「子どもはほしい。でも、仕事が楽しいからイマじゃない」。そんなことを思っていたらあっという間に、30歳を過ぎ、結婚5年目に突入。そんなとき、"時期は未定だとしても受けてみたら?"と紹介されたのが、「プレコンセプションチェック」です。将来子どもを授かりたい人を対象にした検査だというのですが……。
今回は、浅田レディース品川クリニックにて実際にプレコンセプションチェックを体験。また、理事長の浅田義正さんに「プレコンセプションチェックって何?」「どんな項目が調べられるの?」「どうやって検査する?」など気になるギモンを聞いてきました。
■プレコンセプションチェックって何?
プレコンセプションチェックとは、現時点で妊娠・出産を考えていなくても将来子どもを授かるために必要な健康をケアし、妊娠を妨げる要因がないかを調べる検査です。幅広い年代の男女を対象とし、将来の妊娠を考えながら自身の生活や健康に向き合うことを目的としているんだとか。
ちなみに、よく耳にする「ブライダルチェック」は、明確な定義はないものの、多くは妊娠や妊活を考える女性が対象だそうです。一方、プレコンセプションチェックは"将来子どもを授かりたいと考えている男女"を対象にしています。ですので、時期はもちろん相手が未定であっても、気軽に受けることができるんです。
浅田さんいわく、プレコンセプションチェックは「不妊症の人間ドック」。一般的に健康を妨げる要因がないかを確認するのが人間ドックですが、それと同じで、妊娠率を妨げる要因がないかを確認するのがプレコンセプションチェックだと言います。
加えて、「誤解のないように言っておくと、プレコンセプションチェックは、妊娠率を上げるものではありません」と、浅田さん。本チェックは、妊娠率を妨げる要因(梅毒、クラジミア、甲状腺異常など)を事前に見つけ出すことはできるそうですが、それによって妊娠率が上がるわけではないのだとか。
ではどんな検査項目があるのでしょうか? 詳しくみていきましょう。
■どんな検査ができる? 費用は?
同院における検査内容は、感染症や風疹の検査をはじめ、卵子がどのぐらい残っているかを知ることができるAMH測定などがあります。
いずれも不妊症や流産、または赤ちゃんに影響をおよぼす可能性がある病気がないか、自身の体が子どもを授かる上でどんな状態にあるのかを確認する項目が用意されています。
同院のプレコンセプションチェックは、女性3コース・男性1コース。
項目数によって価格が異なるのですが、AMHのみを測定するコースであれば5,500円で検査が可能です。そのほか、AMHや感染症、風疹などをチェックするAコースは20,000円、Aコースに加えて精子に対する抗体の有無の検査など、不妊の要因がないかを確認できるBコースが30,000円。
メンズコースは、精液中の精子数や運動精子数を調べる精液検査を1,650円で受けられます。
また、オプションとして「子宮けいがん検査」(4,000円)や、子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症など婦人科疾患がないかを検査する「超音波検査」(3,000円)、卵子と精子が出会う"卵管"が通過しているかどうかを調べる「卵管通過検査」(8,000円)、「(男性用)感染症検査」(8,400円)なども提供しています。
ちなみに、一人でなくとも、パートナーと一緒に検査を受けてもOK。実際に夫婦や恋人同士で来る人もいるそうです。
■検査は意外と簡単!?
今回、筆者が受けたのは「Bコース」。AMH測定、感染症、クラミジア、風疹、甲状腺刺激ホルモン、精子不動化抗体、抗核抗体の検査が含まれています。
まずは受付をして、問診票に生理開始日や既往歴などを記入。その後、診察室に呼ばれ、問診票をもとに簡単な質問を受けます。その後、採血して検査は終了。注射のチクッとした痛みはありましたが、検査自体はトータル15分程度、これに待ち時間や会計なども含めると約30分といったところでしょうか。
ちなみに、オプションの超音波検査や卵管通過検査などは内診があるため1項目につきプラス20分ほど時間がかかります。ですが、思っていたより簡単に検査ができることにびっくり! 忙しくてもこれであればチェックがしやすいなと感じました。
■結果は…?
結果は、後日指定した住所に届くので、説明書と照らし合わせて自身の検査結果を確認します。ちなみに、同院の場合、不安なことや気になる点があれば、後日院長の無料相談を受けることが可能です(時間は約10分)。
筆者も聞き慣れない項目や数値に四苦八苦しながら、一つひとつ結果の意味を理解していきます。すると以前に計測し、少し低めの値が出たAMHが、今回の結果では、さらに低下していることが判明。「AMH値が低い=妊娠の可能性が低い」わけではないとのことですが、"妊娠の可能性がある期間が限られていること"を示唆するのだとか。
毎日元気に働いてはいたものの、見えないところで着実に老化が進んでいることを実感。これまでは、"その瞬間やりたいことをするのが一番"と思っていましたが、考えのシフトチェンジが必要なのでは……と感じました。
プレコンセプションチェックはただの検査。ですが、「本当にイマじゃないの?」と、自分そして夫婦の将来を立ち止まって考える重要なきっかけになったことは確かです。
みなさんも時期や相手が未定でも、まずは自分の体と向き合ってみてはいかがでしょう。人生設計のヒントを見つけられるかもしれません。
取材協力:浅田レディース品川クリニック
※プレコンセプションチェックは、各診療機関によって検査料金などが異なるため、実際に受ける前に各公式サイトにて確認を