人が口にした内容をその場で文字に書き起こす「口述筆記」は熟練の技術で、その役をコンピュータに担わせることはひとつの目標でした。それが技術革新によりスマートフォンの標準機能としてサポートされはじめ、比較的身近な技術となりつつあります。認識精度は完璧とはいえないまでも、ほぼ実用レベルにあると言っていいでしょう。
iPhoneで「音声入力」と呼ばれる口述筆記機能は、iOS 16のとき音声入力とキーボード操作を並行して進められるようになるなど、実用に即した進化を遂げました。音声入力が不得意な記号類の入力やカーソル操作、音声が誤認識した箇所の修正などもかんたんになっています。
その音声入力は、ソフトウェアキーボードの設定と連動しています。日本語や英語、フランス語といった音声入力に対応する言語のキーボードを登録していると、入力用に選んでいるキーボードの言語種に従い音声を分析し、文字に書き起こします。つまり、英語キーボードを選択しているときは英語で、日本語キーボードを選択しているときは日本語で話しかければいいのです。
しかし、登録しているキーボードの種類が多い場合は、音声入力にどの言語を使用するか混乱します。英語と日本語のキーボードを登録しているけれど、音声入力のとき使うのは日本語だけだから英語として解釈されると困る、という人もいることでしょう。
そんなときは、「設定」→「一般」→「キーボード」→「音声入力言語」の順に画面をタップし、音声入力に使う言語のみチェックを入れるようにします。日本語専用に使いたい場合は日本語以外のチェックを外しておくと、英語キーボード使用時にマイクボタンをタップして音声入力を開始しても、音声を英語としてではなく日本語として解釈してくれますよ。