ミュージカル『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』製作発表が1日に都内で行われ、望海風斗、平原綾香、井上芳雄、甲斐翔真が登場した。
同作はバズ・ラーマン監督による同名映画のミュージカル化作。2019年7月にブロードウェイで上演され、世界中でヒットしている。1899年のパリで激しい恋に落ちたアメリカ人作曲家クリスチャン(井上芳雄/甲斐翔真)と、ナイトクラブ ムーラン・ルージュの花形スター サティーン(望海風斗/平原綾香)の恋の物語を描く。
■『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』について語る平原綾香
昨年の公演について聞かれた平原は「去年がちょうど歌手デビュー20周年の年だったので、それと重なっちゃったもんだからけっこうバタバタしていて、本番が終わった後に生放送に出なきゃいけなかった。覚えなきゃいけない曲が、YOASOBIの『アイドル』だったんですね。どうしても練習しなきゃいけなくて、声出しがてら歌ってたら、まわりの楽屋の女の子たちがびっくりしたみたいで……」と振り返る。
公演の話ではなかったため、井上が「そんな思い出ですか!?」とツッコみ、平原は改めて「今年は私にとってもミュージカルデビュー10周年の年だから、とにかく『ムーラン・ルージュ!』1本で、これにかけて。お漬物で言ったらサティーン漬けだけど、古漬けくらい染み込ませて、お送りしたいなと思います」と意気込み。井上は「なんで漬物で言ったのかわからないですけど、気持ちは伝わりました」と納得していた。
衣装についても、平原は「とにかく赤いでしょ? 牛の気持ちがわかる。本当に高揚感で『うお〜!』ってなっちゃう」と表し、井上は「自分が赤いの着てても牛の気持ちがわかる!? 大変じゃない? 自分に向かって!」とツッコミ。
25年2月でいったん休館し、リニューアルを迎える帝国劇場については「私は帝劇の匂いが好きで。臭いって意味じゃないですよ。入った途端に匂いを嗅ぐと演劇スイッチがグッと入るような気がして、あの匂いが大好きなんですね。リニューアルされてもぜひ匂いだけは引き継いでいただいて。新築の匂いしたらなんか違うってなると思うの」と平原。井上は「あーや(平原)の演劇スイッチが入らない可能性もあるもんね。おおごとですよ」と訴え、平原は「調香師の人に嗅いどいてもらって、(作成した香水を)シューっと。それくらいしないときっと帝劇じゃなくなっちゃう」と希望していた。
平原はさらに「身にまとう布の面積がとても少なかった。20年の歌手人生の中でも1番少なかったんです。親戚や家族、友達から大丈夫なのか、本当にいいのかと。だってずっと下着じゃない?」と思い出を語る。「でも不思議と慣れていったのは、ずっとクラシックバレエを習っているからで、レオタードに慣れてるので意外にスコスコしなかった」という独特の表現で、「スカスカに近いですか?」(井上)、「スースーする?」(望海)を物議を醸した。
それらの疑問を振り切った平原は「蝶々のシーンが好きですね。緑のシャンデリアの時。メデューサのイメージで、妖艶というよりもクリスチャンを捉えて食べちゃうくらいの強さを持った、目に何も宿っていない怖いサティーンをイメージしてるんですけど、あのシーンはクリスチャンの妄想なので、なんでも演じられたのが楽しかったですし、蝶々になれるなんてなかなかないから、嬉しかったです」とまとめる。井上は「最後、幼稚園生みたいなかわいい感想でありがとうございます」と拾い、結果的に平原の発言ほとんどにツッコミを入れていた。
写真提供:東宝演劇部