『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は2000年ホンダインテグラタイプRに乗るマシューが「自分の車に乗って誰かが走り去る姿を見送るのは、いつもちょっと不思議な気分になる」と語る。その理由とは・・・?
ご心配なく。以前にもご紹介した私の愛車、2000年ホンダインテグラタイプRを売却したのではなく、次回の”アイコン”特集のために『Octane』UK版の姉妹誌である『evo』に貸したのだ。インテグラは長い間、カルト的な車だったが、本当に「アイコン」の地位にふさわしいのだろうか?
【画像】姉妹誌『evo』の撮影に貸し出された、筆者のホンダインテグラタイプR(写真3点)
もちろん私はそう思っているが、自分の意見を知識のある第三者(今回はフリージャーナリストのヘンリー・キャッチポール)が裏付けてくれるのは、いつだって嬉しいものだ。彼と少し話し合った後、ミーティングポイントにはベッドフォードを起点にするルートB660が選ばれた。
私のホンダは数週間放置されていたので、オイルレベルやタイヤの空気圧など基本的なチェックをして、その後洗車とワックスの塗り直しをした。修理したばかりのリアアーチは、依然として完璧な状態を保っている。
午前中、カメラマンのアストン・パロットから簡単な説明を受けた後、ヘンリーにキーを渡した。この段階で私は車が100%の状態ではないことに一抹の不安を感じていた。そのため、「リヤのダンパーはベストを少し過ぎている感じだし、この車は2速から3速に急かされるのを嫌がるんだ」と彼に警告した。彼は、そんなに心配しないで大丈夫と言ってくれた。
自分の車を安心して任せられる人はそれほど多くないが、ヘンリーはその一人だ。彼は車に無理な負荷をかけないことを約束してくれたが、私は遠慮せずに回転数を上げるようにアドバイスした。自分の車が走っているのを外から見たり聞いたりして特別な感情に浸れるのは、オーナーだけに許されたちょっとした特権なのだ。標準装備のエグゾーストは静かだが、心地よい唸りを発する。6000回転くらいで発するVTECクロスオーバーの音も面白い。遠くから車が近づいてくるにつれてだんだんと大きくなっていく1990年代のツーリングカーのサウンドは格別だった。
総じて素晴らしい一日だった。好天に恵まれ、静かながらも面白みあふれる道を走り、何人かの仲間と昼食を共にできた。言うまでもなく最高の一日だ。
インテグラの特集、特に史上最高の前輪駆動パフォーマンス車と呼ばれた雑誌の特集記事を読むのは本当に楽しかった。ディッキー・ミーデンによる論評は20年近く前のものであるにもかかわらず、インテグラ愛好家たちの間では今日に至るまで評価され続けている。
それでもヘンリーは、ホンダのポテンシャルの奥深さに少々驚いているようだった。パッケージの大きな部分をエンジンが占めてはいるものの、シャシーも求めれば求めるほど深く深く掘り下げられる。最近のタイプRほどは速くないかもしれないし、後に続く伝説的なFF車ほどずば抜けているわけではないかもしれないが、それでも並外れたドライバーズカーであることは間違いない!
文:Matthew Hayward