JR西日本は1日、北陸新幹線金沢~敦賀間の報道試乗会を実施した。北陸新幹線の車両W7系(12両編成)を使用し、敦賀駅から金沢駅まで往復する予定。試乗会に先立ち、敦賀駅の駅構内・ホーム等の自由見学と関係自治体による観光PRなども行われた。
北陸新幹線金沢~敦賀間は3月16日の開業を予定しており、線路延長は約125km。新たに北陸新幹線の終着駅となる敦賀駅をはじめ、越前たけふ駅、福井駅、芦原温泉駅、加賀温泉駅、小松駅が北陸新幹線の駅として開業する。東京駅から午前中および夕夜間の「かがやき」9往復、昼間時間帯に「はくたか」5往復が敦賀駅まで運転され、東京~福井間を最速2時間51分、東京~敦賀間を最速3時間8分(北陸新幹線を利用時)で結ぶ。
一方、大阪駅から北陸方面へ運転された特急「サンダーバード」、名古屋駅・米原駅から北陸方面へ運転された特急「しらさぎ」は敦賀駅止まりとなり、同駅で北陸新幹線「つるぎ」へ乗換えとなる。特急「サンダーバード」と北陸新幹線「つるぎ」の利用で、大阪~金沢間は最速2時間9分、大阪~富山間は2時間35分に。敦賀駅の新駅舎は3層構造になっており、特急「サンダーバード」「しらさぎ」が到着・発車する1階の在来線特急ホームから、2階の乗換え改札階を通り、3階の新幹線ホームで北陸新幹線の列車に乗車することになる。敦賀駅での乗換え標準時分は8分とされている。
今回の報道試乗会では、敦賀駅にて列車の入線まで駅構内・ホーム等を自由に見学できる時間が設けられた。駅舎の高さ約37m、エスカレーター26基・エレベーター6基や乗換え改札機19通路を備えるという敦賀駅は予想以上に広々としており、開業に向けて期待感が高まる一方、これだけ広い駅で最短8分のスムーズな乗換えが可能なのか、不安もある。
報道試乗会に合わせ、敦賀駅の2階乗換え改札付近などで関係自治体による観光PRも行われていた。駅構内・ホーム等の自由見学の後、9時43分頃、新幹線13番線ホームにW7系(W21編成)が入線。報道関係者らを乗せたW7系は10時13分、敦賀駅を発車した。
金沢駅までは片道1時間弱。北陸新幹線金沢~敦賀間には全12カ所のトンネルがあり、同区間で最長となる新北陸トンネル(越前たけふ~敦賀間)は約19.8kmに及ぶ。試乗会列車は新北陸トンネルを約5分で走行したが、その間、車内で使用していたモバイルWi-Fiが途切れがちだった。開業後に乗車する際は注意が必要かもしれない。
金沢~敦賀間のトンネル区間は工事延長の約34%とされ、高架橋(約52%)と橋りょう(約13%)が大半を占める。全国初という新幹線と道路の併用橋「九頭竜川橋りょう」も注目を集めている。W7系の試乗会列車は金沢駅まで運転され、その後、金沢駅から敦賀駅への試乗会列車も運転される。