「あの案件はポシャっちゃって……」というように、ビジネスシーンでも日常会話でも耳にすることのある「ポシャる」という言葉。

最近では死語ともいわれるので、意味を把握していない方もいるのではないでしょうか。 今回は、「ポシャる」の意味と語源・由来、使い方・例文や類語・言い換え表現を解説します。

「ポシャる」の意味とは?

  • ポシャるの意味とは

    「ポシャる」の意味を解説します

ここでは、「ポシャる」の意味を紹介します。

「ポシャる」の意味1. 途中でダメになる

「ポシャる」は、「途中でダメになる」という意味があります。物事が進行していたのに、完結できず中断した、途中で終わってしまったというときに使います。

  • 「あの会社の選考は面接でミスをしちゃったから、ポシャるかもしれない」
  • 「そういえばあのプロジェクトはどうなったんですか? 」
    「結局、クライアントと予算の話で折り合いがつかなくてポシャったよ」

「ポシャる」の意味2. 計画が潰れる

「ポシャる」は、計画が潰れたときにも使います。

  • 「夏休み旅行するって話していたけど、どこに行くか決まった? 」
    「一緒に行く友達がケガをしちゃって、結局ポシャったんだよね」
  • 「半年かけてお祭りの準備を進めてきたのに、当日のゲリラ豪雨で一瞬でポシャった」

計画を立てて準備をしてきたことが、何かの原因で潰れてしまった場合にも「ポシャる」と表現できます。

「ポシャる」の語源・由来

  • ポシャるの語源・由来

    「ポシャる」はフランス語から来ています

「ポシャる」は、実はフランス語が語源といわれています。以下で詳しく解説します。

フランス語が語源

「ポシャる」の「ポシャ」はフランス語の「chepeau(シャッポ)」を逆さにしたものです。「chepeau(シャッポ)」はつばつきの帽子を表します。

シャッポ(帽子)を脱ぐ行為は、帽子を取って相手に敵意のない姿勢を示す意味を表すため、「帽子を脱ぐ=降参する」の意味として使われるようになりました。そして「降参する」から派生して、「失敗する」「ダメになる」といったニュアンスで使われるようになったとされています。

日本の風習も影響

「ポシャる」は、日本の風習から生まれた言葉とも捉えられます。明治時代、文明開化によって西洋の文化が大量に日本に入ってきました。ファッション面でも、従来の和服から、洋服と帽子に変わります。

その当時、帽子は正装の一つとして考えられており、帽子を被ることで外での自分を示したそうです。帽子を脱ぐときは、外に向けた自分のイメージを脱ぐことになります。

日本に古くからある「兜を脱ぐ」という言葉と同様、「シャッポを脱ぐ」は敵への降服や、相手に対して「かなわないと認める」といった意味で使われるようになったとされています。

「ポシャる」の使い方・例文

  • 「ポシャる」の使い方・例文

    「ポシャる」はビジネスシーンでも使われます

ここでは、「ポシャる」の使い方・例文を紹介します。

「ポシャる」の使い方・例文【友達との会話】

「ポシャる」はカジュアルな表現なので、友達との会話では問題なく使えます。

  • 「この前バイクが壊れちゃって、楽しみにしていた旅行はポシャったよ」
  • 「子どもがインフルになって、家族キャンプはポシャっちゃったんだよね」
  • 「この前あの人にドタキャンされて、その後の計画はポシャったよ」

「ポシャる」の使い方・例文【ビジネスシーン・社内】

「ポシャる」は、実はビジネスシーンでもよく使われる言葉です。ただし、目上の人や社外の人に対して使うことはあまりありません。社内の同僚や同じ部署の親しい関係であれば、使いやすいフレーズです。

  • 「この企画は予算がかかりすぎるということでポシャったよ」

  • 「他社も検討してから決めたいといってきたから、この案件はポシャるかもしれないな」
  • 「この計画では途中でポシャる可能性が高いから、もう一度検討し直しましょう」

「ポシャる」は死語?

「ポシャる」は、友人同士やビジネスシーンでも使える言葉ですが、若い人が相手だと通じない可能性も。

「ポシャる」は主に昭和世代が使うフレーズだともいわれています。若い世代でも相手が社会人の場合は、昭和世代とも日常的に接しているので通じるかもしれませんが、相手が学生の場合は通じない可能性が高いでしょう。

「ポシャる」の類語・言い換え表現

  • 「ポシャる」の類語・言い換え表現

    「ポシャる」の類語・言い換え表現を紹介します

「ポシャる」と同じ意味で使える類語・言い換え表現を見ていきましょう。

「ポシャる」の類語・言い換え表現には次のようなものがあります。

  • 潰れる
  • 砕ける
  • なくなる
  • おじゃんになる
  • ダメになる

いずれも何かあったものが「なくなる」「壊れる」「潰れる」などを表現する言葉です。

また、ビジネスシーンで使える「ポシャる」の類語には以下のようなものがあります。

  • 中止になる
  • 頓挫する

「企画が中止になった」「プロジェクトが頓挫した」といったニュアンスで使用されます。

「ポシャる」は日常的に使われる言葉

「ポシャる」は、「物事が途中で中止になる」「計画が潰れる」「頓挫する」などの意味を持つ言葉です。外来語を変化させたもので、もともとはフランス語の帽子を意味する「シャッポ」が語源です。

帽子を脱ぐ行為が、相手への降伏を意味するため、「シャッポを脱ぐ」から、「失敗する」「降参する」「計画がダメになる」などの意味で使われるようになったとされています。

カジュアルな表現ですが、社内での会話などのビジネスシーンでも使える言葉なので、馴染みがある人も多いでしょう。ただし、「ポシャる」は、若い人の間ではあまり使われていない言葉で、相手によっては死語と捉えられる可能性があるので注意が必要です。