台湾俳優 シュー・グァンハン(グレッグ・ハン)と女優・清原果耶がW主演を務める映画『青春18×2 君へと続く道』(5月3日公開)の予告編が25日に公開され、主題歌、および出演者が明らかになった。

  • 上段左からシュー・グァンハン、清原果耶、道枝駿佑。下段左から黒木華、松重豊、黒木瞳。

同作は藤井道人監督の最新作で初の国際プロジェクトとなる日台合作映画。台湾で話題を呼んだジミー・ライの紀行エッセイ『青春18×2日本慢車流浪記』にインスパイアされたスター・チャン・チェンが企画し、「日本×台湾」「18年前×現在」を舞台に国境と年月を超えた切なくも美しいラブストーリーが繰り広げられる。

物語は18年前の台湾から始まり、カラオケ店でバイトする高校生・ジミー(シュー・グァンハン)は、日本から来たバックパッカー・アミ(清原果耶)と出会う。天真爛漫な彼女と過ごすうち、恋心を抱いていくジミー。しかし、突然アミが帰国することになり、意気消沈するジミーに、アミはある約束を提案する。

時が経ち、現在。人生につまずき故郷に戻ってきたジミーは、かつてアミから届いたハガキを再び手に取る。初恋の記憶が蘇り、あの日の約束を果たそうと彼女が生まれ育った日本への旅を決意するジミーは、東京から鎌倉・長野・新潟・そしてアミの故郷・福島へと向かい、道中で彼女とのひと夏の日々が心にあふれ出す。

ジミーが長野県飯山線の電車の中で出会うバックパッカーの青年・幸次を演じるのは道枝駿佑。アジアでも知名度が急上昇中で、本作のタイトル『18×2』のキーにもなる“36歳”になったジミーが出会う“18歳”の青年を演じる。

ジミーが立ち寄る新潟県長岡市にあるネットカフェのアルバイト店員で、偶然見かけたランタン祭りにジミーを案内する由紀子は黒木華が演じ、藤井組には3作目の参加となる。監督からの信頼も厚く、「本作では大切なセリフを託した」(藤井監督)そうで、本作で演じる役柄では、ビジュアルも含め新たな一面を見せる。

アミが生まれ育った町の住人・中里には松重豊、アミの故郷である福島県只見町に暮らすアミの母親には黒木瞳。黒木は以前より藤井監督の作品が好きで今回自ら参加を熱望し、藤井監督からの「どんな俳優でも町や生活にどう馴染むかを大事にしたい」というリクエストに応えた。

主題歌はMr.Childrenが手掛けた。藤井監督も10代から愛聴する憧れのバンドであり、自身の監督人生の第二章の始まりとも語る本作で主題歌にと熱望し、本コラボレーションが実現。脚本段階で制作された楽曲は、監督、プロデューサー陣を唸らせるほど作品の本質を捉えており、藤井監督は撮影期間中も常にこの曲を聴いて「作品づくりのぶれない芯になった」「僕にとっては原点ですし、今回の主題歌も『Mr.Childrenしかいない』と言いはしましたが......まさか叶うとは。『記憶の旅人』という素晴らしい曲を書き下ろしてくださったMr.Childrenの皆さんに本当に感謝しています」とコメントしている。

■Mr.Children コメント

かつて自分の中に「確かにあったもの」
そして今も自分の中に「あって欲しいと強く願うもの」が
この映画の冒頭から終わりまで、ずっと流れていて
その懐かしさ奥ゆかしさ温かさは
すぐ近くにあるのに、もう手が届かないようで
もどかしくてもどかしくて
たまらなく人恋しくなる
この映画に関わる上で
不純なものは極力取り除いて音楽として抽出したつもりです。
それだけが私たちに出来ることでした。
2024年に、こんな素敵な映画が生まれてくれたこと、そして、この映画に関われたことが、有り難くて、嬉しくて今はただ感謝でいっぱいです。ありがとう

Mr.Children 桜井和寿

■道枝駿佑 コメント

藤井監督の作品、また監督にとって初の国際プロジェクトに参加させていただけることは大変光栄でした。海外に向けた作品に出演することが夢だったので、率直にすごく嬉しかったです。
電車に乗りながら、駅から駅までの移動中に撮れるシーンを撮っていく、ホームに止まっている間に撮れるカットを撮るなど、時間に制限がある中で、できることをやっていく感じが僕にとっては初めての挑戦で、すごく新鮮でした。試行錯誤しながら、楽しくお芝居させて頂くことができました。
この作品は、人が人と交わり出会うことによってどう成長するのか、そして人の温かさ・人情を、スクリーンを通して感じていただける映画だと思います。是非劇場に足を運んで頂けたらと思います。

■黒木華 コメント

監督にお話をいただいた時、私が演じる由紀子のビジュアルは決まっており、今まであまりやった事のない役柄と髪型だったので、とても楽しみでした。撮影は、ランタンを飛ばすシーンが本当に美しくて、実際に台湾に観に行きたいと思った程、印象に残っています。
藤井監督との撮影では、いつも刺激的な出会いや経験が出来るので、本当にありがたい限りです。ジミーが、アミと過ごした18年前の想いを胸に、現在の日本での様々な出会いを経て変わっていく姿を楽しんでいただければ幸いです。

■黒木瞳 コメント

最初に脚本を読んだとき、台湾と日本の国境を越えた愛の物語と、時間を味方にして愛がどのように浄化されていくのかという深いテーマに泣いてしまいました。藤井監督の作品はとても好きで全て拝見しており、いつかご一緒できたらいいなと思っていましたので、夢が叶い大変嬉しかったです。演出もものすごく繊細で、刺激的でした。ジミーが愛する人が育った国、日本の旅を通して、心の傷をどのように雪解けさせていくのかを美しい日本の風景とともにお楽しみいただけたらと思います。ジミーとアミ、二人の愛の行く末を、切なく、清らかな気持ちでご覧になって頂きたいです。

【編集部MEMO】
シュー・グァンハン(許 光漢)は1990年10月31日生まれ。ドラマ『時をかける愛』で頭角を現し、宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』台湾版のメインキャストに抜てきされるなど、アジア全域で活躍する国際派俳優。

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