サムスンが2024年1月17日にアメリカ・サンノゼで発表した「Galaxy S24 Ultra」はGalaxyシリーズ最高の性能と品質を実現したスマートフォンです。これまでのスマートフォンでは難しかった「スマホ単体でできる高度な処理」が可能になった、「AIスマホ」と呼べる製品に進化したのです。
スマートフォンとしてのスペックも高く、チップセットはSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを搭載、ディスプレイは6.8インチ3,120×1,440ピクセルと高解像度で120Hzの高速駆動、2,100nitの高輝度タイプ。フラットな形状なので持ちやすくなりました。フロントカメラは1,200万画素でセルフィー性能も向上しています。
本体は側面のフレームにチタンを搭載したので高級感が増しています。サイズは162.3×79×8.6mmで重さは232g。バッテリー容量は5,000mAhで45Wの急速充電に対応します。
本体カラーは4色。Titanium Yellow、Titanium Violet、Titanium Black、Titanium Grayといずれもチタニウムの名前が付けられています。カメラ付近に余計な文字なども無いすっきりした仕上げは好感が持てますね。なおこのカラーは自然にインスパイアされたとのことで、どことなく落ち着いた印象も受けます。
Galaxy S24 Ultaraには収納式のスタイラス「Sペン」が用意されています。Sペンは充電不要で本体の手書きやタッチ操作が可能な「第三の指先」とも言えるポインティングデバイスです。また本体に差し込んでおくと自動で充電され、カメラのリモコンシャッターにもなります。書き味は良好で細かい文字やイラストの書き込みなどにも対応、Samsung Noteアプリなら日本語を含む手書きした文字をテキストに変換もしてくれます。
カメラはメインが2億画素と高画質。望遠は5倍で5,000万画素とこちらも性能を高めています。それに加えて1,000万画素の3倍望遠も搭載しているのでポートレート撮影も美しく撮れるでしょう。さらに1,200万画素の超広角カメラも装備しています。Galaxy Sシリーズのカメラは夜景性能も強化されており、映える夜景を撮ったり、真っ暗な場所でもAIが顔を自動判断して明るいセルフィーも撮影してくれます。
さてGalaxy S24 UltraはAI性能を大きく進化させました。本体だけでも高度な処理が可能となっており、その中でも1番の目玉と言えるのが通訳機能です。本体がオフラインの状態でも音声を使った通訳会話が可能で、しかもレスポンスは高速です。
通訳機能は画面を上から下にスワイプしてクイック設定の中から起動できます。画面は上下に分かれており、それぞれ別の言語を表示できます。まずは自分の言語のマイクボタンを押して話をすると、1秒ほどで相手の言語に翻訳され、音声でも読み上げます。続いて相手の方が今度は自分の言語のマイクボタンを押して話せば、逆にこちらの言語に翻訳されるのです。画面の上側を反転させれば、いちいちスマートフォンの向きを相手に合わせて回転させる必要もありません。この機能は海外旅行や、日本で外国人の相手をするレストランや観光業の人にも便利でしょう。
文章の要約や翻訳もAIがこなしてくれます。長い英文を読むのは大変ですが、それを要約したり、読みやすいように段落形式でまとめてくれる機能があります。さらに翻訳を行えば英語の長文もかなりの精度で読むことができるのです。これはビジネスシーンではかなり役立つ機能になるでしょう。
そしてGoogle検索をより便利にするのが「かこって検索」です。これは画面に表示されているもの、写真の一部や文字列だけではなく、動画再生中でも気になったものがあれば指先やSペンで丸く囲むことで、すぐに検索してくれる機能です。画面のスクショを撮ったり、文字を指先でなぞって文字列を選ぶ、といった面倒なことをする必要はありません。
この他にも写真を切り抜いて移動した時の背景の自動塗りつぶしもAIが自然に仕上げるなど、Galaxy S24 UltraのAI機能は他のスマートフォンを大きく上回っていると感じました。
Galaxy S24 Ultraは海外では1月末から販売が始まっています。参考までにアメリカでは1,299ドル(約19万2,000円)で販売されます。日本でも恐らく春先に発売されることでしょう。なお姉妹モデルのGalaxy S24も別記事を書くので気になる人はそちらもぜひ読んでみてください。