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』舞台挨拶を実施
大勢の『仮面ライダー555』ファンによる大きな拍手に迎えられ、ステージには仮面ライダーファイズ/乾巧を演じる半田健人、園田真理を演じる芳賀優里亜、仮面ライダーカイザ/草加雅人を演じる村上幸平、仮面ライダーミューズ/胡桃玲菜を演じる福田ルミカ、菊池条太郎を演じる浅川大治、スマートレディを演じる進藤あまね、そして本作のメガホンを取った田崎竜太監督がかけつけた。
放送20周年を記念した『その後の555』というべき新作映画の製作は、長年応援し続けてきたファンにとって最高のプレゼントであると同時に、かたい絆で結ばれたキャスト陣にとって「悲願」のひとつだった。待ちに待った公開初日を迎えた現在の心境を問われた半田は「20年前、『555』のメンバーとして最後のステージに立ったとき『いつか、会えますよ』とみなさんに約束いたしました。思えば、無責任な約束だったかもしれませんけど、今こうしてあのときの約束を果たせたことに、安堵と喜びを感じています!」と元気よく返答。20年を経た、あの『555』の後日談ストーリーとなる映画をファンに届けられた喜びを語った。
芳賀もまた「ファンのみなさんの応援あってこそ成立した記念作品です。実際こうしてみなさんを前にして、より実感がわいてきて、感謝の気持ちでいっぱいです」と、つめかけたファンを目の前にして感激しつつコメントした。村上は「僕たちの思いと、みなさんの愛が形となって、今日こうして映画の幕が上がりました。夢のようです」と喜びをあらわにしながら「俺のことを好きにならない人間は~」と客席に呼びかけ、ファンからの「邪魔なんだよ!」というコール&レスポンスを行い、さらに「カーイーザ! カーイーザ!」といった「カイザコール」を堪能し、最高の笑みを浮かべた。
今回の新キャストである福田は「20周年記念作品のステージに立つことができて私も嬉しく思います。こんなにも『555』を愛する方がたくさんいらっしゃり、胸がいっぱいです」と、熱烈な『555』ファンの熱気を敏感につかみ、感動しながらコメントした。浅川は「僕は幼いころから仮面ライダーが大好きで、人形で遊んだりして育ちましたから、このような場に出ることができてとても嬉しいです」と、仮面ライダーへの素直な憧れを打ち明けつつ挨拶した。大の仮面ライダーファン、特撮ヒーローファンである人気声優の進藤は「私も小さいころから現在まで仮面ライダーが大好き。ずっと寄り添ってきた作品に、自分が出られることが夢のようです。これからは作品のことをもっともっと広めていけるよう頑張りたい」と、愛する仮面ライダー世界の住人になることができた幸せを噛みしめながら、多くの人たちに映画を観てもらいたいという強い思いを示した。
田崎監督は「映画のキャッチコピーには『夢の続き 見せてやるよ――』とありますが、夢の続きを見せてもらっているのは僕たちのほうかなって気がします。ほんとうにありがとうございます」と語って、ファンの応援なくして新作映画の実現はなく、ひとえに作品が成立するのは「観たい」と思ってくれるファンのおかげだと強調した。
また、『555』20周年記念作品を作りたいという半田、芳賀たちオリジナルキャストの熱意にも触れ「今回の企画はキャストのみんながやる気になり、声をあげてくれたのが嬉しかった。親じゃないですけど、みんな親孝行だなって思いました。僕が知っているのは10代の彼らでしたが、今や立派な大人になり、すばらしい俳優さんに成長しました。この20年で、彼らの中に成熟した巧や真理がいるんだろうな、それを見てみたいと思ったんです」と、ファンの思いを汲んだキャスト陣が強い意志を持って取り組んだからこそ、20周年記念作品が完成したのだと感慨深げに話した。
半田は田崎監督の言葉を受けて「僕にとっても、田崎監督は親であり、先生のような存在。お任せすれば、必ずいい作品になると信頼していました。心強かったです」と、『仮面ライダー555』の世界を熟知している田崎監督、そしてテレビシリーズを全話書いた脚本家・井上敏樹氏の脚本で贈り出された本作に、絶対の信頼と自信を持っていたことを明かした。
