麻布テーラーは2月16日、名門生地メーカーに別注した特別なファブリックを麻布テーラー全店で提案開始する。
同社は2024春夏のシーズンテーマに「Modern Heritage」を掲げ、ドレスウェアーが最も華やかだった時代性と現代的な機能を持ち合わせた生地を、世界の長たるブランドに生地を供給している「Loro Piana Fabric(ロロ・ピアーナ ファブリック)」、イタリア最高峰の服地メーカー「Cloth Ermenegildo Zegna(クロス・エルメネジルド ゼニア)」、上記2社に並ぶ世界3大ミルである「FRATELLI TALLIA DI DELFINO(フラテッリ・タリア・ディ・デルフィノ)」、創業240年を超える英国の「MARING&EVANS(マーリン&エヴァンス)」、日本を代表する高級服地メーカーである「御幸毛織」と、5メーカーに別注した。
ロロ・ピアーナの取り扱う素材の中でも最高級と言われる「AUSTRALIS」。カシミヤやシルクにも匹敵する、極めて細いSuper150'sという最高品質の原毛を使用し、艶やかな光沢感となめらかな素材感が特徴の最高級素材。程よい肉厚感のオールシーズン素材。今回、このAUSTRALISという素材をベースに、ウィンドウ・ペンを別注。地色に馴染ませた上品なトーンで2重に柄を入れることで、最高級の原毛でしか表現できない色合いと繊細な柄を表現した。スーツ価格は132,000円~(オーダー価格)。
オーストラリアの最高品質から選ばれた、スーパーファインメリノウールの「15milmil15(クインディチ ミルミル クインディチ)」。長くて柔らかい繊維の細さを示しており、わずか15マイクロン(super170相当)。カシミヤと同等クラスの細さを誇り、とても柔らかくシルクのような上品な光沢もあわせ持っている。今回は、15milmil15という素材をベースに、 グレンチェックのグレイシュベージュとネイビーカラーを別注した。あえて伝統柄を地色に馴染ませて、注目のライトカラーで表現した。スーツ価格は198,000円~(オーダー価格)。
タリアデルフィノの中でも最高ランクに据えられる「DOLCE VITA」。15.5マイクロンという極細の原毛を使用した、柔らかくとろけるような風合いが特徴のラグジュアリーな素材だが、見た目のエレガントさとは反して、タテヨコ両方向に伸びる機能性も付加されている。今回、DOLCE VITAという素材をベースに、タッタソールチェック柄を別注。スポーティな要素を持 つ タッタソールを、トレンドのライトカラーのベースに馴染ませ、ラグジュアリーでありながら機能的という素材に乗せることで、シーズンテーマであるモダンヘリテージを表現した。スーツ価格は110,000円~(オーダー価格)。
マーリン&エヴァンスは、その紡毛素材を得意とするメーカーで、梳毛素材のコレクションはないが、同社の物づくりに強く惹かれた、サヴィル ロウのテーラー達のリクエストによって生まれた梳毛素材が過去に存在していた。麻布テーラーは、そのアーカイブ素材に着目し別注。イギリスのメーカーに、あえてイタリアのイメージが強い、綾組織によるソラーロやオルタネイトストライプを依頼し、モダンヘリテージを表現。細番手糸を使用しながら LONDON SHRUNKと呼ばれる最高ランクのフィニッシングを施すことで光沢と風合いともに抜群の仕上りを実現させた。スーツ価格は88,000円~(オーダー価格)。
御幸毛織は、1905年創業の日本を代表する高級紳士服地メーカー。今回注目したのは、御幸毛織の「CHAMPION MOHAIR」。1980年から南アフリカ共和国の優れたモヘアを生産した牧場主を毎年表彰し、その良質なキッドモヘアを使用したものだけをCHAMPION MOHAIRという。タテ糸には高級原毛の100番手を3本撚りにした糸を作り、ヨコ糸には南アフリカの豊かな光沢が特長のチャンオンモヘアの糸を贅沢に 2本引きそろえで打ち込んでいる。リッチな光沢だけではなく、ハリとコシ、通気性に優れ、低速織り機によりビンテージ感と独特の艶が特徴。このCHAMPION MOHAIRという素材をベースに、コレクションのないネイビーカラーを色からこだわり別注した。スーツ価格は88,000円~(オーダー価格)。