【鎌倉 グルメレポ】台湾家庭料理 相思豆(ちゃんすうとう) -あった…

你好! (こんにちは)みなさんは、台湾に行かれたことありますか?私は、台湾と聞くと夜市を思い浮かべます。ところ狭しと並ぶ屋台、食いだおれ、ノスタルジックな町並み。魯肉飯に台湾麺線、お肉や魚介の炒め物など、あっさりでちょっぴり香辛料を効かせた味付け。ぶらりと小さいお店に入って、いろいろ食べてみたくはありませんか?今回は、そんな台湾料理を味わえるお店 『相思豆(ちゃんすうとう)』 をご紹介します。

お店の紹介

画像出典:湘南人

『相思豆』は、大船駅から徒歩7分。仲見世通りを抜け、突き当たりを大船図書館方面に向かう途中にあります。白い大きな看板には、『相思豆 ちゃんすうとう』 の文字。そして赤いハート型の “相思豆” が、2つかわいらしく描かれています。

大船に店を構えて今年で31年目。開業当時のお店から移転して19目になる現在のお店は、もうすっかり街の風景の一部となっています。店内は、カウンター9席と4人掛けテーブルが2つ。台湾を彷彿させる提灯や小物、絵などが、店内ところ狭しと飾られています。奥の厨房でフライパンを振るのがパパ(朱 國梁さん)。ママ(啓子さん)と娘の愛梨さんは、接客と飲み物と笑顔を担当します。料理も美味しいし、実家に帰って来たような安心感があるので、ついつい長居してしまいそうです。

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まずは料理をご紹介します

ゲソとセロリのピリ辛炒め 900円(税込)ゲソとセロリ、ピーマン、パプリカの入った炒め物です。味付けのベースは塩ですが、ショウガ、山椒、とうがらし、etcの香辛料も入っていてピリ辛です。ゲソとセロリの組み合わというのがすごい。柔らかいゲソに、ちょっと歯ごたえのあるセロリ。さらには、噛めば噛むほど味わい深いイカの旨味とセロリの爽やかな香りが、複雑に口の中で絡み合います。もうどうなっているのかわからないくらい美味しい(笑)

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トマトと豆腐と玉子の煮こみ 750円(税込)一言で説明すると、“温ったかふわとろ豆腐のあんかけ玉子とじ” でしょうか。あっさり味で、豆腐とトマトの入った大きな茶碗蒸しの様でもあり、するりと胃に収まります。玉子料理好きには、たまらない一品。おかわりしたくなるくらい、美味しいです。

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台湾麺線 700円(税込)これぞ台湾料理。麺線は、日本の“そうめん”みたいな細い小麦粉麺です。台湾にはいろいろな麺料理がありますが、麺線のかつお出汁スープは、日本の鰹節が身近にあったからではないかという説もあるみたいです。日本文化が深く入り込んだ、台湾料理ならではの味ですね。こちらの台湾麺線も絶品です。出汁の効いたとろみのあるスープ。トッピングにはパクチー。本格的な台湾麺線を是非是非ご賞味下さい。※パクチーは、別盛りも出来ます

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“相思豆”は縁結び

画像出典:湘南人

パパとママが出会った頃のお話ですが、友達グループと台湾へ旅行した時に、公園の路上アクセサリー店で“相思豆”を見つけたそうです。この赤いハート型の豆の様な物(孔雀樹の種)、実は、 “ひとつずつ持っていると結ばれる” という縁結びの種なのです。その言い伝えは現実となります。2人は、その時に見つけた“相思豆”をずっと大切に持っていたそうで、やがて2人は結ばれる事になるのです。そして、それだけではなく、お客さん達にも縁結びの効果を発揮している様です。なんと、お客さんの中には、ここに来るようになってすぐに彼女が出来たり、すでに結婚したカップルも3組もいるとか。“相思豆”の縁結び効果、恐るべし。ちなみに、2人が持っていたお互いの“相思豆”は、結婚した時に1つにしたそうです。素敵なお話ですね。

『相思豆』ヒストリー

パパが日本に来た当時、日本は高度成長期のまっただ中。世界中から日本が注目されていた時代で、パパも日本に憧れていたそうです。そんな時に、友達に誘われて日本に行くことになり、新宿の料理店で働きながら、語学学校に通いました。

画像出典:湘南人

パパの料理のルーツは、もともと料理好きで家で作ったりしていたことから始まりますが、徴兵で入った軍隊では調理部に配属され、そこで、上官の特別料理も含め1日200人分の料理を、日々試行錯誤しながら作ることで腕を磨いて来たそうです。また日本に来てからも、いろいろな中華料理店で働いていたり、実はパパさん、すごい料理人だったのです。どうりで美味しいわけです。

