WILLERとティアフォーは、鳥取市や日ノ丸自動車、日本交通と連携し、鳥取県鳥取市の中心部で自動運転サービス導入を見据えた実証実験を実施する。実施期間は2024年2月15日~25日(予備日2月26日~29日)。
鳥取市では地域交通の中核を路線バスが担っているが、少子高齢化が進むなかで運転手の高齢化や人員不足が課題になっているという。
持続可能な地域交通を構築する手段の1つとして、鳥取市では公共交通の自動運転化を目指している。2021年度には鳥取砂丘周辺で観光用自動運転サービスの構築に向けた実証を実施した。
今回の実証実験では、年間30万人が利用している100円循環バス「くる梨」(コミュニティバス)の自動運転化に向けた検証を行う。
実証実験に使う車体の前面には、レーザーで歩行者や他車両といった障害物を検視したり、車両の距離を計測したりするLiDARと、電波で障害物や距離計測をするレーダーを搭載。上部には遠隔監視用カメラ・物体認識カメラ、信号機認識カメラを搭載している。
自動運転では、事前に運行に必要な3Dマップを作製し、マップやセンサーで車両の位置を推定。カメラが歩行者や人などの障害物などを検知し、車両が安全と判断したら走行する仕組みだ。
なお、実証実験時にはセーフティオペレーターと係員が乗務し、必要に応じて手動走行に切り替えて運転したり、乗降サポートを行ったりする。
車両はティアフォー製Minibusで、自動運転時の最高速度は35㎞/h。乗車定員は25名(実証では試乗者11名+運行関係者で運行)。
運転者を必要としない自動運転システム「レベル4」の認可を取得した自動運転システム技術と、25人乗りの自動運転車両はティアフォーが提供。WILLERは事業全体の推進・管理を担う。今回の実証実験では特に自動運転走行技術の実証に注力する。
運行ルートは「くる梨」緑コースの一部約4.6㎞。試乗は事前予約制で、インターネット予約・電話予約のいずれかを選べる。乗車後にはアンケートへの回答が必要。
今回の実証実験では、地域住民の社会受容性を高めるとともに、持続可能な運行に向けたビジネスモデルを検討。将来的には、鳥取駅バスターミナルを起終点に、生活に必要な施設や観光地を含む路線を自動運転化させ、利用者による回遊を進めることで、地域経済の活性化を目指すという。