オリジナルキャストの並々ならぬ思いを間近で受け止めながら、作品に新風を巻き起こしたフレッシュな若手キャストの活躍も本作の大事な要素である。福田は本作の出演が決まったときのことについて「まさか出演できるなんて、と最初はただ驚きました。しかも、新ライダーに変身するという役柄ですし、不安のほうが大きかったです。役が決まったとき、家族に報告したのですが『仮面ライダー鎧武』が大好きな弟が、めちゃめちゃ興奮していましたね。ふだんは頼りない姉なので、仮面ライダーに変身する役だと聞いて、びっくりしていました(笑)」と、家族からも祝福されたことを嬉しそうに語った。
浅川は「嬉しい気持ちもありましたが、責任や緊張も大きかったです。出演するにあたり、『555』テレビシリーズを観て、条太郎の叔父にあたる啓太郎がどんな性格なのか、研究しました」と、テレビシリーズで溝呂木賢が演じた菊池啓太郎の「困った人を見ると放っておけない、並外れた善人」というキャラクターを継承する甥・条太郎を演じる際の役作りについて話した。
進藤は「マネージャーさんが私の仮面ライダー好きを知っていて、早く知らせてあげようと思ったらしく、別な仕事の帰り道でいきなり『スマートレディに決まりました』と教えてもらいました。でもあまりにも突然で、何が起こったんだろうと混乱し、驚きや喜びよりも動揺のほうが強かったんです(笑)」と、サプライズ報告の威力が強すぎて感情が追い付かなかったことを打ち明けた。そして「お友だちの鈴木福くんにも『555に出演するよ』ってすぐ言いたかったのですが、情報解禁の日が来るまで我慢していました。私のファンの方たちの中にも『555』が好きっていう人が多く、発表と同時にみなさん喜んでくださいました」と、親しい友人やファンにしばらく嬉しい情報を黙っているのが辛かったと話した。
■登壇者たちにとってのヒーローは?
続いて、20年ぶりのヒーロー復活にちなみ、「あなたにとってのヒーローは?」という質問がMC(寺迫麿)から出された。半田は「20年もの間、行く先々で声をかけてくださる方たちから『555観てました』と言われます。そんなこともあって、僕のヒーローは乾巧であり、それ以外に考えられません」と、20年前に青春をぶつけて演じ上げた乾巧という役柄がいつまでも愛されていることを喜びながらコメントした。芳賀は「ヒーローと言われて、パッと頭に浮かんだのは、ファイズのスーツアクター=高岩(成二)さんです。真理はファイズの姿を一番近いところで見ていましたからね。ヒーローイコール高岩さんという印象」と、変身前の半田と入れ替わって現場に入るファイズ役・高岩のカッコよさ、頼もしさについて言及した。
村上は「僕にとってのヒーローは、カイザです。『555』に出るまではバイトばかりやっていて、自分の職業は何だろうと思っていたのですが、この作品がきっかけで周囲からヒーローと呼ばれるようになり、俳優の仕事もたくさんいただけるようになりました」と、自身の俳優人生においてカイザが救いのヒーローとなったことを打ち明けた。さらに「憧れのヒーローは漫画『キャプテン翼』の日向小次郎です。カイザが必殺技ゴルドスマッシュを放つときのかけ声『ディィィヤァァァ!』は、小次郎がタイガーショットを撃つときの叫びから来ています!」と、ヒーローを演じる上で参考になったキャラクター像についても熱く語った。
福田は「演技経験が浅く、しっかり演じられるか不安になったとき、大丈夫だよって励ましてくれて、たくさん話を聞いてくれた母が私のヒーロー」、そして浅川は「いつも相談に乗ってくれて、自分にない考え方であるとか、いろんな発見を示してくれる父がヒーロー」と、それぞれ精神的支えとなる「親」の大切さを語り、ヒーローと呼んで称える場面が見られた。また進藤は「特撮やアニメを観るのが大好きで、いろんなキャラクターたちのセリフに支えてもらい、救われています。私にとっては作品そのものがヒーローです。ちなみに、いちばん好きなヒーローは『仮面ライダービルド』です!」と語り、自分の心の支えとなる特撮作品、アニメ作品の存在がいかに重要かを説明した。
ヒーローを創造する立場にある田崎監督は「ヒーローというものは、見てくれる人がいないと成立しません。きょうここに集まってくださったファンのみなさんは、舞台上の彼らをキラキラした目で見てくれている。そんなキラキラな目で見てもらえる対象こそがヒーローといえます。これからも、そんなヒーローを作っていきたいです」と、ファンに愛され、憧れられる存在がヒーローであると力説し、さわやかな笑顔をのぞかせた。
■作品の見どころに「『555らしさ』を楽しんで」
