2014年以来、世界中で800,000台以上が販売されたポルシェマカン。その新型モデルがベールを脱いだ。発売から10年を経て、最高出力470kW(639PS)のパワートレインを搭載したこの第2世代のマカンは、ポルシェ初のフル電動SUVとなる。
【画像】ポルシェ初のフル電動SUV!マカンが第2世代へ(写真13点)
ポルシェAG取締役会会長のオリバー・ブルーメは、シンガポールのワールドプレミアにおいて次のようにコメントした。
「卓越したEパフォーマンス、新しいドライバーエクスペリエンス、そして非常に印象的なデザインによって、マカンをまったく新しいレベルに引き上げます」
ローンチコントロールとの組み合わせによりマカン4は最高出力300kW(408PS)のオーバーブーストパワーを発生、マカンターボは最高出力470kW(639PS)を誇る。最大トルクはそれぞれ650N・mと1,130N・mとなり、これによって優れた走行性能が保証される。0-100km/h加速はマカン4は5.1秒、マカンターボはわずか3.3秒であり、最高速度はそれぞれ220km/hと260km/hとなっている。
電気モーターは、アンダーボディに搭載された総容量100kWhのリチウムイオンバッテリーからエネルギーを取り出し、そのうち最大95kWhをアクティブに使用することができる。HVバッテリーは、ポルシェが新型マカンで初めて採用した、800Vアーキテクチャーを備えた新開発のプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)の中心コンポーネントだ。DC充電出力は最大270kWで、このバッテリーは適切な急速充電ステーションで約21分以内に10%から80%まで充電することができる。400Vの充電ステーションでは、バッテリー内の高電圧スイッチにより、800Vのバッテリーを定格電圧400Vの2つのバッテリーに効果的に分割することでバンク充電が可能。これにより、HVブースターを追加することなく、特に効率的な最大135kWの充電が可能となっている。また、家庭用充電器では最大11kWのAC充電が可能だ。
走行中には電気モーターを介して最大240kWのエネルギーを回生。インテグレーテッドパワーボックス(IPB)も、軽量化と省スペース化を実現しながら電動化されたマカンの効率性に貢献する。革新的でコンパクトなIPBは、オンボードACチャージャー、高電圧ヒーター、DC/DCコンバーターの3つのコンポーネントを組み合わせる。複合航続距離(WLTP)は、マカン4で最大613km、マカンターボで最大591kmだ。
新型マカンのボディサイズは全長4,784mm、全幅1,938mm、全高1,622mmで、ホイールベースは先代モデル(2,893mm)より86mm延長。足元を固めるのはスタッガードフィットメントの最大22インチのホイールだ。ヘッドライトは2つの部分に分かれており、4灯のデイタイムランニングライトを備えたフラットなアッパーライトユニットは、フェンダーに埋め込まれて車幅を強調する。オプションのマトリックスLEDテクノロジーを採用したメインヘッドライトモジュールは、フロントエンドのやや低い位置に配置されている。
ポルシェの特徴であるフライラインは、フラットなリアウインドウと一体になっている。特徴的なサイドブレードを備えたフレームレスドアとの組み合わせにより、スタイリッシュでスポーティなデザインが実現した。
新型マカンはパフォーマンス志向のSUVでありながら、実用面においても多くの配慮がされている。電動化によってラゲッジスペースは拡大された。モデルや装備に応じて、リアシートベンチの後ろの容量は最大540リッター(カーゴモード)、ボンネットの下には「フランク」と呼ばれる容量84リッターのセカンドラゲッジコンパートメントという2つのラゲッジコンパートメントが存在する。リアシートの背もたれを完全に倒せば、リアラゲッジコンパートメントの容量は最大1,348リッターに拡大する。また、2,000kgの最大けん引性能は、マカンの実用性をさらに高めている。
マカン4とマカンターボはともに4WDであり、2つの電気モーターは、パワーエレクトロニクスを介してほぼリアルタイムに制御される。電子制御ポルシェトラクションマネージメント(ePTM)は、従来の4WDシステムの約5倍の速さで作動し、10ミリ秒以内にスリップに対応することができ、さらに4WDの配分は選択されたドライビングプログラムによって制御される。リアアクスルの電子制御式ディファレンシャルロックであるポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)も、マカンターボのトラクション、走行安定性、横方向のダイナミクスに貢献している。
日本国内における新型マカンの予約受注開始日および価格、仕様等は決まり発表される予定だ。