フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で、4日に放送された『結婚したい彼と彼女の場合 ~令和の婚活漂流記2024~ 前編』。カリスマ婚活アドバイザー・植草美幸さんの結婚相談所に入会して婚活に奮闘する人々を追った作品で、11日には「後編」が放送される。

登場するのは、女性とのデート経験がない進藤さん(仮名・29)、親が不動産を多数所有するバツイチの内田さん(55)、仲睦まじいいとこ夫婦に憧れるゆかさん(仮名・28)の3人。この結婚相談所の取材を続ける八木里美ディレクターは、婚活に挑む人たちがコロナ禍を経て大きく変化したことを感じたという――。

  • 婚活アドバイザー・植草美幸さん(左)と話す進藤さん(仮名) (C)フジテレビ

    婚活アドバイザー・植草美幸さん(左)と話す進藤さん(仮名) (C)フジテレビ

怒鳴りつけたり、説教したりする女性が増加

『ザ・ノンフィクション』では22年1月にも、植草さんの結婚相談所での婚活に密着したドキュメンタリーを放送。八木Dは、それから2年という時間を経て、婚活事情における様々な変化を感じたというが、その1つがコミュニケーション能力の低下だ。

「仕事の業種によってはコロナの3年間、全然外に出なかったとか、久しぶりに電車に乗ったという人も多くて、植草さんも基本的なマナーから教えるのに時間を割かれることが多くなったそうなんです。それと、怒りっぽい人が多くなり、相談所へのクレームが増えたという話もありました。アドバイザーを攻撃する人もいて、労働時間が伸びているそうです」(八木D、以下同)

前編では、進藤さんのお見合い相手が怒って途中退席してしまう場面も。これは珍しいケースだが、「“男性に失礼な態度を取られた”と相談所のスタッフを怒鳴りつけたり、お見合いで男性に説教をしたりする女性がコロナ以降増えているらしく、男性が怖がってしまうんです。かたや男性は、自分がどう見られているのか、相手が何を求めているのか分からない人が増えているそうで、人と対面しないことで、相手の立場に立ってものを考えることができなくなってきているようです」と、リモート生活が深刻な影響を与えていた。

さらに、時代の変化とともに、相手に求めるスペックの優先順位も変化。

「以前だと、男性は年収が重視され、エスコート力を身につけるためにみんな頑張って練習していたのですが、今は家事能力が求められるようになっていて驚きました。逆に、男性から女性に対しては“若い”、“かわいい”、“きれい”といった希望が定番だったのですが、年収や学歴も重要になってきているんです。社会不安が大きいので、男性一人で全て背負うのではなく、頼りがいのある女性が人気です。年齢が上でも大丈夫とか、子どもはマストではないという条件の人が増えていました」

前編冒頭から後編ラストで内面・外見が大きく変化

前回は、恋愛経験のない女性・ミナミさん(仮名・当時30)を中心に追っていたが、今回は2人の男性も追っている。「婚活人口は女性のほうが多くて、頑張らなきゃいけないことも多いのでは」と思い込んでいたが、「全くそんなことはなかったです。男性も本当にいろんなことをやらなきゃいけなくて、苦労されて頑張っているのを見て、私も勉強になりました」と、密着取材で印象が変わった。

進藤さんは、前編の冒頭から後編のラストで、内面も外見も大きく変化。「本人もおっしゃっていたのですが、自分が他人にどう見られているかをあまり意識してこなかった方で、最初は“本当に大丈夫かな…”と心配していました。でも、植草さんの指導を受けてお見合いをすごく頑張って、少しずつ少しずつ話し方やその内容もステップアップしていき、女性と話しても緊張しなくなって、本当に変わりました」と感心する。

内田さんについても、「50代で再婚希望の人はたくさんいるそうなのですが、自分の人生経験もあるから植草さんの指導を素直に聞かずに否定する人も多いそうなんです。でも、内田さんはとにかく素直ですごく真面目。植草さんも“純朴な少年のよう”とおっしゃっていましたし、取材で一緒にいると、とぼけたことも言ってくるので、楽しかったです(笑)」と、その人柄に魅力を感じた。