パパとママは結婚後、大船に居住を構え1993年6月に中華料理『来来亭』をオープンします。その後、一度移転し、2006年に現在の場所に移転することになりますが、当時はまだ台湾料理を看板にしているお店が少なかったことと、せっかくパパは台湾人なのだからということ、そして、「2人が結ばれた記念の種の名前を店名にしたい」というママの希望で、店名改め『台湾家庭料理 相思豆』とし、再オープンすることになりました。

画像出典:湘南人黒板やメニューはママの作品です

画像出典:湘南人30周年記念にTシャツも作っちゃいました

料理紹介(その2)

パパの料理には、もう一つ大切にしている想いがあります。料理上手なお母さんの味です。「アンマー(お母さん)の味は、いつもシンプルで飽きない美味しさ。今もそれを大切に、料理を作っています。」『相思豆』の原点は、まさに台湾の家庭料理。パパの料理に、どこか懐かしい様なほっとする温もりを感じるのは、そういうことだったのですね。

焼きビーフン 800円(税込)これも台湾料理ですよね。ビーフンは、”米粉”と書きます。その文字の通り、原材料は”米”です。ビーフンには、汁物と炒め物のレパートリーがあります。私もビーフン大好きなので、社食のおかずコーナーにビーフンがあると必ず食べていました。うどんや素麺とも違う独特の食感。『相思豆』にも、焼ビーフンと汁ビーフン両方ありますので、パパの台湾家庭料理の味をお楽しみ下さい。

画像出典:湘南人

魯肉飯(ルーロー飯) 700円(税込)これも台湾のソウルフードですね!細かいトロトロの豚肉を、砂糖や醤油で甘辛く煮たものを煮汁と一緒にごはんに掛けます。香辛料は山椒とか八角でしょうか。この香味がまた食をそそります。お肉のジュワっとした味を感じながら、ご飯と一緒に口の中に掻き込みます。もうパラダイス(笑)

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鉄観音烏龍茶 1,100円(税込)ここで少し、愛梨さんのお話を書きます。愛梨さんは、台湾に2年間留学し、「台湾人になって帰ってきた」とママが言うほど、言葉や文化を学び、台湾の良いところをいっぱい見て、感じて帰って来ました。お店で一緒に働くようになり、「台湾の良いところをもっと伝えたい」とSNSで情報発信を始めると、その効果もあり、遠方から「SNSを見て来た」という、台湾好きのお客さんも増えたそうです。

そんな愛梨さんが、台湾でハマったのがお茶です。美味しいお茶に出会って、入れ方を学んで来ました。そのお茶が、メニューとして加わっています。「急須で3回出せます」これが飲んでみると意外と面白い。1杯目は、香りと濃厚な甘みを感じます。2杯目は、味が少し濃くなった様な感じ。3杯目は、幾分さっぱりした感じ。久しぶりに美味しいお茶を飲んだという余韻に浸ります。お酒の飲めない方は、こちらがお勧め。飲める方も、チェイサー代わりに飲んでみて下さい。感動します。

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最後になりますが

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私もここに通うようになって長いのですが、ここのお客さん達はいつもみんな笑っています。楽しそうに食べて飲んで、みんな良い笑顔だなと感じます。「台湾の人は、みんな優しくて良い人でした。他人を受け入れてくれるし、否定する人には出会わなかった」と愛梨さん。その優しく抱擁された雰囲気は、『相思豆』の中にも感じます。

縁結びの“相思豆”から始まり、大船で、みんなに愛されるお店として定着した『相思豆』。若き日のパパは、親元を離れ、異国の地に夢を求め、言葉も生活習慣も違う環境で、不安だらけだったと思います。そのパパの故郷台湾に留学し、ひとりで異国生活をする大変さを、パパに重ねて感じた娘。そんな二人を優しく見守るママ。素敵なご家族だなって、いつも感じます。そんなご家族のお店なのだから、居心地が良いに決まっていますよね。

このお店には、人が集まって来るだけの魅力があります。台湾の魅力もいっぱい感じます。でも、みんなが集まるのは、パパ、ママ、愛梨さんに会いに来るのが一番の理由かなと、今回この記事を書かせてもらって気づきました。みなさんも是非一度、足を運んでみて下さい。美味しくて、あったかい台湾家庭料理がお待ちしています。

画像出典:湘南人

おまけ

愛梨さんの台湾おすすめ情報を聞いておきました。これから行かれる方、参考にどうぞ。・嘟嘟水餃 Dodo’s Dumpling の水餃子・脆皮鮮奶甜甜圈 (晴光店) のドーナッツ他にも沢山良いところが有るので、お店で愛梨さんに聞いてみて下さい。

店舗紹介

【台湾家庭料理 相思豆】■住所:神奈川県鎌倉市大船3-2-9■電話番号:0467-48-5526■営業時間:18:00-22:30 (LO21時)■定休日:日曜日・木曜日■席数:17席(4人がけテーブル席が2つ、カウンター9席)※混雑時2時間制※来店時は必ずご予約ください