ドラ1には届かずも…「ドラフト13番目」に指名された現役6人。惜しくも2位…

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 いよいよ球春到来を迎えたプロ野球。2023年ドラフト会議では計122人が指名され、NPB入りの切符を掴んだ。中でもドラフト1位入団の選手には大きな期待がかけられるが、ウェーバー順となる2位指名の選手の中にも、ドラ1候補と目されていた実力者が多くいる。ここでは、ドラフト13番目の指名でプロ入りした現役選手を紹介したい。

 

 


三嶋一輝(横浜DeNAベイスターズ)


・投打:右投両打
・身長/体重:175cm/80kg
・生年月日:1990年5月7日
・経歴:福岡工 - 法政大
・ドラフト:2012年ドラフト2位
 
 長らくブルペンの屋台骨を支えてきた三嶋一輝。ドラフト13番目と高い評価を受けて、プロの世界へ飛び込んだ。
 
 法政大では1年春から公式戦デビュー。先発、中継ぎとあらゆる役割をこなし、4年時にはエースに君臨した。迎えた2012年ドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズから2位指名を受けてプロ入り。
 

 
 ルーキーイヤーは主に先発として起用され、34試合(146回1/3)を投げ6勝9敗、防御率3.94とまずまずの数字を残した。
 
 翌2014年には開幕投手に抜擢されたが、1勝どまりと不本意なシーズンに。その後も先発で思うような結果を残せず、2018年から中継ぎに回った。
 
 すると、2019年は自己最多の71試合に登板。翌2020年にはシーズン途中から守護神を担い、48試合登板で3勝1敗18セーブ、防御率2.45の好成績を残した。
 
 2022年途中には国指定の難病「黄色靭帯骨化症」が発覚。長らく戦列を離れたが、2023年に開幕一軍入りを果たし、27試合でマウンドに上がるなど復活を印象付けた。





太田光(東北楽天ゴールデンイーグルス)


投打:右投右打
身長/体重:178cm/76kg
生年月日:1996年10月14日
経歴:広陵高 - 大阪商業大
ドラフト:2018年ドラフト2位
 
 東北楽天ゴールデンイーグルスで正捕手の座を掴みかけている太田光も、ドラフト13番目と高い評価を受けてのプロ入りだった。
 
 大阪商業大では1年春から正捕手に抜擢。4年春には首位打者に輝くなど、強肩強打の捕手として評価を高め、2018年ドラフト会議で楽天から2位指名を受けた。
 

 
 ルーキーイヤーから一軍での出場機会を得ると、2020年にはリーグトップの盗塁阻止率.333を記録。翌2021年には自己最多の107試合に出場した。
 
 しかし、同年は打率.188と打撃面が大きな課題に。さらに、2022年は左肩手術の影響もあって出場機会が減少した。
 
 2023年は再び正捕手奪取を狙うシーズンとなったが、炭谷銀仁朗(現:西武)らとの併用起用ながらも、104試合に出場。打率.243(規定未満)、3本塁打、リーグトップの28犠打をマークするなど、確かな成長を見せた。





金村尚真(北海道日本ハムファイターズ)


・投打:右投右打
・身長/体重:176cm/83kg
・生年月日:2000年8月29日
・経歴:岡山学芸館高 - 富士大
・ドラフト:2022年ドラフト2位
 
 2022年ドラフト会議で13番目の指名を受けたのが、ルーキーながら開幕ローテーション入りを果たした金村尚真だ。
 
 富士大では1年春のリーグ戦から公式戦デビュー。3年時には完全試合を達成するなど、北東北大学リーグで圧倒的な実績を残した。スカウトからも抜群の制球力を持つ本格派右腕と高く評価され、ドラフト1位候補に名前が挙がっていた。
 

 
 迎えたドラフト会議では、1位指名こそ逃したものの、全体13番目の指名で北海道日本ハムファイターズに入団。
 
 期待通りにオープン戦から結果を残し、開幕ローテーションの座を掴んだ。プロ2戦目の先発登板でプロ初勝利を挙げるなど、幸先の良いスタートを切っていたが、右肩痛で戦線離脱を余儀なくされた。
 
