ソニーは、5Gミリ波に対応し、HDMI入力も備えたAndroid搭載の「ポータブルデータトランスミッター」を3月22日に発売。量販店やソニーの直販ストアなどでSIMフリーで展開し、受注受付を2月7日10時から開始予定。価格はオープンプライスで、店頭価格は15万9,500前後を見込む。

  • ポータブルデータトランスミッター(PDT-FP1)

  • カメラ(別売)との接続イメージ

ソニー製のカメラをネットワークに接続するためのデバイスで、USBやHDMIでカメラに接続し、撮影データ(写真/動画)などを5Gモバイル通信を介してFTPサーバー/クラウドストレージに転送したり、ライブストリーミングしたりできるようにするもの。OSにAndroid 13を搭載し、ソニーが展開するクラウド制作プラットフォーム「Creators' Cloud」の各種アプリなどが利用できる。

主に報道関係者や放送・メディア業界、ウェディング業界のユーザーなどをターゲットとしており、撮影環境に左右されず写真をすぐに届けたいというニーズに応えるほか、ワイヤレス化によるカメラワークの自由度向上、セッティング簡素化による省人化も見込む。YouTube配信者などの利用も想定している。

2021年に発売したプロ向け5Gスマートフォン「Xperia PRO」(直販22万9,900円)のユーザーフィードバックをもとに、アンテナ設計や冷却構造を強化。高負荷状況においても高いパフォーマンスを確保するための、静音かつパワフルな冷却ファンを搭載している。

  • PDT-FP1(左)を、Vlogカメラ「ZV-E10」(筆者私物)と並べてみたときのサイズ感はこんな感じ

  • PDT-FP1(左)と、比較用のXperia 1 V(右)を並べたところ

画面には6.1型/1,080×2,520ドットの有機ELディスプレイパネルを採用している。Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platformと8GBメモリ、容量256GBストレージを積んでおり、さらに最大1TBまでのmicroSDXCメモリーカードで容量を拡張することも可能。USB Type-C端子を2系統備えており、ひとつはデータ転送用(USB 3.2 Gen 1対応)で、もうひとつは充電用となる。

HDMI入力を備え、カメラからのHDMI出力を最大4K/60pで入力することも可能で、YCbCr 4:4:4/4:2:2/RGBに対応。ストラップホールを端子付近に備え、市販のケーブル抜けを防止するアクセサリーが使用できる。背面には二次元コード読み取り用のカメラも装備する。

  • 左からEthernet端子、USB Type-C(上が充電用、下がデータ転送用でUSB 3.2 Gen 1対応)、HDMI入力

  • 二次元コード読み取り用のカメラ

  • PDT-FP1(左)とXperia 1 V(右)を並べて横から見たところ。カメラ専用アクセサリーというだけあって、PDT-FP1のボディが一般的なスマホよりも丈夫に

モバイル通信についてはデュアルSIM(DSDS)に対応しており、nanoSIMカードスロット1基と、eSIM 1系統を装備。日本とアメリカのプライベート5G、ミリ波(mmW)を含む広範囲のバンド幅をサポートし、将来的には欧州もカバー予定としている。対応バンドは以下の通り。

  • 5G Sub6 NSA:n1, n2, n3, n5, n7, n8, n20, n25, n28, n38, n30, n40, n41,n66, n71, n77, n78, n79
  • 5G Sub6 SA:n1, n2, n3, n5, n7, n8, n20, n25, n28, n38, n40, n41, n48, n66,n71, n77, n78, n79
  • 5Gミリ波:n257, n258, n260, n261

電波状況に応じて自動的にSIMを切り替え、通信品質を確保する機能を備えている。ただし、ボンディングには非対応で、2系統の回線を束ねてスループットを向上させるといった使い方はできないとのこと。このほかEthernet端子を備え、有線接続に対応するほか、2.4/5/6GHz対応の無線LAN機能を搭載。Bluetooth 5.3にも準拠している。

連続動作時間は、LTE経由のFTP転送時で約4時間。充電時間は約115分。USB Power Delivery(USB PD)給電に対応する。なお、PDT-FP1を介して接続したカメラ機器をパススルー充電することはできない。本体サイズは約170×80×26.6mm (高さ×幅×厚さ)、重さは約308g。背面には三脚用ねじ穴を備える。

  • カメラ(別売)と組み合わせた利用イメージ