ニッポン放送・山田透アナウンサー

◆ いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム1・2月のテーマは“自主トレ、春季キャンプ”

1月下旬となり、プロ野球もキャンプイン間近だ。ニッポン放送・山田透アナウンサーは、長嶋茂雄氏が巨人監督時代、早朝6時から行われる散歩を取材するため、巨人の泊まる宿舎に朝5時ごろからホテルに張り付いていたという。

 「囲みの監督番記者が10人くらい囲んで、足が速いので、みんなダッシュをしないと誰もついていけない。時折コースを変更して松林の中に入って行ったり、『おはよう』から始まって、『う〜ん、松井くんね』という話があったり、オフィシャルであり、オフィシャルではないから、新聞に書けないような話だけですね。野球に関することは、そういう席ではなかなかしないもんです」

 長嶋監督がウインドブレーカーを脱ぎ、ユニホームでノックを打つ姿が印象に残っている。

 「監督がノックしてくれるというのはその年の注目選手に監督自らノックをするというのが、その年の名物。テレビ局も3クルーぐらい来てるから全員無線で、宮崎は広いからどこにいるとか連絡を取り合って、昔は大変でした」。

◆ 落合監督の名物ノック

 落合博満氏の中日監督時代の練習量も凄かったという。落合監督時代の中日の春季キャンプといえば、基本的にはシーズンと同じように“6勤1休”。それでいて練習時間が長い。

 「練習メニューが全部終了した後に、落合ノックが始まる。指名制で荒木と井端がそれで世の中に出たと言われている。俺も見ていたんだけど、落合さんのノックはまるで名人芸なのよ。10本連続キャッチと言って、8本目、9本目を目一杯グラブを出しても届かないところに行くわけよ。あと3センチ頑張れよ。もう1回最初からねというのを繰り返すから、2時間ぐらい経つ。あっという間に真っ暗闇になる。ヘトヘトになるわけですよ。それを見た時にやっぱりすごいなと思ったね。またコーチたちも、監督ノックが始まる前に監督のノックを見て、自分たちのノック練習をしていましたね」。

 山田アナによると、落合監督ノックは、「全然力を入れないで、いくよ〜とあのトーンです。よし、はい、よし、いくよ〜と2時間ずっとそうなんですよ」と話し、「荒木、井端はその結果レギュラーになった。それまではレギュラーの保証も何もないから。森野も落合監督のノックを受けていたよね」と語った。

◆ 衝撃を受けた村上の打球

 山田アナは22年に三冠王を達成したヤクルト・村上宗隆の1年目の春季キャンプ初日の打撃練習に衝撃を受けた。

 「ヤクルトの二軍キャンプを午後から取材に行ったわけですよ。二軍キャンプは西都だからマスコミは誰もいない。高津監督が二軍監督の時だから、“透さんこれから村上っていうのが特打をするから見ていけば”と言われて、見ていてびっくりした。みんなライトオーバー。初日に2月1日の特打で。松井秀喜もどん詰まりの打球だったのに、この選手すごいなと。絶対バレンティンになるとその時に思ったわけよ」。山田アナの見立ては見事に当たり、2年目に36本塁打を放つと、21年には本塁打王、22年には三冠王、昨季終了時点で通算191本塁打を放つ。

 長年プロ野球を取材する山田アナは、今年でアナウンサー生活50年目。「今年の2024年の山田透アナウンサーはアナウンサー生活50周年。いろんな場面にも遭遇して、いつまで喋れるかわからないんだけど、今年の自分のテーマは“最高”。最高の場面に出くわして、最高の中継ができて、最高の感動を自分で得られるかどうか。テーマは最高」。最高の1年にする。

(ニッポン放送ショウアップナイター)