 それでも、シーズン終盤に一軍に戻り、復帰登板で勝利投手に。最終的に4試合登板で2勝1敗、防御率1.80と大器の片鱗を示した。
 
 2024年シーズンも新人王資格を有している金村。先発ローテーションの一角として、フルシーズンの活躍を見せたい。





藤岡裕大(千葉ロッテマリーンズ)


・投打:右投左打
・身長/体重:178cm/77kg
・生年月日:1993年8月8日
・経歴:岡山理大付高 - 亜細亜大 - トヨタ自動車
・ドラフト:2017年ドラフト2位
 
 即戦力の期待に応え、ルーキーイヤーから遊撃の定位置を掴んだ藤岡裕大。ドラフト1位指名には届かなったが、ドラフト13番目と高い評価でプロ入りを果たした。
 
 亜細亜大時代にもドラフト候補に名を連ねていたが、指名漏れを経験した藤岡。トヨタ自動車に進むと、入社2年目には遊撃のレギュラーとして社会人日本選手権優勝に大きく貢献した。
 

 
 迎えた2017年ドラフト会議で、千葉ロッテマリーンズから2位指名を受けてプロ入り。プロ1年目から「2番・遊撃」で開幕スタメンに抜擢されると、同戦でいきなり3安打猛打賞を記録した。
 
 同年は、最終的に全143試合に出場し、打率.230、5本塁打、42打点、14盗塁、リーグトップの26犠打と十分な働きを見せた。
 
 翌年以降は打撃に苦しむシーズンもあったが、持ち前の守備力を武器に内野のレギュラー格として活躍。2022年は自己ワーストの28試合の出場にとどまったが、翌2023年は93試合出場ながら打率.277(規定未満)をマーク。
 
 さらに、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦では、3点差の10回裏に起死回生の同点3ラン本塁打を。チームをファイナルステージ進出に導くなど、勝負強い打撃が光った。






比嘉幹貴(オリックス・バファローズ)


・投打:右投右打
・身長/体重:177cm/77kg
・生年月日:1982年12月7日
・経歴:コザ高 - 国際武道大 - 日立製作所
・ドラフト:2009年ドラフト2位
 
 熟練された投球術で多くの修羅場をくぐり抜けてきた比嘉幹貴も、ドラフト13番目での入団であった。
 
 日立製作所から2009年ドラフト2位でオリックス・バファローズに入団。即戦力の期待を受け、ルーキーイヤーからリリーフで24試合に登板した。
 

 
 その後も中継ぎ一筋でキャリアを積み上げ、2014年には62試合登板、27ホールドポイント(7勝20ホールド)、防御率0.79と圧巻の数字。
 
 一時は不本意なシーズンが続いたが、2018年以降は再びブルペンに欠かせない存在に。2022年は30試合登板で防御率2.53の好成績を残すと。同年の日本シリーズでは5試合でマウンドに上がるなど大車輪の活躍を見せ、26年ぶりの日本一に大きく貢献した。
 
 40歳を迎えた2023年も、衰え知らずの投球を披露。31試合に登板し、防御率2.25と安定感を発揮した。





津田啓史(中日ドラゴンズ)


・投打:右投右打
・身長/体重:181cm/88kg
・生年月日:2002年11月23日
・経歴:横浜高 –三菱重工East
・ドラフト:2023年ドラフト2位
 
 直近の2023年ドラフト会議で、13番目の指名となったのが、中日ドラゴンズに入団した津田啓史だ。
 
 横浜高では1年秋から正遊撃手に定着し、2年春の甲子園に出場。最後の夏は神奈川県大会準々決勝で敗れる悔しい結果となったが、同級生の度会隆輝(現:DeNA)らとともに、チームの中心選手として活躍した。
 

 
 卒業後は、社会人野球の三菱重工Eastへ。入社2年目からレギュラーを掴み、2022年には社会人日本選手権、2023年は都市対抗と全国の舞台も経験した。
 
 抜群の身体能力を誇り、走攻守三拍子揃った大型ショートとしてスカウトからも高く評価された津田。迎えたドラフト会議では、1位指名後にウェーバー順で最初となった中日から2位指名。高卒3年でプロへの切符を掴んだ。
 
 攻守に粗削りな部分はあるが、パンチ力ある打撃に強肩を活かした遊撃守備、ダイヤモンドを駆け回る脚力は目を見張るものがある。内野のレギュラーが固まっていない中日だけに、ルーキーイヤーからの台頭が期待されている。


 


 

 
【了】