本作の見どころについて、半田は「『555ってこうだったよな』という部分と『こうだったかな?』という部分、そして『こうでなくちゃ!』という部分がいくつも散りばめられています。ぜひ『555らしさ』を楽しんでください」と、変わらない部分と大きく変わった部分、いろいろな要素を含めた作品の魅力について語った。芳賀は「真理としては、とても大きな変化が起こります。みなさんがどういう風に受け止めてくださるのか、楽しみであり、ドキドキするところでもあります」と、劇中で衝撃的な展開を迎える真理にポイントを置いて映画を楽しんでほしいと話した。
村上は「草加が20年ぶりに、カイザへの変身を遂げるのが見どころです。『555』終了後、僕は『仮面ライダーディケイド』『仮面ライダー大戦』『仮面ライダージオウ』『ゲイツマジェスティ』と4回も仮面ライダーシリーズに出ているのに、これまでぜんぜん変身させてもらなかったのですが、それも今回の『パラダイス・リゲインド』のために取っておいてたのかなあ、と思っています。そして、新型・ネクストカイザの変身もお楽しみに! あともうひとつ、草加が『ウエットティッシュで手を拭く場面』が井上さんの脚本に書いていなかったので、これは無いとだめだろうと思い、2シーンほどねじ込んでいます。ぜひ見つけてください(笑)」と草加の注目ポイントを連発し、ファンの鑑賞意欲を大いにあおった。
福田は「ミューズの変身をぜひ、目に焼き付けてください。玲菜は、いろんな立場から捉えることによって印象が変わるキャラクター。いい子なので、彼女の人間性に注目してください」と話して、ミステリアスでありながら血の通った人間味をも持ち合わせる玲菜に親しみを持ってほしいとアピールした。浅川は「啓太郎おじさんの持ち味を研究し、自分なりに頑張って条太郎を演じました。条太郎の言動を観ていただき、20年前の啓太郎はこうだったな……みたいに、照らし合わせてもらえると嬉しい」と、世界を飛び回っている啓太郎の留守を預かる「似た性格をした甥」という難しい役に挑んでいる部分を強調した。
進藤は「令和のスマートレディがどんな登場の仕方をするのか、に注目してください。そしてスマートブレイン社の新製品を細かくご覧いただき、予約をしてくださるといいですね(笑)」と、『555』の世界観の中核を担うスマートブレイン社の新たなイメージガールとして、劇中で印象的な登場をするスマートレディの魅力と、スマートブレイン社が開発したという設定のハイエンド向け商品「CSMカイザフォンXX」(映像ソフトとのセットで2024年9月13日に発売)を大プッシュしていた。田崎監督は「見どころは全部。特に言えば、この場にいない旧キャストの海堂や北崎も頑張っています。そして、新主題歌『Identiφ's』も配信が始まっていますので、気に入ってくださったらぜひダウンロードして、ご愛聴ください!」と語って、『555』オリジナルキャラの海堂直也(演:唐橋充)、北崎望(演:藤田玲)にも印象的な活躍の場があることや、ISSAによる新主題歌のことなど、気になるアピールポイントを示した。
最後にマイクを手にした半田は「これまで長い間『555』がたくさんの方たちから応援されているんだなと、いたるところで感じてきました。20周年というタイミングを迎え、みなさんに大きな恩返しをしたいという強い思いで、監督たちにお話を持ちかけたわけです。僕らはいま、20周年記念映画を完成させ、上映の日を迎えました。ここまでは僕たちがやったことです。ここから先、この映画を愛し、広め、伝説にしていただくのは、みなさんのお力だと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします!」と、多くの『仮面ライダー555』ファンに20周年記念作品を愛してもらい、もっと大きく盛り上げてほしいと熱っぽく呼びかけた。
Ⅴシネクスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』は、現在新宿バルト9ほかにて期間限定上映中。2024年 5月29日にはBlu-ray&DVDの「通常版」「特別版」、そして2024年9月13日(金)には「CSMカイザフォンXX版付完全版」Blu-ray&DVDが発売される。
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